人材確保が年々難しくなる介護業界では、求人原稿の質が採用成功の大きな鍵を握っています。

「同じ条件なのに、なぜ応募が集まる施設と集まらない施設があるのかな?」
「どんな表現が介護スタッフの心に響くのか分からない…」
こんなお悩みに答えるため、採用担当者のための介護求人の極意シリーズ 第1回目では、現場スタッフの声をもとにした調査データから見えてきた「応募したくなる求人原稿の3つの法則」について解説します。これらの法則を理解し、Indeed PLUSで求人情報を作成する際に活用することで、応募数の増加につながります。
採用成功の鍵は現状把握から!現場スタッフの声から見えることとは?
効果的な求人原稿を作成するためには、まず介護業界における採用の現状と求職者の傾向を理解することが重要です。リクルートジョブズの「働く人と職場2019 -介護サービス編-」調査によると、以下のような特徴があります。
魅力と課題の両面を知れば採用が変わる!
介護サービス業界の就業者が「この仕事を選んだ理由」のトップ5を見ると、「お客様から感謝される(80.0%)」が最も高く、次いで「社会的に価値のある事業(76.5%)」「専門性が身につく(76.0%)」と続きます。これらは求人原稿で特に強調すべき魅力ポイントとなります。
一方、離職者の理由を見ると「給与、報酬が低い(52.5%)」がトップで、「体力的にきつい(47.5%)」「給与・収入があがらない(45.5%)」と続きます。これらは求人原稿で積極的に払拭すべき不安要素です。同じ業界でも「選ぶ理由」と「辞める理由」には明確な違いがあり、この両面を理解することが採用戦略の鍵となります。

現場が求める改善点から見えるアピールポイント
現在就業中の方が挙げる改善点では「有給休暇取得のしやすさ(59.5%)」と「職場環境(人間関係等)(59.0%)」が上位を占めています。これらの点に対する取り組みをアピールすることで、応募者の安心感を高められます。

未経験者の心をつかむポイントは?
興味深いのは、未経験者のうち「働いてみたい」と「働きたくない」と考える人の理由の違いです。「社会的価値(75.0%)」や「感謝される(67.5%)」点は魅力として感じる一方で、「体力的負担(78.5%)」や「給与面(77.5%)」が大きな不安要素となっています。

これらのデータから、求人原稿では「やりがい・社会的価値」を強調しつつ、「給与・労働環境」への不安を解消する情報提供が重要だと分かります。次のセクションからは、このデータを踏まえた効果的な原稿作成のポイントをご紹介します。
求人原稿作成の基本 – 3つの法則で応募者の心をつかむ
データから見えてきたこの傾向を、どのように求人原稿に活かせるでしょうか?現場スタッフの声を分析すると、応募したくなる求人原稿には明確な3つの法則があることがわかりました。
これらの法則を理解し、応募者の「期待」と「不安」の両方に効果的にアプローチすることが、採用成功への近道です。
仕事の魅力を具体的に伝える
応募者は「お客様からの感謝」「社会的な価値」といった要素に魅力を感じています。しかし、多くの求人原稿では「やりがいのある仕事です」といった抽象的な表現にとどまっているため、本当の魅力が伝わりません。
応募者の心に響く求人原稿を作るためには、具体的なエピソードや事例、数字を用いて「どのような場面で、どんな風に、誰から感謝されるのか」「どのように社会に貢献しているのか」を具体的に伝えることが重要です。実際に職場で起きた感動的な場面や成果を織り交ぜることで、応募者は自分がその場にいる姿をイメージできるようになります。
良い例 | 悪い例 |
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「先月は寝たきりだったAさんが自分で食事ができるようになり、『あなたのおかげ』と涙ながらに感謝された場面も。そんな瞬間がこの仕事の大きな喜びです」 「地域の高齢者15名が自宅で安心して暮らせるよう、昨年は延べ3,650件の訪問介護を実施。地域包括ケアの要として市からも感謝状をいただきました」 | 「やりがいのある仕事です」 「社会貢献度の高い仕事です」 |
不安要素を払拭する情報を明確に示す
応募者は「給与」「体力的負担」「責任の重さ」に大きな不安を感じています。これは現職者の離職理由や未経験者が介護職を避ける理由の上位を占める重要な障壁です。
こうした不安を払拭するには、単に「働きやすい環境です」といった抽象的な表現では効果がありません。具体的な金額、体制、仕組み、実績を数字で示すことが必要です。特に給与については、基本給だけでなく各種手当を含めた実際の月収例や年収例、キャリアステップごとの収入変化なども提示すると説得力が増します。
また、体力的負担の軽減策や責任を分散するチーム体制など、現場の具体的な工夫を明示することで、応募者の「自分にもできるかもしれない」という気持ちを引き出せます。
良い例 | 悪い例 |
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「基本給21万円~+各種手当(資格手当:介護福祉士1万円/月、処遇改善手当:3~5万円/月)※入職3年目・介護福祉士保有の場合の月収例:32万円(賞与年2回計3ヶ月分別途)」 「1日の訪問件数は最大5件まで・2人体制での訪問も可能。電動自転車10台完備で移動の負担を軽減。」 | 「給与は経験に応じて決定」 「働きやすい環境です」 |
具体的な数字で説得力を高める
具体的な数字は抽象的な表現よりも圧倒的な説得力があります。「アットホームな職場」「定着率が高い」といった表現は、具体性に欠け、どの求人でも似たような表現が並んでいるため、応募者には「本当なのだろうか」という疑問や不信感を抱かせてしまいます。
これに対し、具体的な数字(職員数、利用者数、離職率、勤続年数など)を示すことで、応募者は「この職場の実態」を具体的にイメージできるようになります。特に業界平均との比較や前年比での改善率など、相対的な数字を示すことで「この職場ならではの強み」が明確になります。
また、数字は「嘘をつきにくい」という特性があるため、信頼感を高める効果もあります。応募者が「ここなら長く働ける」と感じられる根拠となる数字を積極的に活用しましょう。
良い例 | 悪い例 |
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「定員20名・職員7名の小規模なホームで、利用者様と職員の距離が近いのが特徴です。スタッフ全員が利用者様の名前と好みを把握し、個別ケアを実践しています」 「スタッフ20名中12名が勤続5年以上。昨年度の離職率は5%(業界平均16.7%)と安定しており、長く働ける環境が整っています」 | 「アットホームな施設です」 「定着率が高い職場です」 |
まとめ
現場スタッフの声から、介護スタッフが応募したくなる求人原稿には明確な3つの法則があることがわかりました。
- 意義とやりがいを”具体的なエピソード”で伝える
「お客様から感謝される」という抽象的な表現ではなく、実際にあった感動的な場面を描写しましょう - 給与や労働環境の不安を”数字”で払拭する
曖昧な「働きやすい環境」ではなく、「有給取得率95%」「残業月平均3時間」など具体的な数値で示しましょう - 抽象的な表現を避け、”具体的な数値や事例”で説得力を高める
「アットホーム」ではなく「定員20名・職員7名の小規模施設」など、イメージしやすい情報を提供しましょう
今回は「データから見る介護職採用と求人原稿の基本」について解説しました。これらの原則を活用し、応募者の心に響く求人原稿を作成してみてください。
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