採用活動において、WEB広告の活用はますます重要性を増しています。しかし一口にWEB広告と言っても、配信媒体にはさまざまな種類があり、それぞれに異なる特性があります。特にGoogle、Yahoo!、Bingの3つの検索エンジン広告は、ユーザー数や属性、ターゲティング設定の自由度といった点で大きく異なります。

本記事では、これらの主要な広告媒体について、どのような特徴があるのかを比較しながら、自社の採用ターゲットや広告目的に応じた最適な選び方を解説します。媒体選びに迷っている採用担当者の方は、ぜひ判断材料として参考にしてください。

WEB広告の媒体選びで失敗しないために押さえておくこと

採用活動でWEB広告を活用する際、最初の分かれ道になるのが「どの媒体を選ぶか」です。媒体ごとにユーザー層や配信機能は大きく異なり、ここを見誤ると広告効果に直結します。まずは選定前に押さえておきたい基本的な考え方を整理しておきましょう。

媒体ごとの違いから見る、新卒採用での使い分けポイント

採用におけるWEB広告の活用は、母集団形成や企業認知の向上において有効な手段として注目されています。しかし、広告媒体にはそれぞれ特徴があり、どの媒体を使うかによって届くターゲットや得られる効果が大きく変わります。特にGoogle、Yahoo!、Bingといった主要な検索エンジン広告は、ユーザー数・属性・配信機能の面で明確な違いがあります。

広告の効果を最大化するには、単に「予算があるから広告を出す」のではなく、自社の採用ターゲットと目的に最適な媒体を選ぶことが欠かせません。そのためには、各媒体の特徴を理解した上で、どのような基準で選べばよいかを整理しておく必要があります。

媒体選定を間違えると何が起こる?

誤った媒体選定は、広告費の無駄遣いだけでなく、求める人材へのアプローチを逃すことにもつながります。たとえば、若年層の新卒学生をターゲットにしているにもかかわらず、年配層に強い媒体で広告を出してしまえば、クリックはされても応募にはつながりません。

また、配信機能の違いによっては、年齢や地域などの細かなターゲティングができず、広く浅い配信となってしまい、効果の検証もしづらくなります。広告配信後に「なぜうまくいかなかったのか」が分からないままでは、改善も難しくなってしまいます。

だからこそ、自社にとって最適な媒体選定は、WEB広告を活用する上で最初に取り組むべき重要なステップといえるのです。

Google・Yahoo!・Bing、ユーザー数で比べる規模の違い

広告媒体を比較するうえで、まず押さえておきたいのが「どれだけの人が利用しているか」という規模感です。ユーザー数やシェアは、その媒体でどの層にリーチできるかを測る基準となり、媒体ごとの特徴を理解する出発点になります。

Google広告の圧倒的なユーザー数

Googleは日本国内においても圧倒的な検索シェアを誇っており、一般的なインターネット利用者の多くが日常的にGoogleを使っています。2025年8月時点の検索エンジン市場シェアの調査では、Googleのシェアが80.06%を占めていました。とくに若年層や学生、スマートフォンユーザーの間での利用率が高く、新卒採用をターゲットとしたWEB広告には非常に相性の良い媒体です。

Google広告は、検索連動型広告(リスティング広告)に加え、YouTubeやGmail、提携する多数のウェブサイトへのバナー広告(ディスプレイ広告)など、さまざまな面でアプローチが可能であり、広告の露出範囲も広範囲です。

Yahoo!広告の国内に強い安定感をもつ

Yahoo!は、国内の特定層において根強い人気を誇る検索エンジンで、30代以上のビジネスパーソンや主婦層を中心としたユーザーにリーチするのに適しています。実際、50~64歳の利用率が26%で最も高く、20代の利用率は13%にとどまっています。Googleと比較すると若年層への到達力はやや劣るものの、日本独自のカルチャーやメディアにマッチした広告展開ができるのが強みです。

Yahoo!ニュースやYahoo!知恵袋といったコンテンツからのトラフィックが多いため、情報収集型のユーザーに対して間接的に認知を促す用途にも向いています。

Bing広告のニッチなビジネス層への訴求

Bingはマイクロソフトの検索エンジンで、Windows搭載PCのデフォルト設定として一定の利用者を獲得しています。全体の検索シェアとしては7.7%と限られていますが、企業のPCユーザーや中高年層など、比較的ニッチな層へのリーチに有効です。

