Z世代社員の仕事へのモチベーションをどのように高めるかは、多くの企業にとって重要な育成課題になっています。

近年は、採用難が続いているだけでなく、若手社員の早期離職や成長実感の不足に悩む企業も少なくありません。せっかく採用した若手社員が、入社後に仕事への意欲を失ってしまえば、本人の成長機会が失われるだけでなく、企業にとっても採用・育成コストの損失や現場の負担増加につながります。

特にZ世代は、仕事を通じた成長実感や、仕事の意味への納得感、自分らしいキャリア形成を重視する傾向があります。そのため、仕事の目的が見えない、上司や先輩に相談しづらい、入社前に抱いていたイメージと現実にギャップがあるといった状態が続くと、モチベーションが低下しやすくなります。

本記事では、Z世代の仕事観を踏まえながら、仕事へのモチベーションが下がる原因、リアリティ・ショックが起こる背景、モチベーションを高める関わり方、定着につながる育成施策について解説します。若手社員の育成や定着に課題を感じている人事担当者・管理職の方は、ぜひ参考にしてください。

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Z世代の仕事へのモチベーションが注目される背景

Z世代社員のモチベーションが注目される背景には、採用環境の変化と、若手社員の仕事観の変化があります。これまでのように、入社後に現場で経験を積ませながら自然に育てていく方法だけでは、若手社員の納得感や成長実感を十分に支えきれない場面も増えています。

ここでは、Z世代の仕事へのモチベーションが企業にとって重要になっている理由を、採用難、育成方法の変化、早期離職リスクの観点から整理します。

採用難の中で、若手社員の定着が重要になっている

少子高齢化によって若手人材の確保が難しくなる中、企業にとっては「採用すること」だけでなく、「採用した人材に定着してもらうこと」の重要性が高まっています。

厚生労働省の発表によると、2022年3月卒業者の就職後3年以内離職率は、新規大卒就職者で33.8%、新規高卒就職者で37.9%となっています。つまり、新卒で入社した若手社員のうち、一定数は入社後3年以内に離職している状況です。
引用:厚生労働省:新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します

せっかく採用した若手社員が早期に離職してしまうと、採用活動にかけた費用や時間だけでなく、入社後の研修、OJT、現場でのフォローにかけた労力も十分に活かされません。また、欠員が出ることで、既存社員や管理職の負担が増える可能性もあります。

だからこそ、若手社員を採用して終わりではなく、入社後に安心して働き続けられる環境を整えることが、これまで以上に重要になっています。

従来の育成方法だけでは、納得感を得にくくなっている

Z世代のモチベーションを考えるうえでは、仕事に対する価値観の変化も押さえておく必要があります。従来のように、「まずは言われた通りにやってみる」「上司の背中を見て学ぶ」「経験を積めば後から意味がわかる」といった育成方法だけでは、若手社員が仕事への納得感を持ちにくい場合があります。

もちろん、仕事を覚えるうえで基礎的な業務や地道な経験は欠かせません。しかし、その業務が何につながっているのか、なぜ自分が担当するのか、どのような成長につながるのかが見えないままだと、本人は「ただ作業をこなしているだけ」と感じてしまうことがあります。

特にZ世代は、仕事の意味や目的を理解したうえで取り組みたいと考える傾向があります。リクルートマネジメントソリューションズの「新入社員意識調査2025」では、仕事をするうえで重視することとして「成長」が35.1%で最も高く、次いで「貢献」が23.8%となっています。また、仕事・職場生活をするうえでの不安としては「仕事についていけるか」が64.8%で最も高く、「自分が成長できるか」も30.1%にのぼります。

引用:株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「新入社員意識調査2025」

こうした結果からも、若手社員にとっては、仕事を通じて成長できる実感や、自分の仕事が誰かの役に立っているという納得感が重要だと考えられます。

モチベーション低下は早期離職や育成コストの損失につながる

Z世代社員のモチベーション低下は、一時的な気分の問題として見過ごされがちです。しかし、仕事への意欲が下がった状態を放置すると、早期離職やパフォーマンス低下につながる可能性があります。

