介護業界では人材確保がますます難しくなる中で、日勤のみの勤務を希望する求職者のニーズは根強く存在しています。デイサービスや訪問系サービスなどを中心に、夜勤を伴わない職場への応募希望も多く、そうした層に対応した求人原稿が求められています。

一方で、「日勤のみ歓迎」と記載してもなかなか応募が来ない、あるいは希望条件とマッチせず早期離職に至るケースも多く見られます。特に日勤希望者は、家庭との両立や健康面への配慮など、ライフスタイルに合った働き方を重視しているため、「具体的な情報」がなければ応募にはつながりにくいのが実情です。

「採用担当者のための介護求人の極意 第7回」では、日勤スタッフの採用成功につながる求人原稿の工夫について、求職者の志向や行動背景を踏まえた効果的な伝え方をご紹介します。Indeed PLUSで求人情報を作成する際にも活かせる実践的な内容です。

日勤のみの働き方を希望する理由とは?

介護職を探す求職者の中でも、「日勤のみ歓迎」の勤務を希望する人は年々増えています。その背景には、家庭との両立や健康維持、生活リズムの安定といったライフスタイル重視の傾向があり、これは給与条件や業務内容と同じくらい、応募時の意思決定に影響する重要な要素です。

家庭や健康とのバランスを優先したいという声

子育て中の方や、家族の介護を担っている求職者にとって、夜勤や長時間勤務は大きな障壁になります。特に、16時間のロング夜勤やワンオペ夜勤などは、体力的・精神的な負担が重く、「できるだけ避けたい勤務形態」としてよく挙げられます。

日勤勤務はこうした不安を軽減し、「この条件なら働けそう」と思ってもらえる安心材料になります。

リズムの整った生活を求める層が増えている

特に40~50代の女性層では、「朝は子どもを送り出してから出勤し、夕方には迎えに行きたい」といった生活リズムを大切にしたいニーズが根強く存在しています。夜勤がないことで、睡眠の質や体調の管理がしやすくなり、長く安定して働きやすい点も、日勤勤務の魅力として見られています。

家庭や健康とのバランスを優先したいという声

介護職を希望する人の多くは、働く時間帯や身体的な負担に対して強い関心を持っています。中でも、夜勤や長時間勤務に対する不安は、応募をためらう大きな要因です。リクルートジョブズの調査でも、「体力的にきつそう」「家庭との両立が難しそう」といった理由で介護職を敬遠する声が多く寄せられており、日勤勤務に対するニーズの高さがうかがえます。

引用:[業界別レポート]働く人と職場/業界イメージレポート 2019(介護サービス編)

こうした背景を踏まえると、日勤スタッフを採用するためには、勤務の柔軟性や生活リズムを整えやすい環境があることを、原稿内でしっかりと伝えていくことが重要です。

求人原稿で押さえるべき3つの伝え方

日勤のみの働き方を希望する求職者に響く求人原稿を作成するには、「自分の生活スタイルに合うかどうか」が判断できる情報をどれだけ明確に伝えられるかがカギになります。以下では、応募の後押しにつながる3つの具体的な工夫をご紹介します。

勤務時間・シフトの柔軟さを具体的に伝える

日勤勤務を希望する求職者にとって、シフトの融通が利くかどうかは非常に重要です。特に家庭や体調と両立しながら働きたい方にとっては、「実際にどれくらい希望が通るのか」「どのような調整が可能なのか」が、安心して応募するための判断材料になります。

曖昧な表現では不安を与えてしまうため、具体的な勤務時間や調整の実績を記載することが大切です。

NG例OK例
「日勤のみ歓迎」「シフト応相談」

※柔軟さをアピールしているつもりでも、具体性に欠けており、どの程度相談に乗ってくれるのかが不明確で不安を残します。
「9:00~17:00(休憩60分)※残業ほぼなし(月平均3時間)/週3日~OK」
「子どものお迎えに間に合う15時退勤など、時短勤務も応相談」
「毎月希望シフトを提出。学校行事や家庭の予定も考慮します」

働き方に対する職場の理解や配慮を伝える

日勤を希望する理由の多くは、家庭との両立や健康面への配慮といった、生活全体とのバランスを重視したいという想いにあります。だからこそ、求職者は「この職場は本当に自分の事情を理解してくれるだろうか?」「急な休みにも対応してもらえるだろうか?」といった点をとても気にしています。

求人原稿では、制度の有無だけでなく、実際にどのように配慮されているか、どんな職場風土かを具体的に伝えることで、信頼感を得やすくなります。

NG例OK例
「急なお休みにも対応可」「シフトの調整OK」

※抽象的な表現では、「実際どう対応するのか」が伝わらず、不安の払拭にはつながりません。
「お子さまの体調不良による当日欠勤や、家族の介護による休暇取得の実績あり」
「過去1年間で、家庭都合によるシフト調整の相談件数は60件以上」
「急な変更もグループLINEで連絡・調整。職場全体でフォローし合える体制です」

さらに、求職者は「自分と同じような立場の人が実際に働いているか」を気にします。だからこそ、働き方のモデルケースを提示することで、「自分にもできそう」「ここなら働けそう」と思えるきっかけになります。

モデルケースの提示

  • 【30代女性/子育て中】
    週4日・9:00~16:00勤務。保育園の送迎に合わせて時短勤務中。子どもの急な発熱にも柔軟に対応しています。
  • 【60代男性/シニア層】
    週3日・9:00~13:00の短時間勤務。負担の少ない業務を中心に担当し、無理なく継続中。
  • 【Wワーク中の40代男性】
    平日午後の週4日・13:00~17:00で勤務中。副業と両立しながら安定収入を確保しています。

