介護業界では、夜勤専従スタッフの採用に悩む声が多く聞かれます。「夜勤専従歓迎」と記載しても応募が来ない。 あるいは、応募はあっても定着しない——その背景には、働き方への不安や誤解、そして情報不足があります。一方で、Wワーク希望者や家庭との両立を重視する方など、「夜だけ働きたい」というニーズは確実に存在します。だからこそ、求人原稿では夜勤専従のメリットを伝えながら、不安を払拭できる情報提供が求められます。
「採用担当者のための介護求人の極意 第8回」では、第7回『日勤希望者の応募が増える原稿づくりのコツ』に続いて、夜勤専従スタッフの採用に焦点を当て、採用成功につながる原稿づくりのポイントを求職者の視点から解説します。
なぜ夜勤専従スタッフは集まらないのか?
夜勤専従の働き方には一定のニーズがあるものの、いざ募集をしてみると「思ったより応募が来ない」「採用できてもすぐに辞めてしまう」といった声もよく聞かれます。その背景には、「夜勤は大変そう」というイメージや、勤務の流れ・体制などが十分に伝わっていないことが影響していると考えられます。
ここでは、夜勤専従スタッフの採用がうまくいかない理由を整理しながら、どんな情報を原稿に盛り込むと安心して応募してもらえるかを見ていきます。
少人数体制や仮眠の有無に不安を感じている
「夜勤は体力的にきつい」「一人ですべての対応を任されるのでは」——そんな声をよく耳にします。
実際、介護労働実態調査(令和5年度)では、夜勤が1人体制で行われている割合は53.7% と過半数を超えており、少人数体制が不安の原因になっていると考えられます。また、「仮眠が十分とれる」と答えた人はわずか14.7%にとどまり、身体的な負担を感じやすい環境が、応募のハードルを上げています。
公益財団法人介護労働安定センター『介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書』
求人原稿から働くイメージがわかず不安になる
「夜勤専従」と記載されていても、実際にはどのような業務を、どんな時間帯に、どのような体制で行うのかが伝わっていないケースは少なくありません。例えば、「夜勤手当あり」「週2回OK」といった断片的な情報だけでは、求職者は勤務実態を具体的に想像できず、不安を感じて応募をためらってしまいます。
特に、以下のような情報は安心して応募するための判断材料として重要です。
- 夜勤中の具体的な業務スケジュール(巡視・記録・仮眠・申し送りなど)
- 何人体制で勤務しているか(1人 or 2人)
- 急変時の対応フローやオンコール体制の有無
- 仮眠・休憩が「制度としてある」だけでなく「実際に取れる環境か」
これらの情報を求人原稿内で丁寧に示すことで、応募前の不安を解消し、「自分にもできそう」という印象を持ってもらいやすくなります。
「きつそう」「孤独そう」といった誤解をされている
夜勤専従=「大変」「一人で全部こなす」「休めない」というイメージが先行し、実態よりも厳しく見られているケースもあります。しかし実際には、「業務が落ち着いていて集中しやすい」「人間関係の煩わしさが少ない」といった声もあり、情報発信の仕方次第で「安心して働けそう」に変わる可能性があります。このように、夜勤専従の働き方を正しく伝えられていないことが、応募が集まらない最大の要因です。
ただ、ネガティブな面ばかりではありません。夜勤専従という働き方は、「短時間でしっかり稼げる」「人間関係のストレスが少ない」「落ち着いた環境で自分のペースで働ける」といったメリットがあるのも事実です。だからこそ、求人原稿では安心できる情報とともに、夜勤専従だからこその魅力も、しっかり伝えることが大切です。

介護業界×有資格者採用セミナー
このセミナーでは、求人広告や人材紹介に頼らず、有資格者の採用に役立つ新しい手法・ノウハウを事例とともにご紹介します。
他施設の取り組みを知りたい方や、これからの採用のヒントを得たい方にもおすすめです。
夜勤の不安を減らすには?勤務内容と体制の伝え方
