GoogleやYahoo!のリスティング広告を活用した採用活動は、求職意識の高いターゲットに対して求人情報を直接届けられる効果的な手法です。特に、特定のスキルや経験を持つ求職者、あるいは特定のエリアに住む求職者を効率的に集客できるため、企業が求める人材にアプローチしやすくなります。
今回は、リスティング広告を使った採用活動の具体的な方法を、実際の成功事例とともに詳しく解説します。
リスティング広告とは?
リスティング広告は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて、ユーザーが特定のキーワードを検索した際に、その検索結果の上部や目立つ位置に表示される広告です。検索エンジン上での検索意識が高いユーザーに直接アプローチできるため、企業が求めるターゲット層にピンポイントで求人情報を届けられるのが大きな特徴です。
リスティング広告は「検索連動型広告」とも呼ばれ、求職者が「アルバイト 東京」や「ITエンジニア インターン」など、求人に関する具体的なキーワードを検索したときに表示されます。これにより、採用活動においても、特定のスキルや経験、勤務地に関心を持つ求職者にリーチしやすくなり、応募者数や応募者の質の向上が期待できます。
広告費用は、ユーザーが広告をクリックしたときに課金される「クリック課金型」の仕組みが一般的で、広告の表示そのものには費用は発生しません。企業はキーワードやターゲットに合わせた予算設定を行うことで、効率的な採用活動を進めることができます。
求人募集にリスティング広告を使うメリット
リスティング広告は、求人募集においてターゲット層に効率的にアプローチできる手法として、多くの企業で活用されています。以下に、求人募集でリスティング広告を使用する主なメリットを紹介します。
求職意識の高いユーザーに直接アプローチできる
リスティング広告は、求職者が「アルバイト 高時給」「営業 パート 東京」など特定のキーワードを検索したタイミングで表示されます。検索しているユーザーはすでに興味・関心が高いため、応募につながりやすく、即戦力となる人材が見つかりやすくなります。
ターゲティング精度が高く、費用対効果が良い
リスティング広告は、エリアや勤務条件、職種など細かいキーワード設定や配信エリアの指定が可能です。そのため、企業が求めるターゲット層に的確にリーチでき、無駄なコストを削減しながら、効果的に広告を運用できます。
柔軟な予算管理が可能
リスティング広告はクリック課金制で、1クリックごとに費用が発生します。広告費を日次や月次で設定でき、さらに1クリックあたりの上限単価も調整可能なため、予算内で効果的に運用できます。費用対効果のデータをもとに、必要に応じて予算を見直しながら広告運用を最適化できる点もメリットです。
効果測定がしやすく、改善がしやすい
広告のクリック数、応募数、応募単価などのデータがリアルタイムで取得でき、効果測定がしやすいのもリスティング広告のメリットです。結果を見ながらキーワードや広告文を改善し、応募単価を抑えながら応募効果を最大化する運用が可能です。
これらのメリットにより、リスティング広告は、ターゲット層の求職者に効率的にリーチし、応募数と質を高めるために非常に効果的な広告手法となっています。
リスティング広告を使った採用活動の基本ステップ
リスティング広告を利用するためには、ターゲット設定やキーワード選定、広告文の作成などのステップが必要です。以下に、リスティング広告を使った採用活動のステップを紹介します。
ターゲット層に合ったキーワード選定
採用したい人材の特徴に合わせて、求職者が検索しそうなキーワードを設定します。例えば、新卒向けのインターン募集であれば「26卒 インターン」「1day仕事体験 ITエンジニア」などのキーワードが効果的です。
勤務地関連
勤務地を絞りたい場合は「渋谷 アルバイト」「大阪 事務 パート」など地名を入れると、特定エリアで仕事を探している求職者にリーチできます。
条件関連
週3日や夜間など勤務条件を含めたキーワードは、応募したい求職者に直接響きやすく、クリック率が上がります。
求職者の興味を引く広告文の作成
広告文には、求職者にとって魅力的な内容を盛り込みます。「未経験歓迎」「高時給」「駅チカ」など、働く上でのメリットや特徴をわかりやすく伝えましょう。また、「急募」「応募枠残りわずか」など、行動を促すフレーズも効果的です。
配信エリアと時間帯の設定
求人の勤務地に近いエリアや、求職者がオンラインで求人検索しやすい時間帯(夕方〜夜間や土日)に配信を限定することで、広告効果を最大化します。通勤可能なエリアに絞ることで、より効率的に応募者を獲得できます。
予算と入札戦略の設定
リスティング広告はクリック課金制で、広告費は予算に応じて設定します。1クリックあたりの上限金額を決めることで、予算の範囲内で最大の効果を目指します。応募数が増えた際には、クリック単価の調整やキーワードの見直しも行います。
効果測定と改善
広告配信後には、応募単価やクリック率、応募者数をデータで分析し、キーワードや広告文の改善を行います。どのキーワードが効果的かを把握し、随時最適化することで、効率的な応募者獲得が可能になります。
成功事例:リスティング広告を活用した母集団形成・応募者数増加の実例