日勤ならではの働きやすさややりがいを強調する

介護職=夜勤ありというイメージがある中で、日勤のみの働き方には独自のメリットがあります。身体的な負担の軽さや、日中帯ならではの明るくにぎやかな雰囲気、チームで支え合える安心感など、「夜勤がないからこその良さ」を原稿内でしっかり伝えましょう。

日勤勤務のメリットの伝え方

  • 夜勤がないため、生活リズムが整いやすく、健康面の不安も軽減できます。
  • 日中帯の勤務のため、職員同士のコミュニケーションも活発。相談しやすい職場環境です。
  • 利用者様との関わりが深く、レクリエーションや会話の時間も多く取れるのが日勤ならではの魅力です。

日勤を希望する求職者にとって、働く姿がリアルにイメージできることが応募の決め手になります。次章では、より説得力のある求人原稿にするために、避けるべき表現と効果的な言い換え例をご紹介します。

その言い回し、逆効果かも?応募を遠ざけるNG表現と伝わる言い換え術

求人原稿では「働きやすさ」や「日勤のみ歓迎」といった魅力を伝えることが重要ですが、表現の仕方によっては応募者の不安をかえって強めてしまう場合があります。特に、あいまいな表現や禁止されている記載は避け、具体的かつ信頼性のある情報を記載する必要があります。

以下に、ありがちなNG表現と改善例を比較してご紹介します。

項目NG表現改善例
勤務時間日勤のみ歓迎・9:00~17:00(休憩60分)
・週3日~OK
・残業ほぼなし(月平均3時間)
シフトの柔軟性シフト応相談・毎月の希望シフト提出性
・学校行事や家庭都合も考慮します
メリット働きやすい環境です・有給取得90%以上
・残業月平均3時間
・固定曜日勤務も相談可
対象層主婦歓迎・家庭と両立しながら働くスタッフ多数在籍(30~50代中心)
勤務体系忙しくない環境です・身体介助は基本2名体制
・1日平均介護件数3~4件で無理なく対応可能

NGワード使用にも注意!

求人原稿において、「主婦歓迎」「若い方歓迎」など特定の性別や年齢層を歓迎するような表現は、男女雇用機会均等法や雇用対策法により原則として禁止されています。たとえば、「女性歓迎」「10代歓迎」といった記載は、性別や年齢によって応募機会を制限しているような印象を与えるため、NG表現とされます。

一方で、以下のような表現の工夫により、意図を正しく伝えることは可能です。

  • 主婦・主夫歓迎(性別を限定しない並列表現)
  • 年齢不問(幅広い層の応募を歓迎する意図)
  • 家庭と両立しやすい職場です(働き方の特徴を伝える表現)

また、「30~50代のスタッフが中心に活躍中」「子育て中のスタッフが多数在籍」といった表現を使用する際は、必ず実態に基づいた情報であることが前提となります。在籍実績がない場合に誤って記載すると、応募者とのトラブルや信頼毀損のリスクがあります。

このように、求職者に安心感を与える情報を正しく届けつつ、法令も遵守した表現を心がけることが、ミスマッチのない採用成功につながります。

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採用競合も“日勤OK”ばかり?埋もれない原稿に必要な視点とは

「日勤のみ歓迎」は、介護職を探す多くの求職者にとって魅力的な条件です。 しかしその分、同じような条件を掲げる施設も非常に多く、求人検索画面では他の求人に埋もれてしまうリスクがあります。

実際、求職者が求人を比較する際は、「勤務時間」や「給与」だけでなく、掲載順位や見出し、キャッチコピー、さらには地理的な利便性まで含めて判断しています。つまり、「どんなに内容がよくても“見られなければ”応募にはつながらない」という現実があるのです。

採用エリア内での「相対評価」が採用成功のカギ

介護職の日勤スタッフの採用において、次のような視点での競合・周辺環境の調査が重要です。

  • 時給や月給の相場はどうか?
  • 他社の打ち出し方や表現に重複はないか?
  • 福利厚生や柔軟性の打ち出し方は?
  • 立地・通勤アクセスなど地理的要因は?

求人原稿を独立した一枚のチラシではなく、地域内での立ち位置(ポジショニング)から考えることで、応募につながる確率が大きく変わります。

なお、弊社ではエリア内の求人傾向や競合待遇、シフト条件などの周辺情報をもとに、個別案件ごとの調査・比較も対応可能です。現場から「応募が来ない」「条件をどう見直せばよいか分からない」といったご相談がある場合、外部環境から見た改善の糸口を探るサポートも行っています。

日勤希望者の不安に寄り添った原稿が応募のカギ

日勤勤務を希望する介護職の求職者は、「家庭との両立」「健康面への配慮」「生活リズムの維持」といった理由から、働き方に対して高い慎重さを持っています。だからこそ、求人原稿にはただ「日勤のみ歓迎」と書くだけでなく、勤務時間・シフトの柔軟性・職場の理解ある姿勢を、具体的かつ他と違いが伝わる形で発信することが重要です。

また、実際に働いているスタッフのモデルケースや日勤ならではのメリットを伝えることで、「自分でも続けられそう」「この職場なら安心して働ける」といった前向きな気持ちを引き出すことができます。

さらに、求職者からの見え方を左右する競合比較や周辺環境の把握も、原稿の設計・媒体選定を行ううえで欠かせません。採用成功の鍵は、具体的でリアルな情報と、戦略的な見せ方の掛け合わせにあります。

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