夜勤専従スタッフの応募を集めるためには、求職者が不安に感じやすいポイントに対して、明確な情報を原稿内で提示することが重要です。特に勤務体制や夜間業務の内容は、「自分でもできそう」と思えるかどうかを左右する、最も重要な情報のひとつです。
夜勤の業務内容は“何が起きるか”ではなく、“普段は何をしているか”を伝える
多くの求職者は「夜勤中は何をしているのか」が分からないことで不安を感じています。 だからこそ、業務の全体像や1日の流れを、あらかじめ示しておくことが効果的です。
夜勤業務の表記例
- 21:00〜 巡視・就寝準備の確認
- 22:00〜 記録記入・ナースコール対応
- 0:00〜 仮眠交代(60分)
- 2:00〜 巡視・排泄介助など
- 4:00〜 朝の準備(起床介助が必要な場合)
- 6:00〜 朝食準備補助・申し送り
このように、「何を・いつ・どんな体制で行うのか」が見えるだけでも、不安は大きく減ります。あわせて、夜間のナースコール対応や緊急時の対応フローを明記しておくと、「一人で抱え込む仕事ではない」ことが伝わりやすくなります。オンコール体制や、夜勤時に誰に連絡できるのかを視覚的に補足することも有効です。
さらに夜勤中は入浴介助やレクリエーションなどの業務がなく、比較的落ち着いた勤務であることも、原稿内で伝えておきたいポイントです。また、仮眠室の照明調整や間仕切りの有無など、休憩環境の具体的な設備についても触れることで、求職者の不安を和らげやすくなります。
「1人か2人か」は明記すべき最重要項目
勤務人数は、求職者が非常に気にするポイントです。「1人勤務か2人勤務か」「自分だけで対応しなければならないのか」は、応募を判断する大きな材料になります。だからこそ、原稿内では以下のように、勤務体制を明確に伝える表現を取り入れるのが効果的です。
- 2名体制の夜勤です。巡視や対応も交代で行うため、無理なく勤務できます。
- 介護スタッフ1名+看護師オンコール体制あり。急変時はすぐに指示がもらえる安心の体制です。
- 夜勤は原則1名体制ですが、緊急時は管理者にいつでも電話連絡が可能です。マニュアルと対応フローも完備しています。
こうした情報があるだけで、「一人で背負うのではない」「助けを求められる仕組みがある」と求職者は感じやすくなり、応募のハードルが下がります。
あわせて、未経験者やブランクのある方を採用する場合には、事前の同行研修や業務マニュアルの整備状況も原稿内で伝えておくと、応募の不安を軽減できます。
「仮眠・休憩」も制度だけでなく実態を伝える
「仮眠60分あり」と書くだけでは不十分です。前章でも触れたように、仮眠は制度としてあっても、実際にとれていない現場もあるため、応募者はその点を慎重に見ています。以下のように、実際に休憩や仮眠をどう取れているかを伝えるのがポイントです。こうした安心して休める実績があると、応募者の心理的ハードルを下げることができます。
- 仮眠時間は1時間。巡視を交代で行い、実際に毎回仮眠を確保できています。
- 電話当番や緊急時対応は別担当が待機しており、1人での対応にはなりません。
- 過去1年間で体調不良による早退・トラブルなし。安全な運営体制です。
まとめると、夜勤専従を検討している求職者は、以下のような点を重視しています。
- どんな業務をどんな時間帯にするのか(流れ)
- 1人か2人か。困ったときに誰がサポートしてくれるのか(体制)
- 仮眠・休憩は本当に取れるのか(実態)
これらを原稿内に盛り込むことで、「自分にもできそう」「無理なく働けそう」と思ってもらえる確率がぐっと高まります。

介護業界×有資格者採用セミナー
このセミナーでは、求人広告や人材紹介に頼らず、有資格者の採用に役立つ新しい手法・ノウハウを事例とともにご紹介します。
他施設の取り組みを知りたい方や、これからの採用のヒントを得たい方にもおすすめです。
働き方に合った収入が見えると、応募につながる
夜勤専従の求人で応募を集めるには、給与・待遇面の見せ方が非常に重要です。特にWワーカーや家庭と両立したい層は、「効率的に稼げるかどうか」を重視しています。