特に、業務中に仕事探しをするような層への訴求や、パート・契約社員を対象とした採用で効果が期待できるケースもあります。

媒体ごとのユーザー属性と相性をチェック

広告媒体ごとに利用しているユーザーの年齢層や行動特性は大きく異なります。どんな層に強いかを理解しておくことで、「本当に狙いたいターゲットに届くのか」「間接的な認知に活かせるのか」といった判断が可能になります。

ここではGoogle・Yahoo!・Bingそれぞれの主なユーザー属性を整理し、採用での適性を見ていきましょう。

採用全般で活用しやすいGoogle広告

Google広告は幅広いユーザー層にリーチできる万能型の媒体です。特に若年層やスマートフォンユーザーの利用率が高く、学業や就職活動を通じて情報収集を行う学生にも多く使われています。

一方で、社会人層の利用も多いため、新卒採用に限らず中途やアルバイトなど幅広い採用活動に活用可能です。検索広告(リスティング)では「サマーインターン 27卒」といった学生向けのキーワードから、「転職 ITエンジニア」といったキャリア層向けまで柔軟に対応できます。ターゲットの行動に合わせてピンポイントに訴求できる点が大きな強みです。

Yahoo!は国内ユーザーに強く、30〜50代が中心

Yahoo!は日本国内で根強い人気を持つ媒体で、特に30〜50代の社会人層に強みがあります。家庭を持つ層や、転職活動を行うビジネスパーソンなどが多く含まれ、PC利用比率も比較的高いのが特徴です。情報をじっくり比較・検討するタイプのユーザーが多いため、信頼性や企業イメージを重視した訴求に向いています。

新卒採用での直接的な応募獲得にはやや弱い面がありますが、保護者世代への認知拡大や、企業のブランド価値を広く伝える用途には効果を発揮します。中途採用や幅広い年齢層へのアプローチを検討している場合にも活用の余地がある媒体です。

BingはビジネスPCユーザーや中高年層に強み

Bingはマイクロソフトの検索エンジンで、Windowsパソコンの初期設定として利用されるケースが多いのが特徴です。そのため、企業のPCユーザーや管理職層、中高年のインターネット利用者に安定的にリーチできます。

全体のシェアは大きくないものの、検索意図が明確なユーザーが多く、購買や応募といった行動に直結しやすい傾向があります。新卒採用に限らず、中途・パート採用や特定の職種にターゲットを絞った採用活動において、コストパフォーマンスの高い成果が期待できる媒体です。

主な年齢層特徴
Google10~30代
若年層に強く、検索意図が明確なユーザー多数
幅広い層への高リーチ力
Yahoo!30~50代
国内志向が強く、安定志向のビジネスパーソン
安定した国内人気、情報系に強み
Bing30代以上中心
PC利用が多く、中高年・企業ユーザーが多い
ニッチな層への深い訴求

ターゲティング機能の柔軟さで比較

WEB広告の成果を左右するのは、「どれだけ精度高く狙った層に届けられるか」です。媒体ごとに設定できる条件は異なり、年齢や性別はもちろん、興味・関心や行動履歴まで細かく指定できるものもあれば、制限があるものもあります。ここではGoogle・Yahoo!・Bingのターゲティング機能を比較し、どんな採用活動に向いているのかを整理します。

Google広告は細かな設定が可能

Google広告は、ターゲティング機能の柔軟性において業界トップクラスの精度を誇ります。年齢・性別・地域・デバイス・検索キーワード・興味関心など、多様な条件を掛け合わせて広告配信を行うことが可能です。

リスティング広告では、検索キーワードの設定次第で特定の業界や職種に関心を持つ層へ絞り込んで配信できるため、採用ターゲットを的確に狙うことができます。さらに、リマーケティング機能を活用すれば、採用サイトを訪問したものの応募に至らなかったユーザーに再度アプローチすることも可能で、歩留まり改善にも有効です。

Yahoo!・Bingは一部制限あり

Yahoo!広告やBing広告でも、地域やキーワードに基づいたターゲティングは可能ですが、Googleに比べると一部機能が制限されています。たとえば、Yahoo!ではディスプレイ広告では「年齢・性別」の指定が可能ですが、リスティング広告では細かな条件設定ができない仕様になっています。Bingについても日本国内向けの運用では対応できる機能が限定的です。

ただし、制限があるからといって活用できないわけではありません。配信地域や検索意図が明確なキーワードに絞ることで、特定の職種や年齢層に効率的にアプローチできるケースもあります。

成果につながる広告媒体の選び方

媒体の特徴を理解したうえで最後に悩むのが、「結局どれを選べばいいのか」という判断です。ターゲットや目的を整理して考えれば、自社に合った媒体は自然と絞り込めます。ここではターゲット別・目的別に整理した選び方を紹介します。

ターゲット別に考える媒体選定

広告媒体を選ぶ際にまず検討すべきは、採用したい人物像です。例えば、大学3・4年生や院生といった新卒学生にアプローチしたい場合は、Google広告の活用が効果的です。Googleは若年層の検索利用率が非常に高く、年齢・性別・興味関心などを詳細に設定することで、狙った学生層へ効率よく訴求できます。

一方、社会人経験のある第二新卒や20代後半を狙う場合、Yahoo!広告やBing広告の活用も選択肢となります。特にYahoo!は30代〜50代の利用者が多いため、キャリアを積んだ層に対する情報発信に向いています。

目的別に考える選び方

広告を出す目的が「企業認知の拡大」なのか「応募や問い合わせの獲得」なのかによっても、適切な媒体や手法は異なります。

認知拡大を目的とする場合は、ディスプレイ広告のように視覚的な訴求ができる配信が有効です。幅広い層にアプローチでき、クリック単価も比較的低く抑えられるため、母集団形成の初期段階に適しています。

一方、具体的なアクション(応募・資料請求・イベント申込など)を促したい場合は、リスティング広告のように検索意図に基づいた配信が効果を発揮します。すでに関心を持って検索しているユーザーに絞ってアプローチできるため、成果に直結しやすいのが特徴です。

広告媒体選定フローチャート

以下のフローチャートを参考に、自社の目的とターゲットに合った媒体選びを行いましょう。

このように、ターゲットの年齢層・行動特性・広告目的を整理することで、適切な広告媒体の選定がしやすくなります。

運用代行という選択肢も

媒体ごとの特徴を理解し、ターゲットや目的から最適な選び方を整理できても、実際の運用には手間や専門知識が欠かせません。キーワード設定や入札調整、データ分析や改善サイクルなどを継続するのは、採用業務と兼務している担当者にとって大きな負担になりがちです。

成果を安定して出すには、運用のノウハウを持つ専門の代行サービスに任せるのも有効な選択肢です。戦略設計から配信、改善まで伴走してもらうことで、媒体の強みを最大限に活かしつつ、効率的に母集団形成や応募獲得につなげることができます。

媒体の違いを理解して最適な選択を

採用活動においてWEB広告を活用する際、どの媒体を選ぶかによって成果は大きく変わります。Google、Yahoo!、Bingそれぞれに強みと弱みがあり、目的やターゲットに応じて使い分けることが重要です。

  • Google広告
    若年層から幅広い世代への到達力が高く、柔軟なターゲティング設定で精度の高い配信が可能。応募やエントリーなど行動促進に強い。
  • Yahoo!広告
    30代以上の国内ユーザーに強く、社会人層や保護者世代への認知向上に効果的。ニュースや情報系コンテンツ経由での訴求に向いている。
  • Bing広告
    ビジネスPCユーザーや中高年層に届きやすく、ニッチなターゲットを狙う場合にコストパフォーマンスを発揮。

媒体選びで迷った際は、ターゲットの属性と広告の目的を整理し、本記事内の比較表や判断フローを参考にしてください。的確な媒体選定ができれば、母集団形成の質と量を高めると同時に、採用コストの最適化にもつながります。

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株式会社アクシアエージェンシー 採用コンサルタント
山下勇

2002年中途入社のベテラン営業。営業・マネージャーとしてオウンドメディアリクルーティングやSNS採用、求人媒体を利用した採用手法で1000社以上の採用成功を実現。

これまでの実績として、リスティング広告を活用した広告戦略の策定、採用サイトの運用・分析・改善提案、ブランディングを意識した採用サイトの企画・制作を多数手がける。また、採用難職種に対応するランディングページの戦略立案・制作、採用専用SNSアカウントの活用および運用代行支援、SEOやSNS、採用サイトを組み合わせた総合的な採用コンサルティングなど、幅広い領域で企業の課題解決に取り組んでいる。

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