採用活動において、ターゲット人材に効率よくリーチするために「リスティング広告」を活用する企業が増えています。しかし、初めて取り組む方にとっては、「何から始めれば良いのか?」と感じるかもしれません。本記事では、WEB知識がゼロの方でも理解できるよう、採用リスティング広告の基本から実践までを丁寧に解説します。
リスティング広告とは?
リスティング広告は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、検索結果に表示される広告のことを指します。たとえば、「事務職 求人 東京」と検索した際、検索結果の上部や下部に「広告」と記載されたリンクが表示されます。これがリスティング広告です。
リスティング広告のメリット
- ターゲットを絞り込める:地域やキーワードで細かく設定が可能。
- 費用対効果が高い:クリックされた分だけ費用が発生する「クリック課金制」。
- 即効性がある:広告設定後、すぐに求人情報を露出できる。
- データを活用して改善できる:広告の効果を数値で確認し、調整が可能。
リスティング広告のデメリット
- 競争が激しい場合、費用が高くなる:人気キーワードでは1クリックの単価が上昇する可能性がある。
- 効果が出るまで試行錯誤が必要:最適なキーワードや広告文を見つけるまで時間がかかる。
- 適切な運用が求められる:放置するとコストばかりがかかる可能性。
採用活動では、特定のスキルや勤務地を求める求職者にピンポイントでアプローチできる点が大きなメリットです。
採用リスティング広告を始める準備
目的とターゲットを明確にする
まず、広告を出す目的を明確にしましょう。
- 目的例:応募者を増やす、特定職種の採用強化、採用ブランドの認知向上など。
次に、ターゲットを具体的に設定します。
- ターゲット例:20代のITエンジニア、地元で働きたい事務職希望者など。
必要なものを準備する
以下の準備が必要です:
- 求人ページ:求職者が詳細を確認できるページ(自社採用サイトや求人媒体ページ)。
- 広告運用アカウント:Google広告またはYahoo!広告のアカウントを作成。
- 予算:月々の広告費を決定(初期は数万円から始めるのが一般的)。
検討すべき事項
- 競合の調査:同業他社がどのようなキーワードや広告文を使用しているかを調査。
- 求人ページの見直し:広告に誘導した先の求人ページがわかりやすく魅力的であることを確認。
リスティング広告の設定方法
広告アカウントを作成する
Google広告の場合:
- Google広告公式サイトにアクセス。
- アカウントを作成し、基本情報を登録。
Yahoo!広告の場合:
- アカウントを作成し、企業情報を入力。
- Yahoo!広告公式サイトにアクセス。
キーワードを設定する
キーワードとは、ユーザーが検索する際に使用する単語やフレーズのことです。採用リスティング広告では、求職者が検索しそうなキーワードを選定します。
例:事務職採用の場合
- 「事務職 求人」
- 「東京 事務職 正社員」
- 「未経験 事務職 採用」
ポイント
- マイナスキーワードも設定:例えば「派遣」「アルバイト」を除外することで、無駄なクリックを防ぎます。
- 具体的なキーワードを選ぶ:競合が多い「求人」や「採用」だけでなく、「勤務地+職種」など詳細に設定。
広告文を作成する
広告文は、クリック率を左右する重要な要素です。
例:事務職採用広告
【正社員事務職募集中】
未経験歓迎!東京勤務で安定収入。詳細はこちら>
ポイント
- 具体的な情報を盛り込む:勤務地や福利厚生など。
- 簡潔で魅力的な表現:読み手に「クリックしたい」と思わせる。
予算と入札額を設定する
広告費は「1日あたりの予算」と「クリックごとの入札額」を設定します。
- 1日あたりの予算例:1,000円〜5,000円。
- 入札額の目安:100円〜300円。
初期段階では少額で設定し、効果を見ながら調整しましょう。
運用と改善のポイント
定期的にデータを確認する
リスティング広告は、出稿して終わりではありません。広告効果を定期的に確認し、改善する必要があります。
確認すべき指標
- キーワード効果:どのキーワードが成果を上げているか。
- クリック率(CTR):広告がどれくらいクリックされているか。
- コンバージョン率(CVR):応募や問い合わせに繋がった割合。
効果が低い場合の改善方法
- キーワードの見直し:成果がないキーワードを削除、新たなキーワードを追加。
- 広告文の改善:魅力的な表現に変更。
- ターゲティングの調整:地域や時間帯の設定を変更。
