人材の獲得競争が激しさを増すいま、求人広告や人材紹介だけに頼る採用活動は、コストが上がる一方でミスマッチのリスクも抱えがちです。そこで注目されているのが、自社の価値観や働き方を自分たちの言葉で届けられる 「採用オウンドメディア」

本記事では、そもそもオウンドメディアとは何かから始まり、導入メリット・落とし穴・立ち上げの6ステップ・成功/失敗事例・そして今後5年で押さえるべきテクノロジーと運用のヒントまで、採用担当者が実務で役立つポイントを網羅的にまとめました。読み進めれば、「自社に合った採用オウンドメディアをどう設計し、どう育てていけばよいか」が具体的にイメージできるはずです。

まず押さえたい「採用オウンドメディア」基礎知識

オウンドメディアってそもそも何?

オウンドメディアとは、企業が自ら保有し、運営するメディアを指します。具体的には、自社サイト内のブログ特設ページnoteSNS公式アカウントなど、「自社ドメイン(または自社管理アカウント)で情報を発信できる場」を総称する言葉です。

オウンドメディアは、外部メディアの記事広告やプレスリリースと異なり、掲載範囲や文字数、表現方法に制限がないため、ブランドストーリーを自社の言葉で発信し、認知を高めながら“ファン”を育てることができます。優秀な人材が企業文化やビジョンに共感しやすくなる点が、採用面でも大きなメリットです。

採用オウンドメディアの定義と目的

採用オウンドメディアとは、採用活動を目的に設計されたオウンドメディアです。企業が求める人材像や組織の理念を明確に打ち出し、求職者との最初の接点から入社後の活躍イメージまで一貫した情報提供を行います。主な目的は次の三点です。

  • 共感の獲得
    企業の使命や価値観を発信し、応募前から組織とのカルチャーフィットを確認してもらいます。
  • 情報ギャップの解消
    職務内容・キャリアパス・福利厚生を詳細に開示し、選考段階での「知らなかった」を減らします。
  • 応募母集団の質向上
    企業理解が深い候補者が集まることで、書類選考~面接の生産性を高めます。

ブログ記事やWantedlyなど複数のチャネルを組み合わせることで、読者(求職者)の悩みや興味に合わせた自由な情報発信が可能です。

他の採用手法との違い

採用オウンドメディアは「ストック型」の情報資産として機能し、時間の経過とともに検索経由で流入が増える点で他手法と異なります。以下に主な違いを整理します。

手法主な特徴採用オウンドメディアとの違い
求人広告短期間で大量の求職者にリーチでき応募発生までが速い。

ただし掲載期間があるので、応募効果を維持するには都度費用が発生する。
採用オウンドメディアの記事は、公開後も検索経由で求職者にリーチでき、読み続けられるストック型の資産になる。
人材紹介人材エージェントが候補者をスクリーニングし、要件に合う即戦力を紹介してくれるため採用決定までがスムーズ。

ただし、候補者はエージェントから得た情報に依存するため企業カルチャーを直接伝えにくい。
採用オウンドメディアは企業が直接カルチャーやビジョンを発信できるので、ミスマッチの防止につながる。

また、記事更新コスト以外の追加費用がかからない。
ダイレクトリクルーティングデータベース上の候補者へ直接スカウトを送信。スキルや経験を詳細に指定してピンポイントにアプローチできる。

一方で、メッセージ送付など工数が大きく、ノウハウと継続運用の体力が求められるプッシュ型の採用。
採用オウンドメディアはコンテンツを公開することで候補者が自発的に訪問するプル型の手法。

継続的に更新することで母集団を広げつつ企業理解も深められるため、工数とコストを抑えやすい。

選考フローにはどんなメリットがある?