ただし、「夜勤手当あり」や「週2日〜OK」といった表現だけでは、具体的な収入イメージが湧かず、応募にはつながりません。だからこそ、夜勤1回あたりの手当や月収例、勤務パターン別のモデルケースなど、数字を使って想像しやすい情報を伝えることが大切です。
夜勤1回あたりの手当は、金額×条件をセットで伝える
夜勤手当は施設によって差がありますが、1回あたり8,000〜12,000円前後が一般的です。処遇改善手当や深夜割増などを含めると、1回あたり20,000円以上になるケースもあります。
こうした給与条件は、「効率よく稼ぎたい」という層にとって大きな魅力になります。そのため、単に夜勤手当ありと記載するのではなく、手当の金額や支給内容を具体的に明記したうえで、勤務回数に応じた月収モデルをセットで提示することが効果的です。
- 夜勤1回:20,000円(基本給+夜勤手当+処遇改善含む)
- 週2回勤務×月4週=月収約160,000円
- 交通費支給、希望に応じて週1回〜も相談可
こうした具体的なモデルを提示すると、「この条件ならやってみたい」と思ってもらいやすくなります。
「Wワークで副収入」という訴求が刺さるターゲットも多い
夜勤専従は、「少ない日数でしっかり稼げる」という点が最大の強みです。コンビニや飲食などの夜勤に比べて、人間関係や業務の負担が少ないと感じる求職者も多く、比較対象として意識されやすいのが現実です。
- 本業+副業で月5万円以上の収入も可能
- 「接客作業の少ない夜勤」「静かな環境で働ける副業先」を探している方にぴったりです
求人原稿では、こうした比較メリットも意識して訴求することで、他職種との競合でも優位性を打ち出すことができます。
柔軟な勤務条件もできる範囲で明示する
特に副業をしたい層や主婦層は、勤務日数・曜日・回数の柔軟性を重視しています。「夜勤専従OK」だけでなく、「週1〜2日OK」「曜日固定相談可」「希望休考慮」など、柔軟に働けることをしっかり伝えましょう。
- 週1〜2回の夜勤専従勤務。曜日固定もOK。
- 月8回までの勤務希望者も歓迎。Wワーク・家庭と両立しやすい環境です。
待遇面でも「安心できる職場」を伝える工夫を
給与だけでなく、待遇や制度面も応募の判断に大きく影響します。パートスタッフにも賞与が支給されるかどうか、処遇改善手当がどのくらいの金額で、いつ支給されるのか、有給の取得状況や昇給の実績があるかなど、「長く働けそうかどうか」を左右する要素は多岐にわたります。
また、試用期間の有無やその条件も、応募前に知っておきたい情報のひとつです。以下のような情報を事前に原稿に盛り込んでおくことで、「安心して応募できる職場」としての印象を高めることができます。
- 昇給あり(年1回・昨年度実績 平均2.5%UP)
- 有給取得率:昨年度実績90%以上
- パートスタッフも賞与年2回支給(支給実績あり)
給与や待遇の情報は、抽象的では応募者の背中を押せません。数字を明確に伝え、働き方のイメージを描けるようにすることで、「ここなら働けそう」「これなら続けられそう」という気持ちを引き出せます。
応募をさらに後押しするには?「リアルな職場の雰囲気」を伝える工夫
求人原稿において、「この職場で働く自分がイメージできるかどうか」は、応募を左右する重要な要素です。特に夜勤専従の場合、「夜中の職場ってどんな雰囲気?」「本当に仮眠は取れる?」「一人きりじゃない?」といった不安を感じている求職者は少なくありません。
だからこそ、写真や体験談、スケジュール例を使って「リアルな働き方」を伝えることが応募の後押しにつながります。
写真で伝える安心して働ける環境
文字だけでは伝わりづらい職場の雰囲気や設備も、写真があることで一気に安心感につながります。たとえば、以下のような写真が効果的です。
- スタッフ用の休憩スペース・仮眠室(清潔感や設備が見える)
- 夜勤中のスタッフの連携風景(2名体制や連携体制が伝わる)
- 落ち着いた廊下・照明の様子(夜勤特有の雰囲気を視覚で伝える)