入社直後や配属後の若手社員は、仕事内容、人間関係、評価のされ方、将来のキャリアなどに不安を抱えやすい時期です。その中で、仕事の目的が見えない、成長している実感がない、相談できる相手がいないといった状態が続くと、「この会社で働き続けてよいのだろうか」と考えるきっかけになります。

若手社員が早期に離職してしまえば、採用や育成にかけたコストが無駄になるだけでなく、再び採用活動を行う必要があります。また、欠員が出ることで既存社員の業務負担が増え、職場全体の生産性や雰囲気にも影響する可能性があります。

さらに、若手社員の育成がうまく進まなければ、将来の中核人材が育たないという課題にもつながります。だからこそ、Z世代のモチベーション低下を本人の問題だけにせず、企業として育成環境を整えることが重要です。

Z世代の特徴を一括りに決めつける必要はありませんが、仕事に対する価値観や不安を理解し、納得感と成長実感を得られる関わり方を増やすことが、若手社員の定着と活躍につながります。

Z世代が仕事に求めるものとは?

Z世代の仕事へのモチベーションを高めるには、まずZ世代が仕事に何を求めているのかを理解することが大切です。

もちろん、すべてのZ世代社員に同じ特徴が当てはまるわけではありません。しかし、若手社員の育成や定着を考えるうえでは、仕事に対する価値観の変化を押さえておく必要があります。

仕事を通じた成長実感

Z世代が仕事に求めるものとして、まず挙げられるのが成長実感です。

自分が昨日よりもできることが増えているのか、今の経験が将来のキャリアにつながっているのかを重視する傾向があります。そのため、日々の業務が単なる作業に感じられたり、何のために取り組んでいるのかわからなかったりすると、仕事へのモチベーションが下がりやすくなります。

特に入社直後の若手社員は、自分の成長を客観的に判断することが難しいものです。周囲から見ると少しずつできることが増えていても、本人は「まだ何もできていない」「役に立てていない」と感じている場合があります。

そのため、企業側には、若手社員が成長を実感できるように、できるようになったことや次に目指すことを具体的に伝える関わり方が求められます。

仕事の意味や目的への納得感

Z世代は、指示されたことをただこなすよりも、その仕事が何につながっているのかを理解したうえで取り組みたいと考える傾向があります。

たとえば、資料作成やデータ入力、議事録作成といった業務も、商談準備や社内判断、業務改善につながる重要な仕事です。しかし、上司や先輩が作業内容だけを伝えてしまうと、本人は単なる雑務と受け取ってしまうことがあります。

反対に、「この資料は次回の商談でお客様の課題を整理するために使う」「このデータ整理が次の施策検討につながる」といった背景を伝えるだけでも、仕事の意味は見えやすくなります。

若手社員のモチベーションを高めるには、何を任せるかだけでなく、なぜ任せるのか、どのような役割を期待しているのかまで伝えることが大切です。

自分らしいキャリアを選べること

Z世代は、管理職になることだけをキャリアの成功と捉えるとは限りません。専門性を高めたい、得意分野を伸ばしたい、さまざまな仕事を経験したい、ワークライフバランスを大切にしながら長く働きたいなど、キャリアに対する考え方は多様化しています。

そのため、企業側が一つのキャリアモデルだけを前提にしてしまうと、若手社員との間に認識のズレが生まれることがあります。たとえば、「将来はリーダーを目指してほしい」と伝えても、本人が専門職として成長したいと考えている場合、会社から期待されている方向性に違和感を持つこともあります。

大切なのは、会社として期待する役割を伝えながらも、本人がどのような働き方や成長を望んでいるのかを確認することです。キャリアの選択肢を一緒に考えることで、日々の業務と将来の成長が結びつきやすくなります。

安心して相談できる職場環境

心理的安全性のある職場環境も、Z世代のモチベーションに大きく関わります。

リクルートマネジメントソリューションズの同調査では、働きたい職場として「お互いに助けあう」が69.4%で最も高く、上司に期待することとしては「相手の意見や考え方に耳を傾けること」が49.7%で最も高くなっています。若手社員が安心して働くうえで、助け合いや傾聴の姿勢が重視されていることがわかります。