  1. 書類選考前:記事・動画を通じて仕事内容や働くイメージを提供
  2. 面接時:メディア内のコンテンツを共通言語に深い対話が可能
  3. 内定後:オンボーディング記事で入社後の不安を軽減

採用オウンドメディアを活用することで、外部チャネルだけでは伝えきれなかった企業の魅力を候補者に詳細かつ継続的に届けられます。これにより、「ミスマッチの少ない採用」と「長期的なブランディング」の両立が実現します。

採用オウンドメディアが注目される背景

採用競争が激しさを増すなかで、広告や人材エージェントに頼る“その場しのぎ”の手法だけでは人材確保が難しくなっています。そこで、企業が自社の価値観や働き方を長期的かつ継続的に届けられるストック型チャネルとして、採用オウンドメディアへの注目が高まっています。

労働市場の競争激化

厚生労働省「一般職業紹介状況」によると、2025年3月の全国有効求人倍率は 1.26倍 と高水準が続き、情報通信業の新規求人は前年同月比 8.2%増 で伸びが際立っています。求人が増え続ける一方、応募者数は追いつかず、特にデジタル・IT領域では“人材の取り合い”が常態化しています。

厚生労働省:一般職業紹介状況(令和7年3月分及び令和6年度分)について

この構図が続く限り、求人広告やエージェントだけに頼る短期施策では優秀人材を確保しづらく、企業の価値観や働き方を長期的に伝えられる採用オウンドメディアの重要性がさらに高まると考えられます。

リモート・副業に合わせた働き方へシフト

東京都の調査では、従業員30人以上の企業におけるテレワーク実施率が 43.2%(2025年 4月時点)に達しました※1。さらに、Indeed の検索統計では「フルリモート」というキーワードで仕事を探す人が 2019年比で 約90倍 に増えています(2025年3月時点)※2。働く場所や時間に縛られない働き方を望む求職者が急増している中で、企業は「どの程度リモートが可能か」「副業は認められるか」といった詳細を早い段階で示さなければ、候補者の比較対象から外れやすくなります。

こうしたニーズに応える手段として、採用オウンドメディアは自社のリモート制度や柔軟な勤務スタイルを記事や社員インタビューで具体的に発信でき、検索やSNSで情報を収集する候補者に対して確実にアピールできる点で大きな武器になります。

※1:東京都「テレワーク実施率調査結果(令和7年4月)
※2:Indeed「リモートワークに関する仕事検索動向を調査」

求職者の情報収集行動の変化

求職者は転職サイトや求人票だけでなく、Web検索・SNS・社員インタビュー動画など多面的に情報を収集しています。

主要チャネル主な使い方探される情報の例
Googleなどの検索エンジン企業名+「採用」「職種」「評判」「口コミ」などで下調べ仕事内容・働き方・社風・第3社からの評価
YouTube・Instagram・TikTok社員インタビューやオフィスツアー動画を視聴雰囲気・カルチャー
X(旧Twitter)・Threads現職社員やOBOGの投稿をチェック現場のリアルな声
オウンドメディアインタビュー記事や募集要項を熟読ビジョン・ミッション・キャリアパス

求人情報がインターネット上にあふれる現在、「見つけてもらう」だけでなく「信頼してもらう」ことが重要です。採用オウンドメディアは、検索流入とソーシャル拡散の双方に対応し、求職者の疑問に先回りして答えるコンテンツを発信できます。

企業ブランディングが採用力になる理由

いまや候補者は検索エンジン、SNS、口コミサイトなど複数のチャネルで企業を徹底的に調べ、価値観や働き方が自分に合うかを確認してから応募するのが当たり前になりました。だからこそ、企業側がビジョンや文化を自ら発信し、一本筋の通ったメッセージを継続的に届けることが採用成功のカギになります。

ビジョン・価値観を言語化する

まずはビジョン・ミッション・行動指針を明確にし、「何を目指しているのか」「何を大切にするのか」を言葉に落とし込みます。経営層インタビューや創業ストーリーの記事で背景を語れば、候補者が共感しやすくなります。

認知度の向上

採用オウンドメディアの記事を Instagram のリール動画で切り出したり、TikTok で職場ツアーを配信したりすると、検索だけでは届かない層にも波及します。指名検索が増えると応募者の企業理解が深まるため、採用コストが抑えられ、結果として選考期間を短縮できる可能性が高まります。

数字とストーリーで魅力を届ける

仕事内容や成長機会は数字とストーリーで具体化するほどイメージしやすくなります。たとえば「年間300時間の研修費を全額支給」や「入社3年で新規事業リーダーに抜擢された社員インタビュー」など、リアルな実例を示しましょう。

採用オウンドメディアは、こうしたブランディング施策を継続的かつ一貫して発信できる拠点になります。自社の雰囲気や価値観を深く理解した応募者が増えれば、選考プロセスの効率化と定着率の向上を同時に期待できます。