ABテストを活用する
広告文やキーワードを複数パターン試し、どれが効果的かを検証します。
- 例:
- パターンA:「未経験歓迎!東京で事務職に挑戦」
- パターンB:「正社員事務職募集!未経験OK」
データに基づいて効果的なパターンを採用しましょう。
採用リスティング広告を成功させるコツ
採用ページの品質を向上させる
広告からリンクする求人ページの内容がわかりやすく、魅力的であることも重要です。
採用ページのポイント
- 具体的な仕事内容:求職者が応募後の業務内容をイメージできるよう詳細に記載。
- 写真や動画を活用:職場環境や社員インタビューを掲載。
- 応募ボタンを目立たせる:シンプルかつ分かりやすい応募導線を設計。
効果的なターゲティング設定
ターゲットに合わせて地域、時間帯、デバイスなどを細かく設定します。
- 地域設定:採用拠点周辺に絞る。
- 時間帯設定:求職者がアクティブな時間帯に広告を表示。
- デバイス設定:スマホとPCで異なる広告文を設定。
採用リスティング広告の成功事例
ATSを活用したWEB広告手法の成功事例
- 大手雑貨チェーン店のアルバイト・パート採用
- 対象: 既存手法で応募獲得が困難な店舗(リスティング広告)
キャンペーンの概要
大手雑貨チェーン店では、従来の求人媒体(タウンワークやバイトル)では十分な応募を得られなかった店舗に対し、弊社にてリスティング広告を運用しました。長年利用している採用ATSとリスティング広告を連携させることで、新たな求職者層にリーチし、応募数を増やすことに成功しました。
広告費と結果
- 広告費用: 約4万3,000円
- 広告クリック数: 441回
- クリック単価: 99円
- 応募数: 13件
- 応募単価: 3,350円
従来の媒体ではリーチできなかった求職者層に対して効果的にアプローチし、質の高い応募を得ることができました。
26卒/2days仕事体験への集客(リスティング広告)
キャンペーンの概要
化粧品業界における新卒男子学生の母集団形成に課題を感じている企業Aに関して、リスティング広告とインターン専用LPを活用して26卒インターン集客施策を実施しました。これまでのメイン手法であるナビサイト集客では男子学生に限定したアプローチを行うことが困難でしたが、WEB広告の特徴である性別設定によるアプローチによって、男子学生に特化した訴求を実現することができました。結果として、明確なターゲティングによる訴求を行うことができたため、狙い通りの男子学生からのエントリーを多く獲得することができました。
広告費と結果
- 広告費用: 約30万円
- 広告クリック数: 1,140回
- 平均クリック単価: 260円
- 応募数: 17件
- 応募単価: 17,454円
新卒領域におけるWEB広告施策では、「学生年代に的確にアプローチできるのか」と懸念されることが多いですが、WEB広告の強みである”年齢設定”と”キーワード設定(26卒 インターン)”によって、インターン情報を検索している26卒学生に向けてアプローチを行うことが可能です。
新卒学生の思考や動向をしっかりと分析した上でWEB広告×専用LPの施策を実施することによって、広告表示からクリック・動機形成・エントリーまでつなげることができます。
まとめ
採用リスティング広告は、ターゲット人材にピンポイントでアプローチできる強力なツールです。WEB知識がゼロでも、基本的な手順を押さえれば簡単に始めることができます。また、効果的な運用を続けることで、採用活動全体の質を向上させることが可能です。
ただし、リスティング広告の運用は専門性が高いため、効果を最大限に引き出すには採用領域に特化したWEB広告代理店への依頼がおすすめです。専門家のサポートを受けながら、貴社の採用活動を成功に導きましょう。
本記事を参考に、ぜひ貴社の採用活動にリスティング広告を活用してみてください!
効果の最大化を図れる採用オウンドメディアサービス
アクシアエージェンシーでは、WEB領域のサービスにおける提案〜実装、さらにその先の運用・分析・改善まで、全て内製化しており一気通貫で対応することが可能です。それによって、施策開始までのスピーディーな対応や効率的かつ無駄のない分析/改善を行うことができるため、無駄な金額費消の防止と広告掲載の効果最大化を実現しています。
グループ創業から70年で培ってきた採用ノウハウを基盤としたWEBマーケティング手法で多くのお客様の採用成功を実現してきています。既存手法でお困りの人事担当者様・新たな採用手法を検討している企業様はぜひお気軽に弊社までご相談ください。