引用:株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「新入社員意識調査2025」

若手社員は、わからないことがあっても「こんなことを聞いてよいのだろうか」「忙しそうで声をかけづらい」と感じ、相談をためらうことがあります。質問しづらい雰囲気や、失敗を過度に責める空気がある職場では、不安を抱えたまま仕事を進めることになり、成長の機会を逃してしまう可能性があります。

安心して相談できる環境があることで、若手社員は失敗を恐れすぎずに挑戦しやすくなります。上司や先輩が日頃から声をかけ、相談しやすい関係性をつくることが、モチベーションの維持にもつながります。

ワークライフバランスを保てる働き方

Z世代にとって、ワークライフバランスを保てることも重要な観点です。

ヒューマンホールディングスの「Z世代の仕事観と自分らしさに関する調査2025」では、Z世代が考える「自分らしく働く」こととして、「ワークライフバランスを保ちながら働く」が18.1%で最も多く、「仕事とプライベートをきっちり分ける」が15.9%で続いています。また、現在の働き方として「プライベートの充実を重視する働き方」を希望する人は60.9%にのぼっています。

引用:ヒューマンホールディングス株式会社【Z世代の仕事観と自分らしさに関する調査2025 vol.1】

これは、仕事に前向きではないという意味ではありません。仕事だけに偏りすぎず、自分の生活や価値観も大切にしながら、無理なく働き続けたいという意識の表れといえます。

企業側には、長時間働くことを意欲の証と見るのではなく、限られた時間の中で成果を出せる働き方や、安心して成長できる環境を整えることが求められます。


Z世代の仕事へのモチベーションは、報酬や待遇だけで高まるものではありません。自分の成長を感じられること仕事の意味に納得できること安心して相談できること、そして自分らしいキャリアを描けることが、前向きに働き続けるための土台になります。

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Z世代の仕事へのモチベーションが下がる主な原因

Z世代社員の仕事へのモチベーションが下がる背景には、本人の意欲だけでは説明できないさまざまな要因があります。

前章で見たように、Z世代は仕事を通じた成長実感や、仕事の意味への納得感、安心して相談できる環境などを重視する傾向があります。反対に、職場の中でこれらが十分に得られない状態が続くと、仕事への前向きな気持ちを保ちにくくなります。

ここでは、Z世代社員のモチベーションが下がりやすい主な原因を整理します。

業務の背景が伝わらず、作業感が強くなる

Z世代社員のモチベーションが下がる原因の一つに、任された業務の背景や目的が十分に伝わっていないことがあります。

たとえば、資料作成やデータ入力、議事録作成などの業務は、組織にとって必要な仕事です。しかし、「これをやっておいて」と作業内容だけを伝えられると、本人はその業務を単なる雑務のように受け取ってしまうことがあります。

特に入社直後の若手社員は、会社全体の流れや業務のつながりをまだ十分に理解できていない段階です。そのため、自分の仕事が誰の役に立っているのか、どの成果につながっているのかが見えないと、「何のためにやっているのかわからない」と感じやすくなります。

業務そのものが地道であっても、その仕事が商談準備や顧客対応、チームの意思決定にどう関わっているのかが伝われば、受け止め方は変わります。モチベーション低下を防ぐには、業務内容だけでなく、その仕事の目的や背景もあわせて伝えることが大切です。

成長の現在地がわからず、自信を失いやすい

Z世代社員は、仕事を通じて自分が成長できているかどうかを重視する傾向があります。しかし、日々の業務の中で自分の成長を実感できないと、仕事への意欲が下がりやすくなります。

特に若手社員は、最初から大きな成果を出せるわけではありません。基礎的な業務を覚えたり、先輩の補助をしたり、少しずつ仕事の進め方を身につけたりする時期があります。しかし、その過程で何ができるようになったのかが見えないと、「自分は成長できていない」「役に立てていない」と感じてしまうことがあります。

周囲から見れば、報告の仕方が丁寧になった、質問の内容が具体的になった、ミスが減ったなど、小さな成長が見えている場合もあります。ただ、本人がそれに気づけていないケースは少なくありません。

そのため、上司や育成担当者が成長の現在地を言語化して伝えることが重要です。できていることと、次に伸ばすことが明確になると、本人は自分の成長を実感しやすくなり、前向きに仕事へ取り組みやすくなります。

期待される行動や評価基準が曖昧になっている

自分に何が求められているのか、どのような状態になれば評価されるのかが曖昧なままだと、若手社員は不安を感じやすくなります。

たとえば、上司が「もっと主体的に動いてほしい」と伝えても、本人にとっては何をすればよいのかわからない場合があります。会議で発言することなのか、自分から報告することなのか、改善案を出すことなのかが見えなければ、行動に移しにくくなります。

また、期待されている役割が曖昧な状態では、本人は自分の仕事ぶりが合っているのか判断できません。その結果、注意された印象だけが残ったり、何を改善すればよいかわからないまま不安を抱えたりすることがあります。

Z世代社員に限らず、若手社員の育成では、抽象的な期待をそのまま伝えるのではなく、行動レベルまで落とし込むことが大切です。「報告の際は、事実だけでなく自分なりの意見も添える」「会議では一つ質問をする」など、具体的に伝えることで、本人も次の行動をイメージしやすくなります。

相談のタイミングや相手がわからない

Z世代社員のモチベーションには、職場で安心して相談できるかどうかも大きく関わります。

若手社員は、わからないことがあっても「このタイミングで聞いてよいのだろうか」「こんなことを質問したら迷惑ではないか」と考え、相談をためらうことがあります。特に配属直後は、上司や先輩との距離感がまだつかめず、自分から声をかけにくいことも少なくありません。

一方で、上司や先輩から見ると、本人が問題なく仕事を進めているように見える場合があります。その結果、若手社員は不安を抱えたまま業務を進め、ミスや行き違いが起きてから問題が表面化することがあります。

相談しづらい状態が続くと、本人は「自分だけで何とかしなければならない」と感じやすくなります。これが積み重なると、仕事への自信を失ったり、職場への安心感が薄れたりする原因になります。

そのため、相談を本人任せにするのではなく、あらかじめ相談先や報告のタイミングを決めておくことが重要です。定期的な声かけや1on1、OJT担当者との振り返りなど、相談しやすい接点を用意することで、不安を早い段階で拾いやすくなります。

入社前後のギャップが「自分に合わない」という不安につながる

Z世代社員のモチベーション低下を考えるうえで、入社前後のギャップも見逃せません。

採用段階では、企業の魅力や働きやすさ、成長できる環境などを伝えることが多くあります。しかし、入社後に実際の仕事内容や職場環境に触れたとき、入社前に抱いていたイメージとの違いを感じることがあります。

たとえば、思っていたよりも地道な業務が多い、すぐに大きな仕事を任されるわけではない、上司や先輩が忙しく相談しづらい、成長スピードが想像よりゆるやかだといったギャップです。こうした違和感が積み重なると、本人は「この会社は自分に合っていないのではないか」「この仕事を続けても成長できないのではないか」と不安を抱きやすくなります。

入社前後のギャップは、誰にでも起こり得るものです。大切なのは、ギャップが生まれることを前提に、採用段階から仕事の現実を伝え、入社後も丁寧にフォローすることです。

Z世代に起こりやすいリアリティ・ショックとは

Z世代社員のモチベーション低下を考えるうえで、特に注意したいのがリアリティ・ショックです。リアリティ・ショックとは、入社前に抱いていた期待やイメージと、入社後に直面する現実との間にギャップが生じ、心理的な衝撃や不安を感じる状態を指します。

採用活動では、企業の魅力や働きやすさを伝えることが重要です。しかし、良い面ばかりを強調しすぎると、入社後に実際の仕事内容や職場環境とのギャップが大きくなり、若手社員が戸惑いや失望を感じることがあります。

リアリティ・ショックは、本人の受け止め方だけで起こるものではありません。採用時の情報提供、内定者フォロー、入社後のオンボーディング、配属後の面談など、企業側の関わり方によって軽減できるものです。