「孤独ではない」「危険ではない」という安心感は、言葉よりも写真のほうが伝わることも多いのです。
夜勤スタッフの体験談で応募への不安を解消する
求人原稿で夜勤の魅力を伝える際、実際に働いているスタッフの声を紹介することで、応募者の不安をやわらげる効果が期待できます。勤務のリアルな様子や働きやすさを、体験談というかたちで伝えることで、「自分にもできそう」「同じように働けるかもしれない」と感じてもらいやすくなります。
- 「週2回の夜勤だけで、家事や副業との両立ができています」
- 「2人体制で交代仮眠もあるので、体調を崩すことなく働けています」
- 「人間関係に悩むことが少なく、静かに自分の仕事に集中できるのが合っていました」
スタッフの声は第三者視点の情報として信頼性も高く、職場の雰囲気や働き方に共感してもらうきっかけにもなります。求人原稿に直接掲載するのはもちろん、自社の採用サイトやSNSなどで発信することも効果的です。
「働いたあとの生活」まで見せるとさらに安心感が増す
「夜勤だと翌日は丸一日寝込むのでは?」「生活リズムが崩れないか心配」そんな声に応えるには、実際の勤務スケジュール例を提示するのが効果的です。
例:週2回夜勤の勤務スケジュール(主婦向け)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|
勤務なし | 夜勤 (21~翌9時) | 明け休み | 勤務なし | 夜勤 (21~翌9時) | 明け休み | 勤務なし |
平日のスタートは無理なく。家事や自分の時間に使えます。 | 仮眠2時間あり。落ち着いた環境で集中できます。 | 朝はゆっくり休み、午後から家事や買い物に充てられます。 | 家族との時間も確保しながら働けます。 | 週の締めに夜勤。翌日が休みなので調整しやすいです。 | 午後は家族との買い物や食事などにあてられます。 | リフレッシュと家族時間の確保にぴったり。 |
このように、「週2回なら生活に無理なく組み込める」という見通しを持てると、応募の心理的ハードルは大きく下がります。
夜勤専従スタッフの採用は、“安心感のある情報”が左右する
夜勤専従スタッフの採用では、条件の良し悪しよりも、情報の伝え方次第で応募結果が大きく変わります。「週1〜2回OK」「仮眠あり」「高収入」など、魅力的な条件が揃っていても、それがきちんと伝わっていなければ、求職者には届きません。
- 夜勤中にどんな業務をしているのか(業務の流れ)
- 何人体制で、どんなサポートがあるのか(勤務体制)
- 仮眠や休憩は本当に取れるのか(実態)
- 週にどれくらい入ればどの程度稼げるのか(収入モデル)
- 自分の生活と両立できそうか(スケジュール例)
これらの求職者が知りたい情報を数字・実例・写真・体験談などを使って具体的に伝えることで、求職者は初めて「ここなら働けそう」と感じることができます。夜勤専従スタッフの採用は、求職者に「安心」と「納得」を与えられるかどうかが勝負です。条件の良さをきちんと伝えきることで、応募数と定着率の両方を高める原稿が実現できます。
どんなお悩みも、お気軽にご相談ください


「現在の運用が適切か判断できず、改善点が見えない」
「予算感が不明で、話を進めるのが不安」
「具体的に何を相談すればよいのかわからない」
こんなお悩みをお抱えの方は、まずはお気軽にお問い合わせください!アクシアエージェンシーは、Indeedゴールドパートナーとして豊富な実績とノウハウを活かし、貴社の採用課題を徹底的に分析します。
アクシアエージェンシーの3つの強み
- 3C分析を活用したターゲット設定で採用効果を最大化。
- 徹底した求人原稿の作り込みにより、質の高い応募者を確保。
- 専任スタッフによる迅速な対応と改善提案で、安心して運用を任せられる体制。



貴社の課題やお悩みにしっかり寄り添い、最適なご提案をさせていただきます。専任のスタッフが迅速に対応いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください!