新卒採用において、母集団形成を効率的に進めるためにリスティング広告は非常に効果的な手段です。特に、学生の検索行動に応じて適切なタイミングで広告を表示できるリスティング広告は、説明会の集客やエントリー数の増加を促進します。ここでは、新卒採用に特化したリスティング広告の活用法や成功事例、失敗しないための注意点について解説します。

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 リスティング広告とは

リスティング広告の概要

リスティング広告とは、ユーザーが検索エンジン(GoogleやYahoo!など)で入力したキーワードに応じて表示される広告のことです。ユーザーが入力した検索ワードに対して、企業が設定した広告が検索結果の上部や下部に表示されます。リスティング広告は、検索ユーザーが自分の興味やニーズに基づいて行動を起こすタイミングで広告を表示できるため、高いコンバージョン率が期待できます。

リスティング広告はもともと採用ではなく、イベント集客ネット販売など、セールスプロモーションの領域で効果を発揮し、利用を増やしてきましたが、最近では採用活動での成果が出てきており、新卒だけでなく中途やアルバイト・パート採用での活用も増えてきています。

広告の特徴

リスティング広告の最大の特徴は、クリック課金型(CPC)である点です。広告が表示されてもクリックされない限り費用は発生せず、クリックされた場合にのみ広告主に課金されます。また、ターゲティング設定が非常に柔軟であり、年齢、性別、地域、時間帯、デバイスなど、さまざまな条件に基づいて広告を配信することが可能です。例えば、20代の学生をターゲットにした場合、その属性に絞った広告を表示し、無駄な広告費用を抑えることができます。

さらに、リスティング広告はリアルタイムで効果を測定できる点も大きな強みです。広告を配信した直後から、表示回数、クリック数、コンバージョン率(CVR)などの詳細なデータを分析できるため、すぐに改善策を講じることが可能です。これにより、効果的な広告運用ができるだけでなく、常に最適化された広告を配信できます。

 新卒採用×リスティング広告の利点

学生に直接アプローチができる攻めの手法

新卒採用におけるリスティング広告の最大のメリットは、学生に対して直接アプローチできることです。特に、就職活動中の学生は「新卒 説明会 東京」や「エンジニア インターンシップ」といった具体的なキーワードで検索を行います。このタイミングで広告を表示させた上、検索意図に沿った広告文・LP(ランディングページ)など、クリエイティブで適切な情報提供を行い行動(=エントリー)をうながすことができます。

リスティング広告は、企業が「待つ」スタイルではなく、「攻める」スタイルの手法です。競争が激しい現在の新卒市場では、能動的なアプローチが採用成功のカギとなるため、新卒募集の新たな選択肢となっています。

ターゲットを絞った広告配信設定

リスティング広告は、ターゲティング設定が非常に柔軟で、広告主のニーズに合わせて細かい調整が可能です。年齢や地域・性別を指定して配信することができることや、指定したキーワードを検索した時だけ広告を表示させることができるため、企業がターゲットとする学生層にピンポイントで広告を届けることもできます。例えば、大学生だけでなく高専生からのエントリーが欲しい時は「高専生 就職」「高専 就活」などのキーワードを設定することで、高専生で就職活動をしている方に効率的に配信することができます。細かな設定をすることで無駄な広告費を削減し、効率的にエントリー獲得することが可能です。

自由な企画・表現で集客できる

リスティング広告では、広告文やランディングページを自由に設定できるため、自社の強みや独自の魅力をダイレクトに訴求することが可能です。例えば、「参加者全員に特典あり!新卒向け説明会」や「1日で学べるエンジニア体験インターン」など、特徴のある表現で学生の興味を引きつけることができます。

また、ランディングページにおいては、検索キーワード・広告文との関連性が重要となります。学生が検索したキーワードの検索意図に対し、広告文とLPで答えてあげることが効果的です。自社の強みが活かせるキーワード設定・広告文設定・LP作成をすることで、他社との差別化ができ、エントリー獲得にもつながります。

 失敗例から見る注意点

ナビサイト・ATSを到達先で失敗

リスティング広告の到達先(ランディングページ)として、リクナビやマイナビといったナビサイト、もしくは自社の応募管理システム(ATS)を設定した場合、検索意図に対し情報不足であり、かつ応募フォームが複雑なATSの場合、唐突感が拭えず、エントリー数が大幅に減少してしまいます。広告で興味を引いても、到達先で離脱・エントリーフォームで離脱するケースは多いので、到達先の設定は要注意です。※ナビサイトやATSを到達先にする場合、WEB広告経由のエントリーかどうかがわからない場合があるので事前に確認をしましょう。

ターゲットを広げすぎて失敗

ターゲティングを広げすぎた場合、予算が無駄に消費され、結果的に期待する成果が得られないことがあります。たとえば、「新卒採用」というキーワードを設定した場合、採用する側の企業の人事で働く人のニーズと、エントリーする側の就活生のニーズの両方があるワードになってしまいます。全く興味がないユーザーにも広告が表示されてしまった場合、クリックされてもコンバージョンには至りません。さらに、単純な「新卒 インターン」より、「26卒 インターン」や「新卒 長期インターン」「26卒 サマーインターン」「新卒 エンジニア インターン」など、適切なキーワードを設定し、エントリー可能性が低い対象を除外していくことも重要となります。

独自性が低い訴求で失敗

広告文やランディングページのメッセージがどの会社でも言える内容になっている場合、学生の興味を引けず、エントリーにつながりません。特に新卒採用市場では、学生が多くの企業を比較しているため、個性のない広告や訴求では効果が薄れます。自社の強みやユニークな特徴を前面に押し出し、他企業との差別化を図ることが必要です。

 成功例から学ぶ活用方法

独自企画でエントリー増

あるIT企業では、独自のインターンシッププログラムをリスティング広告で訴求し、「ゲームで学べるエンジニア1Day体験会」をテーマにしたキャンペーンを実施しました。学生が「面白そう」と思わせるコンテンツ展開ができ、多くのエントリーを獲得し、学生からの評価も非常に高かった事例があります。このように、他社が行っていない独自の企画を打ち出すことで、学生の興味を引き付け、エントリー数を伸ばすことが可能です。

ターゲットを絞って今までなかった応募者層からのエントリー獲得

別の事例では、女性比率が高い化粧品業界で、男子学生に特化したターゲットにしたリスティング広告を配信し、「化粧品業界で活躍する男性社員」や「男性だからこそ活躍できる」ことがわかるLPを作成し、広告を配信しました。結果として、これまで接点が圧倒的に少なかった男子学生からのエントリーが増加し、企業のニーズにマッチした人材を効果的に集めることができました。

脱ナビサイトで簡易エントリー

ナビサイトやATSを経由せず、企業独自の簡易エントリーフォームを広告先に設定することで、応募のハードルを下げた事例もあります。これにより、従来の複雑なエントリープロセスを簡略化することで個人情報の獲得率が上がりました。既存手法では採用成功が難しくなっている中、様々な工夫ができることも新たな手法ならではですね。

 成功のポイント

自社の特徴・強みを分析

リスティング広告を効果的に活用するためには、まず自社の特徴や強みを正確に把握することが重要です。例えば、他社にはないユニークな企業文化や成長機会を提供しているのであれば、それを広告文やランディングページにしっかりと反映させ、ターゲットにアピールすることが必要です。最新技術・最先端技術・業界TOPなど、わかりやすい訴求だけでなく、ターゲットの学生に対し、自社が選ばれるポイントをわかりやすくPRしましょう。

学生のニーズにマッチした企画

学生のニーズに合わせた具体的な企画を打ち出すことが、エントリーを増やすためのカギです。例えば、早期選考・早期内定に直結するインターンや学生の苦手意識が高い業界研究・ガクチカ対策ができるセミナー、採用基準を公開するなど、学生が実際に知りたい内容や経験したい内容を含むプログラムを提供することで、エントリー意欲が向上します。

クリエイティブの質と運用改善

広告文の表現や、ランディングページのデザイン、訴求内容にこだわることで、クリック率やコンバージョン率が変わってきます。また、作成して終わりではなく継続的な運用改善が重要であり、定期的にA/Bテストを行い、効果の高いクリエイティブを見極めることが成果につながりやすくなるので、運用改善は成功するためには必要不可欠です。

 まとめ

採用市場が厳しさを増す中、WEB広告を活用した新卒採用戦略は、効率的にターゲット学生にリーチし、質の高い母集団形成と認知拡大を同時に達成するための有効な手法です。リスティング広告では、直接的かつ絞り込んだアプローチで質の高い応募者を集め、ディスプレイ広告では、広範囲に自社の存在をアピールすることができます。WEB広告の導入を検討し、採用活動を強化していきましょう。

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