新卒採用における母集団形成をより効果的に進めたい──そんな課題を抱える採用担当者の方にとって、リスティング広告は有力な選択肢のひとつです。特に検索行動が活発な就活生に対して、適切なタイミングでアプローチできるこの手法は、説明会やインターンへの集客において高い成果を上げています。
本記事では、採用目的に特化したリスティング広告の運用手法を、具体的な成功事例と失敗例を交えて詳しく解説します。「キーワード設定」や「到達先のLP設計」、「ターゲットの絞り込み」など、運用のコツを知ることで、より効率的な母集団形成につなげていただければ幸いです。


なぜ新卒採用でリスティング広告が注目されるのか?
新卒採用で成果を出すには、ただ広く情報を発信するだけでなく「学生の検索行動」に合わせたアプローチが欠かせません。リスティング広告は、学生が知りたいとき・調べているときに的確に情報を届けられるため、母集団形成や応募促進に直結する有効な手段といえます。
ここでは、新卒採用におけるリスティング広告の役割と効果について解説します。
母集団形成に効果的な理由
近年の新卒採用市場では、学生の情報収集手段が多様化しており、従来のナビサイトだけでは十分な母集団を形成できないケースが増えています。実際、就活生が情報収集(企業探し)に使っているツールやサービスも多様化しており、就活情報サイト以外にも企業のHPやSNS、インターンシップなどを活用していることがうかがえます。
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そんな中で注目されているのが、検索エンジンを活用したリスティング広告です。
学生の検索行動に合わせてアプローチできる
リスティング広告は、就職活動中の学生が「27卒 インターン」や「新卒 説明会 東京」といった具体的なキーワードで検索した際に、企業の広告を表示させることができます。このように検索行動に対してタイムリーに広告を届けられるため、興味関心の高い層に効率よくアプローチすることが可能です。
また、検索意図に沿った訴求を行うことで、単に情報を届けるだけでなく、「説明会への参加」「エントリー」などの具体的な行動につなげることができます。つまり、リスティング広告は、母集団形成と応募促進を同時に実現できる、非常に実践的な採用手法なのです。
検索行動に合わせたタイミングで接点をつくる
ナビサイトや求人媒体では、掲載されている情報を学生がサイト内で探しだす必要があります。一方で、リスティング広告は、学生が能動的に検索したタイミングで広告が表示されるため、接点の質が高くなりやすいという特長があります。
たとえば、インターンシップの開催が迫っている時期に「1Day インターン 東京」と検索している学生に対し、即座に魅力的な広告と採用特設LPを表示すれば、参加へのモチベーションが高い状態で応募へつなげることができます。

このように、必要としている人に、必要な情報を、必要なタイミングで届けることができるのが、リスティング広告最大の強みです。採用活動においては、スピード感と的確なアプローチが成果に直結するため、このようなタイミング設計が成功の鍵となります。
成果を出すリスティング広告の運用ステップ
リスティング広告は、ただ配信するだけでは十分な成果を得ることはできません。学生の検索意図をとらえ、最適な情報を届けるためには、キーワードの設計から到達先LPの改善、広告クリエイティブの工夫まで、一連の運用手順を丁寧に組み立てることが重要です。
ここでは、成果を出すために押さえておくべき3つのステップを解説します。
ステップ①キーワードの設定と絞り込み
リスティング広告の成果を左右する最大の要素のひとつがキーワード設定です。どんなに広告文やLPが優れていても、見てほしい学生に広告が届かなければ意味がありません。
学生の検索意図に沿ったキーワードを選ぶ
たとえば、「新卒 インターン」というキーワードは検索ボリュームが大きい一方で、対象が広すぎるため、広告が無駄に表示・クリックされる可能性があります。一方、「26卒 エンジニア インターン」や「26卒 サマーインターン」といったキーワードは、検索意図が明確で、エントリーにつながる可能性が高まります。
また、「理系 就職」「熊本 Uターン 就職」など、自社に合う学生像をもとに絞り込みを行うことも有効です。

無駄クリックを防ぐための設定
学生の検索意図が応募から遠いキーワードでは広告を表示させないようにする除外キーワードの設定や、設定したキーワードと完全に一致する場合のみ広告を表示させる「完全一致」の設定も重要なポイントです。例えば「営業 新卒」を完全一致で設定した場合、「営業 中途採用」「営業 未経験」などでは広告が表示されなくなります。