ここでは、Z世代社員に起こりやすいリアリティ・ショックを、仕事内容、人間関係、成長スピードや評価の3つの観点から整理します。

仕事内容へのギャップ

リアリティ・ショックが起こりやすい場面の一つが、仕事内容へのギャップです。

入社前には、企画や提案、顧客対応など、やりがいのある仕事や華やかな場面を想像していたものの、実際には基礎的な事務作業や下準備、先輩社員の補助業務が中心になることがあります。

もちろん、こうした業務は仕事の基礎を身につけるうえで欠かせない経験です。資料作成やデータ整理、議事録作成、先輩のサポート業務なども、仕事の進め方や組織の動きを理解するために重要な役割があります。

しかし、本人がその意味を理解できていないと、「思っていた仕事と違う」「自分は成長できていない」「この仕事を続けてもやりたいことに近づけない」と感じやすくなります。

仕事内容へのギャップを防ぐには、入社前から実際の業務内容や最初に任せる仕事、成長までのステップを具体的に伝えることが大切です。入社後も、目の前の業務がどのような力の習得につながるのかを説明することで、若手社員は仕事の意味を見出しやすくなります。

職場の人間関係へのギャップ

職場の人間関係も、リアリティ・ショックにつながりやすい要素です。

採用段階では、「風通しのよい職場」「相談しやすい環境」「若手も活躍できる雰囲気」といった魅力を伝えることが多くあります。しかし、実際に配属されると、上司や先輩が忙しく、思ったほど相談できない場合があります。

また、会社全体としては雰囲気が良くても、部署やチームによってコミュニケーションの取り方が異なることもあります。入社前に聞いていた印象と、配属後に感じる現場の空気に違いがあると、若手社員は戸惑いや不安を感じやすくなります。

職場の人間関係へのギャップを軽減するには、配属後のフォローを本人任せにしないことが重要です。上司やOJT担当者との定期的な面談、チーム内での声かけ、相談先の明確化などを通じて、若手社員が孤立しない状態をつくることが求められます。

成長スピードや評価へのギャップ

成長スピードや評価に対するギャップも、Z世代社員のリアリティ・ショックにつながります。

入社前は、「早く成長できる」「若手のうちから活躍できる」と期待していても、実際には成果が出るまでに時間がかかることがあります。基礎的な業務を覚える期間が長かったり、先輩社員のサポートが中心だったりすると、本人は思っていたよりも成長できていないと感じる場合があります。

また、評価されるポイントがわかりにくいことも不安につながります。何をどのくらいできれば評価されるのか、今の仕事ぶりが期待に応えられているのかが見えないと、若手社員は自分の現在地を判断しにくくなります。

小さな成長を言語化して伝える

特にZ世代は、仕事を通じた成長実感を重視する傾向があります。そのため、短期間で大きな成果が出ない場合でも、上司や育成担当者が小さな変化や成長を言語化して伝えることが大切です。

たとえば、「報告の内容が整理されてきた」「質問の仕方が具体的になった」「前回よりも自分で考えて動ける場面が増えた」といったフィードバックがあると、本人は自分の成長を実感しやすくなります。

成長スピードや評価へのギャップを防ぐには、入社後の成長には段階があることを伝え、短期的な成果だけでなく、基礎力の習得や行動の変化も成長として認めることが重要です。


リアリティ・ショックは、入社前後のギャップを完全になくせば防げるものではありません。むしろ、ギャップが起こることを前提に、入社前から仕事の現実を伝え、入社後も継続的にフォローすることが大切です。

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リアリティ・ショックを防ぐために企業ができる対策

リアリティ・ショックを防ぐには、入社後に問題が起きてから対応するのではなく、採用段階から入社後の育成まで一貫して支援することが大切です。

企業側は、リアリティ・ショックを本人の適応力だけの問題と捉えるのではなく、採用時の情報提供、内定者フォロー、オンボーディング、配属後の面談などを通じて、ギャップを小さくする仕組みを整えることが重要です。

採用段階で良い面だけでなく仕事の現実も伝える

リアリティ・ショックを防ぐには、採用段階で仕事内容や職場環境をできるだけ正しく伝えることが重要です。

採用活動では、自社の魅力を伝えることが欠かせません。しかし、良い面ばかりを強調しすぎると、入社後に現実とのギャップが大きくなってしまいます。

たとえば、「若手が活躍できる」「成長できる環境がある」「風通しのよい職場」と伝えていても、実際には入社直後は基礎業務が中心だったり、繁忙期には忙しさを感じたり、配属先によって相談のしやすさに差があったりすることもあります。

こうした現実を事前に伝えないまま入社すると、若手社員は「聞いていた話と違う」と感じやすくなります。

採用段階では、仕事の魅力だけでなく、最初に任される業務、身につけるべき基礎スキル、忙しい時期の働き方、乗り越える必要がある課題なども丁寧に伝えることが大切です。

現実を伝えることは、応募者の意欲を下げるためではありません。むしろ、入社後に必要な心構えを持ってもらい、納得したうえで入社してもらうための重要な情報提供です。

内定者期間から会社理解・仕事理解を深める

内定者期間は、リアリティ・ショックを防ぐための大切な準備期間です。

内定から入社までの期間が長い場合、内定者は期待と同時に不安も抱えています。実際にどのような仕事をするのか、職場になじめるのか、自分は活躍できるのかといった不安を抱えたまま入社すると、入社後の小さなギャップも大きな不安につながりやすくなります。

そのため、内定者期間には、会社理解や仕事理解を深める機会を設けることが効果的です。たとえば、内定者研修、先輩社員との交流、職場見学、実際の業務紹介、入社後の育成ステップの説明などが考えられます。

特に、先輩社員から入社後につまずきやすいポイントや、最初に苦労した経験を共有してもらうことは有効です。成功体験だけでなく、戸惑いや乗り越え方を知ることで、内定者は入社後の現実を具体的にイメージしやすくなります。

入社後のオンボーディングを設計する

入社後のオンボーディングは、Z世代社員のモチベーション維持に大きく関わります。

オンボーディングとは、新入社員が組織や業務に早くなじみ、安心して力を発揮できるように支援する取り組みです。入社時研修だけで終わらせるのではなく、配属後の業務理解、人間関係づくり、期待役割の共有、定期的な振り返りまで含めて設計することが大切です。

入社直後の若手社員は、何がわからないのかもわからない状態になりやすいものです。そのため、本人の自主性に任せきりにすると、質問できないまま不安を抱え込んでしまうことがあります。

相談先と成長ステップを明確にする

最初の数か月は、誰に何を相談すればよいのか、どのタイミングで報告すればよいのか、どの業務から覚えていけばよいのかを明確にしておく必要があります。

また、オンボーディングでは、短期的な業務習得だけでなく、会社で働く意味や成長ステップを伝えることも重要です。入社後1か月、3か月、半年、1年といった節目ごとに目標や期待役割を整理し、本人が成長を実感できるように支援します。

オンボーディングが整っている職場では、若手社員は自分が何をすればよいのかを理解しやすくなります。その結果、不安が軽減され、仕事へのモチベーションも維持しやすくなります。

配属後すぐに定期面談を実施する

リアリティ・ショックは、配属後に起こりやすいものです。

入社時研修では前向きだった社員でも、実際に現場で働き始めると、仕事内容や人間関係、職場の雰囲気に戸惑うことがあります。そのため、配属後は早い段階で定期面談を実施することが大切です。

特に配属後1か月から3か月の時期は、本人が不安や違和感を抱えやすいタイミングです。この時期に上司や人事が面談を行い、仕事の理解度や困っていること、職場での人間関係、今後の不安を確認することで、早期にフォローしやすくなります。

面談では、業務の進捗確認だけでなく、本人の気持ちや受け止め方にも目を向けることが重要です。たとえば、次のような質問を通じて、本人が話しやすい雰囲気をつくります。

  • 今の仕事で難しいと感じていることはありますか
  • 入社前に想像していたことと違う点はありますか
  • 相談しづらいことはありませんか
  • 今後、どのようなことに挑戦してみたいですか

