現代の採用方法は、これまでの求人広告をメインとしたやり方から、インターネットの可能性を最大限に活用した「採用WEBマーケティング」にシフトしています。従来の求人広告ではリーチできなかった多様な求職者にアプローチし、より深い企業理解と強い共感を生むために注目されている採用WEBマーケティング。その手法と事例について、実際の成功事例を交えて徹底解説します。

 採用WEBマーケティングとは?

「採用WEBマーケティング」は、マーケティングの手法を採用活動に応用し、求職者が自発的に企業に興味を持ち、採用へと繋がるよう仕向ける戦略的な方法です。従来の求人広告は、求人情報を一方的に提示し、求職者が目にすることに頼るものでした。しかし、採用WEBマーケティングはSNS、リスティング広告、オウンドメディアなどを駆使して、企業の魅力を多角的に発信します。企業に関心を持った求職者が自発的にアクセスし、継続的に企業情報に触れることで、採用までの接点を増やし、エンゲージメントを高めるのが特徴です。

なぜ「求人広告」から「採用WEBマーケティング」へとシフトするのか?

近年、多くの求職者は就職先選びにあたりSNSや検索エンジンを利用し、企業の実際の姿や働く環境を知りたいと考えるようになりました。従来の求人広告は情報発信の範囲が限定的で、求職者の求める情報には応えきれていない場合が多いのです。一方で、採用WEBマーケティングは企業のブランド力を高めながら、自社の魅力をリアルタイムかつ長期間にわたって発信するため、求職者に強くアプローチできます。

 採用WEBマーケティングの主要手法

オウンドメディアの活用

企業のウェブサイトや採用ページ、ブログなどの「オウンドメディア」を通して、社員インタビューや社内風景、企業のミッションなどを公開し、企業の文化や魅力を深く伝えます。自社ウェブサイトでの発信は、SEO対策にもなるため、求職者が企業に関する情報を検索したときに直接リーチする効果もあります。

SNSマーケティング

SNS(Facebook、Instagram、Twitter、LinkedInなど)を活用して日常の企業活動を発信し、求職者に企業の「日常」をリアルタイムで届けます。これにより、企業の雰囲気や働く人の姿を求職者に伝え、共感を生みやすくします。SNSは拡散力も高く、フォロワーを増やしながら企業イメージを広めることが可能です。

動画コンテンツの活用

YouTubeTikTokなどの動画プラットフォームで、社員の一日やチーム活動を紹介する動画を作成し、企業の職場環境や社員の個性を視覚的に伝えます。動画は視覚的なインパクトが強く、求職者が企業の魅力を直感的に感じ取ることができるため、興味喚起に効果的です。

リターゲティング広告

ウェブサイトを訪れたユーザーに再度リーチする「リターゲティング広告」は、採用WEBマーケティングでも重要な手法です。特に採用ページを訪れたが応募まで至らなかった求職者に対してリマインドする効果が高く、関心を持った候補者を再び自社ページに呼び戻し、応募に繋げやすくなります。

リスティング広告

検索エンジンで特定のキーワードを入力した際に表示される「リスティング広告」は、求職者が特定の職種や地域の求人情報を探す際にリーチできる方法です。求職者が「ITエンジニア 求人」や「アルバイト 東京」などのキーワードで検索したときに上位に表示されるため、応募へと繋がりやすいのが特徴です。

 採用WEBマーケティングのメリット

コスト効率

採用WEBマーケティングは、SNSやリスティング広告などのオンライン媒体を活用するため、従来の求人広告よりもコスト効率に優れています。特に、SNSの無料プラットフォームやオウンドメディアを使用することで、低コストで長期的な情報発信が可能になります。結果として、応募者数を安定的に増加させながら、コストを抑えることができます。

ターゲティング精度の高さ

採用WEBマーケティングでは、求職者の年齢、勤務地、職種などの条件に基づいたターゲティングが可能です。リスティング広告やリターゲティング広告、SNSのターゲット設定により、特定の求職者層に絞ってリーチできるため、求める人材にピンポイントでアプローチでき、採用のミスマッチを減らすことができます。

企業ブランディングの強化

採用活動と並行して、企業のブランドイメージを高めることができるのも、WEBマーケティングの大きなメリットです。オウンドメディアやSNSでの情報発信により、企業の文化や価値観、働く環境を伝えることで、求職者に対する企業の印象を向上させ、エンゲージメントの高い応募者を引き寄せやすくなります。

長期的な採用基盤の構築

従来の求人広告のように一時的なものではなく、長期的な採用基盤として活用できる点もメリットです。継続的な情報発信を通じて求職者との接点を増やし、採用活動の安定化と継続的な母集団形成を実現します。