キーワードは“検索している学生の頭の中を読み解くための入口です。定期的な見直しと調整によって、ターゲット精度を高めていきましょう。
ステップ②エントリーにつながるランディングページ設計
広告からの流入先となるランディングページ(LP)は、学生が最初に接する企業との接点です。そのため、このLPの質が応募に大きく影響します。
学生が応募したくなるLPの設計
たとえば、広告をクリックした先がナビサイトやATSだった場合、情報が少なかったり、フォーム入力が煩雑だったりすると、離脱につながりやすくなります。特に、検索意図に対して答えが返ってこない構成では、期待外れとなりエントリー率が下がってしまいます。
逆に、広告文と連動した情報が整理されたLPでは、スムーズに動機形成を促し、エントリーへつなげることができます。たとえば「26卒向け1day体験会」の広告であれば、プログラム内容・参加メリット・学生の声など、エントリーを後押しする情報をしっかりと配置することが重要です。
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効果測定と改善サイクルの仕組みづくり
さらに、応募を獲得できたかどうかを計測し、改善サイクルを回して運用することが重要なため、ナビサイトやATSを使用する場合には、広告経由の応募が計測できるかも事前に確認しておく必要があります。
ステップ➂広告クリエイティブの工夫
キーワードとLPが適切に設計されていても、広告文で学生の心をつかめなければクリックされません。広告クリエイティブは、第一印象を決める非常に重要な要素です。
学生の心をつかむ広告文をつくる
たとえば、ありきたりな「インターンシップ募集」ではなく、「ゲームで学べるエンジニア体験」「早期内定直結」など、学生の関心を引く文言を工夫しましょう。また、広告文とLPが一致していることも信頼感のある広告運用には欠かせません。

さらに、広告を作成して終わりではなく、複数パターンを試して効果を比較するA/Bテストも効果的です。学生の反応に合わせて改善を重ねることで、広告の質が高まり、エントリー数の最大化につながります。
広告オプションを活用して訴求力を高める
広告文以外の工夫も重要です。たとえば、広告文の下に複数のリンクを追加できるサイトリンク表示オプションを活用することで、インターン詳細、会社説明会予約、先輩社員インタビューなど複数の導線を広告から直接提示できます。これによりクリック率だけでなく、ユーザーの関心度に応じた適切な遷移先を案内でき、応募完了率の向上にもつながります。
また、広告文とは別に短い補足文を表示できるコールアウト表示オプションで「交通費支給」「オンライン参加可」などの特典を補足したり、広告の下に「カテゴリ+項目リスト」を表示できる構造化スニペットで職種や勤務地を一覧化したりすることで、限られた広告枠の中でも情報量を増やすことが可能です。
こうした追加情報を組み合わせることで、広告全体の訴求力が高まり、学生に「自分に合いそう」と思ってもらえる確率が格段にアップします。


成果が出ない広告に共通する、よくある失敗とは?
リスティング広告は成果につながりやすい手法ですが、運用を誤ると「クリックはされるのに応募が増えない」という状況になりがちです。ここでは、運用で陥りやすい代表的な落とし穴を紹介します。
ターゲット設定を広げすぎて予算を浪費
配信の対象を広げすぎると、就活生以外にも広告が表示され、無駄クリックで予算が消耗してしまいます。
たとえば「新卒 採用」といった汎用的なキーワードは、学生だけでなく採用担当者や情報収集目的の人にも表示されやすく、成果につながりにくくなります。
広告配信では、年齢・地域・属性に加えて検索意図をしっかり想定し、適切に絞り込むことが重要です。無駄クリックが発生しているキーワードは、早い段階で除外設定を行いましょう。