面談内容は上司だけで抱え込まず、必要に応じて人事や育成担当者とも連携することが望まれます。現場だけでは解決しにくい課題も、組織として把握することで、育成方法やフォロー体制の見直しにつなげることができます。

早期に不安や違和感を拾い上げる仕組みをつくる

リアリティ・ショックを軽減するには、不安や違和感が大きくなる前に気づける仕組みが必要です。

若手社員は、悩みを抱えていても自分から相談できないことがあります。特に「こんなことで相談してよいのだろうか」「評価に影響するのではないか」と感じている場合、不安を表に出さないまま働き続けてしまうことがあります。

複数の接点で小さな違和感を拾い上げる

そのため、企業側は定期面談だけでなく、フォローアンケート1on1メンター制度研修後の振り返りなど、複数の接点を用意しておくことが大切です。相談の機会が一つしかないと話しづらい社員も、相手や場面が変わることで本音を出しやすくなる場合があります。

また、不安や違和感を拾い上げるだけで終わらせず、必要な対応につなげることも重要です。面談やアンケートで出た声をもとに、業務量の調整、指導方法の見直し、上司とのコミュニケーション改善、追加研修の実施などを検討します。

リアリティ・ショック対策は、入社後に問題が起きてから慌てて対応するものではありません。採用段階から期待値を調整し、内定者期間で理解を深め、入社後はオンボーディングと面談で支える。この一連の流れを設計することで、Z世代社員が安心して働き始め、仕事へのモチベーションを維持しやすくなります。

Z世代の仕事へのモチベーションを高める関わり方

Z世代の仕事へのモチベーションを高めるには、ただ褒める、優しく接するということだけでは不十分です。大切なのは、本人が仕事の意味を理解し、自分の成長を実感しながら、安心して挑戦できる関係性をつくることです。

従来のように「まずは言われた通りにやってみる」「経験を積めば後から意味がわかる」という関わり方では、若手社員が納得感を持ちにくい場合があります。もちろん、すべてを細かく説明しすぎる必要はありませんが、仕事の目的や期待する役割を伝え、対話を通じて理解を深めることが重要です。

ここでは、Z世代社員のモチベーションを高めるために、上司や育成担当者が意識したい関わり方を解説します。

仕事の目的や期待する役割を具体的に伝える

Z世代社員に仕事を任せる際は、業務内容だけでなく、目的・期待する役割・判断基準をセットで伝えることが大切です。

たとえば、単に「この資料を作っておいて」と依頼するのではなく、次のように伝えると、本人は仕事の意味やゴールを理解しやすくなります。

「この資料は、次回の商談でお客様の課題を整理するために使います。今回は、情報を網羅することよりも、相手が見たときに課題が一目でわかることを意識してまとめてほしいです」

このように、仕事を任せるときは、次の3点を伝えると効果的です。

  • 目的:この仕事は何のために必要なのか
  • 期待役割:本人にどの部分を担ってほしいのか
  • 判断基準:何を意識すればよい仕事になるのか

また、「主体的に動いてほしい」といった抽象的な期待は、若手社員にとって行動に移しづらい場合があります。その場合は、「報告の際は、事実だけでなく自分なりの考えも一つ添える」「わからないことがあれば、一度調べたうえで質問を整理して相談する」など、具体的な行動に落とし込んで伝えることが大切です。

期待する行動が具体的になると、本人は次に何をすればよいかを理解しやすくなります。その結果、仕事への納得感が高まり、前向きに取り組みやすくなります。

小さな成長を言語化してフィードバックする

Z世代社員のモチベーションを高めるうえで、成長実感を持てるフィードバックは欠かせません。

特に入社直後や若手のうちは、自分が成長しているかどうかを自分だけで判断することが難しいものです。周囲から見ると少しずつできることが増えていても、本人は「まだ何もできていない」「役に立てていない」と感じている場合があります。

そのため、上司や先輩は、結果だけでなく行動や取り組み方にも目を向けることが大切です。たとえば、次のような小さな変化も、本人にとっては成長を実感するきっかけになります。