【事例1】新卒インターンにおける母集団形成(1Day仕事体験)
対象
26卒向け1Day仕事体験の集客(ITエンジニア志望)
企業Cでは、ITエンジニアの新卒インターン集客として1Day仕事体験にリスティング広告を活用しました。エンジニア志望の学生が検索するキーワードを設定し、広告を配信することで、ターゲット層に効率的にアプローチしました。
- キーワード例:「26卒 インターン ITエンジニア」「IT 1day仕事体験」
- 広告文例:「未経験歓迎!1Day仕事体験でスキルを学ぶ」「ITエンジニアを目指す方に最適なインターン」
広告費と結果
- 広告費用: 約60万円
- 広告クリック数: 約4,500回
- クリック単価: 139円
- 応募数: 39件
- 応募単価: 15,330円
質の高いエンジニア志望の学生を効率的に集客し、母集団形成に成功しました。求職者が検索するキーワードに合わせた広告を配信したことで、応募単価を抑えつつ、ターゲット層の応募数を増やすことができました。
【事例2】新卒インターンにおける母集団形成(2Days仕事体験)
対象
26卒向け2Days仕事体験の集客(化粧品業界男子学生)
化粧品業界の企業Aでは、男子学生に対する母集団形成が課題となっていたため、リスティング広告とインターン専用のLP(ランディングページ)を活用し、男子学生をターゲットにした集客を行いました。性別や年齢に応じたターゲティング設定を行い、男子学生を中心にアプローチしました。
- キーワード例:「26卒 インターン 化粧品」「2days仕事体験 男子」
- 広告文例:「男子学生歓迎!化粧品業界での2days仕事体験」「26卒向け!男子学生に特化したインターン」
広告費と結果
- 広告費用: 約30万円
- 広告クリック数: 1,140回
- 平均クリック単価: 260円
- 応募数: 17件
- 応募単価: 17,454円
従来のナビサイトでは難しかった性別を絞ったターゲティングをリスティング広告で実現。男子学生からの応募が増え、狙い通りの母集団形成ができました。年齢やキーワード設定を工夫し、インターン参加への動機形成につなげた成功事例です。
【事例3】地方エリアの大手スーパーチェーン店のアルバイト・パート採用
対象
九州エリアの母集団形成(スーパーチェーン店)
大手スーパーチェーンでは、九州エリアでのアルバイト・パート採用で「応募者が少ない」という地方特有の課題を解決するためにリスティング広告を活用しました。車通勤を前提とした配信エリア設定や、求職者が検索しそうなキーワードを入念に調整しました。
- キーワード例:「スーパー アルバイト 九州」「パート 車通勤OK」
- 広告文例:「車通勤OK!スーパーのアルバイト募集」「未経験歓迎!地元で働くチャンス」
広告費と結果
- 施策期間:5ヵ月
- 応募数: 106件
- 応募単価: 3,066円
詳細なエリア設定やキーワード設定により、これまでリーチできなかった層からの応募が増え、単価を抑えつつ採用数を増やすことができました。地方の求職者層の特性に合わせた広告設計が、応募単価の抑制と応募数増加に結びついた事例です。
【事例4】大手雑貨チェーン店のアルバイト・パート採用
対象
既存手法で応募獲得が難しい店舗(雑貨チェーン店)
雑貨チェーン店では、タウンワークやバイトルといった既存の求人媒体で十分な応募が得られなかったため、リスティング広告を活用しました。求人情報を求職者層に広く届け、従来リーチできなかった層にアプローチしました。
- キーワード例:「雑貨 アルバイト 募集」「パート募集 週2日OK」
- 広告文例:「週2日からOKの雑貨店アルバイト」「未経験歓迎!雑貨店で働きませんか」
広告費と結果
- 広告費用: 約4万3,000円
- 広告クリック数: 441回
- クリック単価: 99円
- 応募数: 13件
- 応募単価: 3,350円
広告効果で、新しい層からの質の高い応募者を獲得でき、既存媒体では難しかった集客を成功させました。クリック単価を抑えつつ、リーチ拡大と応募数向上を実現した好事例です。
リスティング広告の運用で効果を最大化するポイント
リスティング広告の採用活動を成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
ターゲットに響くキーワードと広告文
求職者の検索ニーズに合わせ、勤務地や勤務条件などのキーワードを工夫し、求職者が魅力を感じるポイントを広告文に盛り込みます。
配信エリアと配信時間の工夫
勤務地周辺や求職者が検索しやすい時間帯に配信を集中させることで、広告効果が高まります。地方や特定エリアの採用には、エリア設定が特に有効です。
データ分析による継続的な改善
広告配信後のクリック率、応募単価、応募者数といったデータを分析し、随時改善を行います。特に効果的なキーワードや広告文を優先することで、効率的に採用活動を進められます。
まとめ
リスティング広告を活用した採用活動では、ターゲット層の検索行動に合わせたキーワード設定と魅力的な広告文が成功の鍵となります。効果的な運用で、ターゲット層への的確なアプローチと応募者数の増加を実現し、採用活動を成功に導きましょう。
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