検索意図とLPのズレによる離脱
広告をクリックしてくれた学生も、到達先のページ内容が期待と合っていなければすぐに離脱してしまいます。たとえば「1day体験 インターン」で検索した学生が、実際には説明会の案内しか載っていないページに飛んでしまうと、「思っていたのと違う」と感じて離脱につながります。
広告のキーワード・表示文・LPの内容は常に一貫させ、検索意図に応じた情報を提示することが大切です。
ありきたりな訴求で埋もれる広告
「風通しの良い社風」「若手が活躍」など、どの企業でも使うような表現は学生の印象に残りにくく、他の広告に埋もれてしまいます。新卒市場では、学生が複数の企業を比較しているため、どこにでもある言葉だけでは差別化できません。
広告文やLPでは、学生が「自分に合いそう」と思えるような具体性を持たせることが大切です。
ナビサイトとの違いを理解せずに運用するミス
リスティング広告をナビサイトと同じ感覚で運用してしまうと、成果につながりにくくなります。ナビサイトは媒体の中で学生に探してもらう形式ですが、リスティング広告は検索意図に合わせて情報を届けに行くスタイルです。

この違いを理解せずに同じ訴求・同じページ構成を流用してしまうと、学生の動機形成がうまくいかず、応募には結びつきません。媒体ごとの特性を踏まえた設計を意識することが大切です。
成功事例から学ぶ効果的なリスティング広告の活用方法
リスティング広告は、設定や運用を工夫することで大きな成果につなげることができます。ここでは実際に企業が取り組んだ具体的な事例を紹介します。ターゲットの絞り込みやLP設計、応募導線の工夫など、成功につながったポイントを知ることで、自社の運用に活かせるヒントが見えてくるはずです。
ITエンジニア向け「1day体験会」でエントリー数UP
IT人材の獲得競争が激化する中、エンジニア志望の学生を集めることに課題を抱えていた企業がありました。そこで、エンジニア志望の新卒学生に向けて「1day体験型インターン」をテーマにリスティング広告を実施しました。
取り組み内容
- キーワード設定:「26卒 エンジニア インターン」「プログラミング体験 インターン」など、目的意識が明確な学生を狙ったワードを中心に設定
- LP設計:実施内容、現役エンジニア社員のメッセージ、参加学生の声を掲載し、働くイメージを具体的に伝える構成に
成果
その結果、応募数は167件に到達。特に「楽しさ」と「リアルな業務体験」の両面を打ち出せたことが、競争が激しいIT人材市場でも成果に直結しました。
男子学生特化で有効応募を拡大
女子学生が集まりやすい化粧品業界では、男子学生からの応募がなかなか得られないという課題がありました。
取り組み内容
- キーワード設定:「男子学生 インターン」「男性 化粧品 就職」など、ニッチながらも意図の明確なワードを設定
- LP設計:男性でも活躍できる現場や「マーケティングに挑戦できる」という視点を強調
成果
その結果、これまで接点の少なかった男子学生からのエントリーを獲得。ターゲットを絞ったことで訴求内容がマッチし、質の高い応募者の獲得につながりました。
“地元に戻りたい”学生を捉えた地方IT企業の工夫
地方企業では、都市部の学生にリーチする機会が限られており、採用母集団の形成に苦戦するケースが少なくありません。そこで、ある地方IT企業は『配信エリアを設定できる』というWEB広告の特徴を活かし、都市部の学生に向けて広告を展開しました。
取り組み内容
- キーワード設定:「Uターン就職 IT」「地方 就職 インターン」などを選定
- LP設計:「地元に戻って最先端の仕事に関わる」という価値を前面に打ち出した内容に
成果
結果として、東京の大学に通う学生から多数の応募を獲得。地方企業でもターゲット設計と訴求軸の工夫によって、新しい応募層へのリーチに成功しました。
リスティング広告で成果を出すための3つのポイント
リスティング広告で成果を上げるためには、単に広告を出稿するだけでは不十分です。自社の強みをどう伝えるか、学生のニーズにどう応えるか、そして改善をどう積み重ねるか。これらの視点を持つことで、広告は単なる告知から応募につながる採用施策へと変わります。
ここでは、成果を最大化するために押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
自社の強みを見極めて訴求に活かす
効果的な広告を作るには、自社の本当の魅力を深掘りすることが出発点です。「最新技術が学べる」「成長機会が多い」などの表現は多くの企業が使っているため、表現が似通ってしまいがちです。
たとえば、「少人数チームで裁量を持って働ける」「若手が主導するプロジェクトがある」など、自社だからこそ語れる強みを明文化し、それを広告文・LPに反映することで、学生の共感を引き出しやすくなります。
学生のニーズにマッチしたテーマを企画する