採用オウンドメディアのメリットとデメリット

採用オウンドメディアには、「自社の魅力をじっくり伝えられる」という大きな利点がある一方で、運営に手間やコストがかかるなどの課題も存在します。ここでは導入前に知っておきたい代表的なメリット3つとデメリット3つを整理し、それぞれを補うための改善策のヒントまでまとめて解説します。

採用オウンドメディアのメリット

自社の魅力を直接発信できる

オウンドメディアでは、広告枠や媒体規定に縛られず、自社の文化・価値観・制度を“自社の言葉”で伝えられます。社員インタビューやプロジェクトストーリーを掲載することで、仕事内容だけでなく「仕事のやりがい」「好きな社風」まで具体的に紹介できます。

結果として応募者は入社後のイメージを持ちやすく、ミスマッチの低減につながります。

ターゲット層へ精度の高いアプローチが可能

SEO対策やSNS拡散を併用すれば、求職者が検索・閲覧するキーワードや興味に合わせて情報を届けられます。採用マーケティングの視点でペルソナを設定し、求めるスキルや志向に沿ったコンテンツを継続的に発信することで、母集団の質を高めながら応募率を向上させることができます。

長期的な採用コストを削減できる

一度公開した記事は資産として蓄積され、検索流入を継続的に生み出します。定期的な更新こそ必要ですが、求人広告のように掲載期間ごとに費用が発生するわけではありません。「広告費の抑制」と「質の高いリード獲得」を両立できる点が最大の強みです。

採用オウンドメディアのデメリット

運用には時間とリソースがかかる

採用オウンドメディアは、企画・取材・執筆・デザインなど複数の工程が必要です。そのため、担当者が通常業務と兼務する場合は負荷が高くなりがちです。加えて、専門ライターやデザイナーへ外注する場合はコストも発生します。あらかじめ月間稼働時間と予算を見積もり、無理のない体制を整えることが不可欠です。

デメリット解消のポイント
  • 役割分担を明確化し、編集長・ライター・デザイナーの工数を月初に見える化する
  • 専門領域は外注し、社内は企画とレビューに集中する
  • テンプレート化(構成フォーマットや取材フロー)で制作サイクルを短縮する

成果が出るまでの時間がかかる

SEO順位の上昇やブランド浸透には一定の時間がかかります。早期に応募数を増やしたい場合、オウンドメディア単独では期待値を満たせないことがあります。短期施策(求人広告・スカウト)と併用し、四半期ごとにPV数・クリック率・応募率などのKPIを計測しながら改善を続ける視点が求められます。

デメリット解消のポイント
  • KGI/KPIを四半期単位で設定し、段階的な目標を可視化する
  • 速報性の高い記事とロングテール記事を組み合わせ、早期流入と長期資産の両方を確保する
  • 求人広告やスカウトと併用し、短期施策・中期施策・長期施策を組み合わせた計画を立てる

社内連携のハードルが高い

良質なコンテンツを継続的に発信するためには、現場メンバーや経営層の協力が不可欠です。しかし、目的が共有されていないと取材の調整や記事確認が後回しになり、スケジュールが遅延しやすくなります。プロジェクト開始時に目的・メリットを説明し、各部門からアンバサダーを選出してもらうことで、協力体制を形成しやすくなります。

デメリット解消のポイント
  • プロジェクト開始時に目的とメリットを周知し、各部門からアンバサダーを選任する
  • 取材協力者には公開後の反響をフィードバックし、参加意義を実感してもらう
  • 共有ドキュメントやチャットツールで進捗を可視化し、依頼の抜け漏れを防ぐ
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採用オウンドメディアの始め方と育て方

採用オウンドメディアは、立ち上げて終わりではなく「続けて育てる」ことが成果につながります。ここからは、目標設定からチームづくり、コンテンツ企画、発信の仕組み化、効果測定までを順序立てて紹介します。準備するもの・進め方・つまずきやすいポイントを一通り押さえ、今日から動き出せる実践的な手順をまとめました。

ステップ1 目標と数字を決める

まず最初に取り組むのは「ゴールを数字に置き換えること」です。

たとえば「自社の記事を読んだ人のうち、何人が応募フォームまで進むか」という流れを想像してみてください。応募までの道のりは ①記事を読む ②募集要項を開く ③フォームに入力する――という三段階に分かれます。それぞれの段階で「何回読まれたか」「何回クリックされたか」「何件応募があったか」を数えておくと、どこでつまずいているかが分かります。

数字は大きすぎると気持ちが折れやすいので、「まずは3か月で記事閲覧数を1,000回にする」など、背伸びしすぎないラインから始めると続きやすくなります。

目標設定の例

  • 記事閲覧数:3か月で1,000回
  • 募集要項クリック率:閲覧のうち20%
  • 応募/問い合わせ数:月5件以上

ステップ2 チームを作る

オウンドメディアは定期更新が命です。しかし一人で記事を書く、写真を撮る、サイトに載せる――すべてをこなすのは現実的ではありません。そこで「まとめ役」「書き手」「サイト担当」という3つの役割を用意し、それぞれが自分の得意分野に集中できるようにします。

まとめ役(編集長)は“何をいつ出すか”と全体の進行を決めるリーダーです。書き手(ライター)は社員にインタビューしたり、仕事風景を撮影したりして素材を集めます。サイト担当(エンジニアやデザイナー)は原稿をWebページに変え、見やすいレイアウトや写真の加工を行います。

小規模な会社であれば、編集長=人事、ライター=外部ライター、サイト担当=フリーランスのデザイナーという3名体制でも十分機能します。

役割主な仕事内容1か月の目安作業時間
まとめ役(編集長)企画決定・スケジュール管理・成果レポート10~12時間
書き手(ライター)取材・執筆・写真撮影15~20時間
サイト担当ページ作成・デザイン調整・公開8~10時間

ステップ3 どんな内容を発信するか考える

次に「誰に」「何を」届けるかを決めます。ターゲットは職種や経験年数などで3~5タイプに絞り、それぞれが知りたい情報を棚卸しします。

たとえば20代のエンジニア志望者であれば「どんな技術を使うか」「成長の機会があるか」に関心が高いでしょう。この場合は“現役エンジニアのインタビュー”や“技術勉強会のレポート”が刺さりやすいコンテンツになります。

また、記事の型(見出しや質問項目)をあらかじめ決めておくと、毎回いちから悩まずに済むので効率的です。

ステップ4 見つけてもらうしくみを整える

せっかく良い記事を書いても、検索やSNSで見つけてもらえなければ読まれません。検索エンジンに評価されやすくするコツはシンプルで、①読者が検索しそうな言葉をタイトルや見出しに入れる ②記事同士をリンクでつなぐ ③内容がひと目で伝わるタイトルにする――の3つです。難しい専門設定は後回しでも、これだけで検索からの流入は伸びやすくなります。

具体的な施策

  • キーワードを選ぶ:「営業 中途 求人」など検索されやすい語を自然に入れる
  • 記事をつなぐ:連記事へリンクを張り、読者が行き来しやすくする
  • タイトルを工夫:30字前後で内容が分かるように書く

ステップ5 SNSなど他チャネルで広める

記事をサイト上で公開しただけでは、求職者の目に触れる機会は限定的です。公開後はにSNSでも発信し、候補者が日ごろ情報を集めているタイムラインへ届けましょう。

まずはターゲット人材が最も多いプラットフォームを優先します。たとえば X なら 120 文字前後の要約とハッシュタグで話題に乗せ、LinkedIn なら記事の数字や業界インサイトを引用してビジネス感度の高い層に訴求します。Instagram や TikTok では写真や 15 秒動画で職場の雰囲気を見せ、「詳細はプロフィールのリンクへ」と誘導すると効果的です。

どのチャネルでも投稿テキスト・画像・動画を媒体特性に合わせて最適化し、公開後は社員にもシェアやコメントを依頼して拡散力を高めましょう。

ステップ6 振り返りと改善

最後に「やって終わり」にしないための振り返りです。毎月一度、閲覧数・クリック数・応募数を一覧表にまとめ、前月との差を確認します。

もし閲覧数は多いのに応募が少ない場合、ボタンが分かりにくいか応募フォームが長すぎるかもしれません。逆に閲覧数そのものが少ないなら、タイトルをもっと具体的にする、検索されやすい言葉を追加する、といった打ち手が浮かび上がります。小さな改善を重ねることで、3か月後には数字が目に見えて伸び始めることが多いです。

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成功事例から学ぶ失敗を防ぐテクニック

メルカリ|mercan

mercan (メルカン) | メルカリの“いま”と“未来”を伝える

2016年5月に創刊したmercanは、メルカリ社員の日常や挑戦を毎日発信する採用オウンドメディアです。編集部が公開した運営データによると、月間30〜35万PVを安定的に獲得し、年間の更新本数は350本を超えます。※1
さらに、5周年時点では累計785万PV・188万UUに到達し※2、記事経由でメルカリを知った候補者のカルチャー理解が深まったと報告されています。
※1:メルカン歴代編集部員が集結。今までのすべてを明かすミートアップレポートを公開
※2:【メルカン5周年記念】5年間で最も読まれた記事は…? #メルカリな日々

Helpfeel|Helpfeel公式note

https://note.helpfeel.com/

Helpfeel は 2024 年 7 月に note pro を導入し、採用広https://note.helpfeel.com/報専用の公式 note を立ち上げました。部署横断のプロジェクトチームと編集長を置く体制で 月 4 本の更新ペースを維持し、1 年間で 82 名の採用を達成しています。記事を読んだ上で面接に来る候補者が増えたことで、面接時の企業理解が深まり応募意欲の向上に直結したと広報・人事担当者がレポートしています。
※:【note pro導入事例】年間82人の採用に成功!Helpfeelの「採用広報」施策

採用オウンドメディアの失敗あるあると解決策

更新が止まる

数か月間コンテンツが追加されない状態が続くと、検索順位が下がるだけでなく「この会社は今も採用に力を入れているのか?」という不信感を招きやすく、訪れた候補者が離脱してしまいます。また、最新の記事がないことで福利厚生や制度が古い情報のまま伝わり、誤解やミスマッチを生むリスクも高まります。

さらに、社内の発信意欲が薄れチームのモチベーションが下がると、更新の再開が一層むずかしくなるという負の連鎖も起こりがちです。

解決策
  • 月 1 本でも「公開日」を決めカレンダーに固定
  • 質問項目・撮影枚数をテンプレ化し、制作工数を半減
  • 外部ライターに「下書き→社内が事実確認」の形で委託し負荷分散

社内ネタ切れ

定番のイベント紹介や制度解説を出し切ったあと、テーマが思いつかず更新が停滞するケースは少なくありません。この状態が長引くと「結局いつも同じ話題しかない」というマンネリ感が読者に伝わり、リピート率が低下します。

また、採用ファネルの特定フェーズ(例:比較段階)の情報が薄いままだと、応募直前で候補者が離脱する原因にもなります。発信テーマを体系的に棚卸しし、新しい切り口を継続的に見つける仕組みづくりが欠かせません。

解決策
  • 採用ファネル(認知→興味→比較→応募)の空白フェーズを洗い出す
  • 社員アンケートで「入社前に知りたかったこと」を収集し記事化
  • 社外イベント登壇レポートを採用視点で再編集

応募までの流れがわかりづらい

ページビューは順調でも、応募ボタンが見つけにくかったり応募フォームまでの距離が長かったりすると、読者は行動に移れず「読んで終わり」になりがちです。その結果、制作コストに見合う応募が集まらず、取り組み自体の費用対効果が疑問視されることもあります。

さらに応募のハードルが高いと、まだ検討段階の候補者との接点を逃してしまい、中長期での母集団形成が難しくなります。記事を読んだ人が迷わず次のステップに進めるよう、ボタン配置や接点づくりを見直すことが重要です。

解決策
  • 記事の冒頭・中段・末尾に応募ボタンを3か所設置して、どこからでも申し込みできるようにする
  • ボタン色やサイズをサイトで最も目立つデザインに統一し、A/Bテストでクリック率を検証する
  • いきなり応募が難しい読者向けに、カジュアル面談フォームや資料ダウンロードなど“ワンクッション”置ける接点を用意する

採用オウンドメディアの“次の一手”を読む

テクノロジーの進歩と働き方の変化に合わせて、採用オウンドメディアは「公開して終わり」から「継続的に育てる」フェーズへと移りつつあります。この章では、生成AIの活用、候補者データの一元管理、オンライン採用イベント、サステナビリティ発信など――今後5年で押さえておきたいキーワードと具体的な活用ヒントをまとめます。