 採用WEBマーケティングの成功事例

株式会社AのHPリニューアル

事例概要

株式会社Aでは、コーポレートサイトをリニューアルして採用要素を盛り込んだ採用サイトを展開しました。ここでは、「企業のコーポレート要素と採用ターゲット層に訴求するコンテンツの融合」を実現し、従来はエンドユーザーとして利用していた求職者層を、新たな採用ターゲットに変換しました。サイトの構成にはスタッフインタビューや各店舗の特徴ページを追加し、地域ごとのコンテンツも充実させました。

結果

地域密着型の企業としての魅力をしっかりと伝えることができ、普段店舗を利用するエンドユーザーからの応募を獲得。さらに、リニューアル後、初めて正社員を募集した際には、サイト立ち上げからわずか3日で2件の応募があり、採用基盤を強化しました。このリニューアルは、応募数を増やすだけでなく、長期的な採用ターゲットの創出にも繋がった好例です。

株式会社BのInstagram活用

事例概要

株式会社Bでは、採用向けのInstagramアカウントを運用し、「地域密着企業」としてのブランドを再構築しました。投稿内容には地域に対する貢献や、そこから得られる企業価値を反映させ、さらに働く社員の個性にも焦点を当てるクリエイティブな構成を展開しました。

結果

企業のブランドイメージが地域に根ざした「共感される企業」として確立され、採用ページへのアクセス数と応募率が向上しました。Instagramの投稿を見た応募者から「地域に密着した企業で働きたい」といった応募動機が増え、応募の質も向上しました。

新卒インターンにおける母集団形成の成功事例:リスティング広告

事例概要

ITエンジニアの新卒採用において、企業Cは1Day仕事体験の集客を目的にリスティング広告を導入しました。「ITエンジニア 新卒」「インターン 東京」などの検索キーワードに対応し、エンジニア志望の学生層をターゲットにした広告を展開しました。

結果

広告費用は約60万円で、4,500回のクリックが発生し、最終的に応募数は39件に達しました。1件あたりの応募単価は15,330円と抑えつつ、質の高い母集団形成に成功した事例です。企業Cは、この成功をきっかけに、リスティング広告を継続的に新卒採用に活用しています。

ATSを活用したWEB広告手法の成功事例

事例概要

大手雑貨チェーン店では、タウンワークやバイトルといった従来の求人媒体で応募獲得が難しい店舗向けに、リスティング広告を採用しました。採用管理システム(ATS)と連携させることで、リスティング広告の効果を最大限に引き出しました。

結果

広告費用4万3,000円で、441回のクリック、応募数は13件、クリック単価99円、応募単価3,350円という成果を達成。これにより、これまでの媒体でリーチできなかった層に的確にアプローチし、応募数と応募の質を改善しました。この事例は、リスティング広告とATSの連携により、求職者との接点を増やし、効率的に採用活動を進められることを示しています。

 採用WEBマーケティング導入の注意点

一貫したブランドメッセージの発信

採用WEBマーケティングで活用するSNSやウェブサイト、広告などで、企業のビジョンや価値観が一貫していることが重要です。異なるメディアで異なるメッセージが発信されると、求職者が混乱し、企業への信頼感を損なう可能性があります。すべてのプラットフォームで統一感のあるブランディングを心がけましょう。

適切なKPI(評価指標)設定

採用WEBマーケティングの効果を測定するため、明確なKPI(評価指標)を設定することが大切です。ページの訪問数、応募数、エンゲージメント率、応募単価などをKPIとして設定し、定期的にモニタリングすることで、改善ポイントを発見し、PDCAサイクルを回して施策の効果を高めることができます。

持続的な情報発信

採用WEBマーケティングは、一度の発信で効果が出るものではありません。日常的に情報発信を続け、求職者との接点を増やすことが求められます。SNSやウェブサイトでの定期的な投稿や更新が必要であり、頻繁な発信で企業の「今」をリアルタイムに伝えることが大切です。

 まとめ

採用WEBマーケティングは、求職者が企業に自発的な興味を持つよう導く「発信型」の採用手法です。企業のブランド価値を高めながら、自然とエンゲージメントの高い応募者を引き寄せることができるため、長期的な採用基盤の構築にも有効です。しかし、一貫したブランドメッセージ、適切な評価指標、そして持続的な情報発信が必要不可欠であり、これらのポイントに注意しながら運用することで、採用活動の成功につながります。

採用HPの充実化、SNSやランディングページの活用、ATSの導入によるデータ運用、そして口コミ対策までを組み合わせることで、企業にフィットする優秀な人材の獲得を目指せます。

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