広告のクリック率や応募率を高めるには、学生のニーズを踏まえたテーマ設定が重要です。たとえば「早期内定が狙える選考直結インターン」「ガクチカが書ける体験型プログラム」など、学生の不安や目的に寄り添った企画は、それだけで注目されやすくなります。
パーソルキャリアの調査では「実際の業務を疑似体験できるプログラム」に参加したいと考える27卒の学生は87.1%となっています。このように、学生はただ企業を探しているのではなく、自分にとって意味のある体験を求めています。だからこそ、企画そのものに訴求力を持たせることが成果の第一歩なのです。
広告運用は“出して終わり”ではなく“継続戦”
広告運用は、一度設定して終わりではありません。クリック率やCVRのデータを見ながら、キーワード、広告文、LPの構成などを定期的に見直す運用改善が不可欠です。実際に、運用担当者は次のような作業を細かく繰り返す必要があります。
キーワード管理
- 検索ボリュームや競合の入札状況をチェック
- 無駄クリックを防ぐための除外キーワード設定
- クリック単価の調整
広告文の最適化
- 複数パターンを用意し、A/Bテストで効果検証
- CTRやCVRを見ながら定期的に差し替え
- 表示オプション(サイトリンク・コールアウト・スニペットなど)の追加や修正
LP改善
- 離脱率やスクロール率を分析
- 応募フォームの入力項目数や動線を調整
- スマホ表示の最適化
データ分析とレポート
- 時間帯・デバイス・エリア別の成果を細分化
- ROIや応募単価をもとに入札戦略を調整
- 週次・月次でレポートを作成し、改善提案
これらを 「仮説 → 実行 → 検証 → 改善」 のサイクルで回し続けることで、ようやく安定した成果につながります。
つまり、広告運用は単なる出稿作業ではなく、日々の数字の変動を追いかけながら戦略的に改善し続ける「継続戦」です。ここまで細かい運用を自社内で完璧に行うのは難易度が高く、工数もかかります。自社での対応が難しい場合は、経験豊富なパートナーと連携することで、効率的に成果につなげられます。


まとめ
学生の情報収集手段が多様化する中で、リスティング広告は、ピンポイントでアプローチできる攻めの採用手法としてますます注目を集めています。競合との比較がされにくく、応募につながりやすいこの手法は、ナビサイトだけでは取りこぼしていた優秀層へのリーチを可能にします。
リスティング広告を採用活動に活用する上で重要なのは、学生の検索行動を理解し、それに寄り添った訴求設計を行うことです。キーワード設定・LP構成・広告文、それぞれの要素が連動してはじめて、効果的な応募獲得につながります。
さらに、自社の強みをしっかりと伝えるコンテンツづくりや、学生ニーズに応じた企画設計も、広告の成果を左右するポイントです。ターゲットに届く広告設計を継続的に改善していくことが、採用活動全体の成果につながっていきます。
今後も採用市場の変化に対応するには、広告運用にマーケティングの視点を取り入れ、常に改善を重ねていく姿勢が求められます。本記事のノウハウを活用し、より質の高い母集団形成へつなげていきましょう。
ナビ依存から脱却!新しい採用の一手「リクチョク」


「もっと多くの学生と接点を持ちたいのに…」
「求める層からのエントリーがなかなか集まらない…」
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ナビサイトだけでは出会えない学生層に、直接アプローチできるのが「リクチョク」です。WEB広告・SNS広告と専用採用ページを組み合わせることで、認知拡大からエントリーまで一貫してサポート。母集団形成の課題を解決へ導きます。
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応募が集まらないのは、魅力不足のせいではありません。届け方を変えるだけで、学生との出会いはぐんと広がります。私たちと一緒に、新しい一歩を踏み出しませんか?

山下勇
2002年中途入社のベテラン営業。営業・マネージャーとしてオウンドメディアリクルーティングやSNS採用、求人媒体を利用した採用手法で1000社以上の採用成功を実現。
これまでの実績として、リスティング広告を活用した広告戦略の策定、採用サイトの運用・分析・改善提案、ブランディングを意識した採用サイトの企画・制作を多数手がける。また、採用難職種に対応するランディングページの戦略立案・制作、採用専用SNSアカウントの活用および運用代行支援、SEOやSNS、採用サイトを組み合わせた総合的な採用コンサルティングなど、幅広い領域で企業の課題解決に取り組んでいる。