AIと自動化で変わる採用プロセス

生成AIは「原稿のたたき台づくり」「写真の自動レタッチ」「動画の自動字幕入れ」など“手間がかかるけれど品質を落としたくない”工程と相性が抜群です。たとえば原稿の骨子をAIで出力し、社内ライターが肉付けすれば制作時間を半分に圧縮できます。

さらに、質問対応チャットボットをサイトに設置すれば、夜間や休日でも候補者の疑問に即答でき、離脱防止につながります。

バラバラな候補者データを“一か所”にまとめて活用する

採用フォーム、イベント参加リスト、面談メモ、記事閲覧ログ――候補者の情報は社内外に散らばっています。これらを人事システムやマーケティングツールと連携し一元管理すると、「どの記事を読んだ人が、どの職種に応募し、選考がどこで止まっているか」がひと目でわかります。結果、興味段階に合わせてメールや記事を出し分ける“パーソナライズ採用広報”が可能になり、歩留まりが着実に改善します。

興味段階に合わせてメールや記事を出し分ける“パーソナライズ採用広報”が可能になり、歩留まりが着実に改善します。

オンライン体験でつながる採用イベント

地理的な制約がなくなったいま、オンライン会社説明会バーチャルオフィスツアーは候補者との“初回接点”として定着しつつあります。ライブ配信で質問を受け付け、録画アーカイブをメディアに埋め込めば、当日参加できなかった人も後から視聴できます。また、メタバース空間での職場見学や、日常業務を配信する「1時間実況ライブ」など、双方向性を高める企画が志望度を押し上げます。

オンライン活用の例

  • オンライン説明会で遠方・在職中の候補者にもリーチ
  • ライブQ&A→録画アーカイブで“当日×アフターフォロー”を両立
  • バーチャル見学や業務実況ライブで臨場感を強化

持続可能な採用と企業ブランド

短期的な採用成果に加え、10年後を見据えた“人と社会にやさしい”ブランドづくりが求められます。たとえばカーボンニュートラル目標やリサイクル施策をサイトに明示し、SDGs活動を記事化して発信すると、環境意識の高い世代からの共感を得やすくなります。あわせて、柔軟な働き方やダイバーシティ推進をストーリーで紹介することで、「ここなら長く働けそうだ」という安心感が応募の後押しになります。

  • 環境・社会への取り組みを具体例と数字で示し信頼を醸成
  • リモート・フレックス制度をストーリー化し柔軟な働き方を訴求
  • SNSで活動を定期発信し“言うだけ”で終わらない姿勢を示す

まとめ

採用オウンドメディアは、立ち上げて終わりではなく、「継続して育てる」ことで本来の力を発揮する採用施策です。目標設定・チームづくり・コンテンツ発信・効果測定といった一つひとつの取り組みを丁寧に積み重ねていくことで、企業の魅力が伝わりやすくなり、応募者とのミスマッチも減っていきます。

小さな改善を続けながら、企業らしさを伝える資産としてメディアを育てていくことが、結果的に採用成功への近道になります。無理なく続けられる体制を整え、できることから少しずつはじめていきましょう。

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アクシアエージェンシーでは、WEB領域のサービスにおける提案〜実装、さらにその先の運用・分析・改善まで、すべて内製化。一気通貫で対応することにより、施策開始までのスピーディーな対応や、無駄のない改善・効果最大化を実現しています。

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監修者情報

株式会社アクシアエージェンシー 採用コンサルタント
山下勇

2002年中途入社のベテラン営業。営業・マネージャーとしてオウンドメディアリクルーティングやSNS採用、求人媒体を利用した採用手法で1000社以上の採用成功を実現。

これまでの実績として、リスティング広告を活用した広告戦略の策定、採用サイトの運用・分析・改善提案、ブランディングを意識した採用サイトの企画・制作を多数手がける。また、採用難職種に対応するランディングページの戦略立案・制作、採用専用SNSアカウントの活用および運用代行支援、SEOやSNS、採用サイトを組み合わせた総合的な採用コンサルティングなど、幅広い領域で企業の課題解決に取り組んでいる。