  • 前回よりも報告のタイミングが早くなった
  • 質問の内容が具体的になった
  • お客様の意図を確認しようとする姿勢が見られた
  • 自分なりに考えてから相談できるようになった
  • ミスをした後の振り返りができるようになった

こうした変化を「できていること」として言葉にすると、本人は自分の成長に気づきやすくなります。

また、褒めるだけでなく、次に伸ばすポイントもセットで伝えると、成長の方向性が明確になります。「ここまではできるようになっています。次は、相手に伝える順番を意識するとさらによくなります」といった伝え方をすることで、本人は前向きに改善に取り組みやすくなります。

一方的に教えるのではなく、対話で納得感をつくる

Z世代社員との関わりでは、一方的に指示やアドバイスをするだけでなく、対話を通じて納得感をつくることが重要です。

もちろん、業務上必要な指示やルールを伝える場面はあります。しかし、常に上司からの一方通行になってしまうと、本人は自分の考えや不安を出しにくくなります。その結果、表面的には理解したように見えても、内心では納得できていない状態が続くことがあります。

対話を増やすには、上司や育成担当者が問いかける姿勢を持つことが大切です。たとえば、次のような質問が考えられます。

「この仕事を進めるうえで、不安な点はありますか?」
「自分ではどのように進めようと思っていますか?」
「次に同じ業務を行うなら、どこを改善できそうですか?」

こうした問いかけにより、本人は自分の考えを整理しやすくなります。また、上司側も、どこでつまずいているのか、何に不安を感じているのかを把握しやすくなります。

失敗を責めず、学びに変える支援をする

Z世代社員が安心して挑戦するためには、失敗したときの関わり方も重要です。若手社員は経験が少ないため、判断ミスや確認不足、報告の遅れなどが起こることがあります。その際に、失敗そのものを強く責められると、次から挑戦することを避けたり、ミスを隠そうとしたりする可能性があります。

大切なのは、失敗をなかったことにするのではなく、次にどう活かすかを一緒に考えることです。

  • なぜこの状況になったのか
  • どのタイミングで相談すればよかったのか
  • 事前に確認できたことは何か
  • 次に同じことを防ぐために、何を変えるか

必要な指摘は行いながらも、人格ではなく行動に焦点を当てて伝えることが大切です。「あなたは注意力がない」ではなく、「今回の業務では確認のタイミングが遅れたため、次回は提出前にこの項目を確認しましょう」と伝えることで、本人は改善点を受け止めやすくなります。

失敗しても学び直せる環境があることで、若手社員は安心して新しい業務に挑戦できます。その積み重ねが、仕事へのモチベーションや成長意欲につながります。

キャリアの選択肢を一緒に考える

Z世代の仕事へのモチベーションを高めるには、目の前の業務だけでなく、将来のキャリアについて一緒に考えることも大切です。

Z世代は、管理職を目指すことだけをキャリアの成功と捉えるとは限りません。専門性を高めたい、さまざまな業務を経験したい、安定して長く働きたい、プライベートとのバランスを大切にしたいなど、キャリアに対する価値観は多様です。

そのため、企業側が一方的に「将来はリーダーを目指してほしい」「この部署で経験を積むべき」と決めつけると、本人の価値観とのズレが生まれることがあります。もちろん、組織として期待する役割を伝えることは必要です。ただし、同時に本人がどのような働き方や成長を望んでいるのかを聞く姿勢も欠かせません。

1on1や面談で本人の考えを引き出す

1on1や面談では、次のような問いかけを通じて、本人の考えを引き出すことができます。

  • 今後どのような仕事に挑戦してみたいですか
  • どのような力を身につけたいですか
  • 今の業務で、将来につながっていると感じる部分はありますか
  • 得意だと感じる仕事、苦手だと感じる仕事はありますか
  • どのような働き方をしていきたいですか

キャリアの選択肢を一緒に考えることで、日々の業務と将来の成長が結びつきやすくなります。その結果、目の前の仕事にも意味を見出しやすくなり、モチベーションの維持につながります。

一人ひとりの価値観や強みを理解する

Z世代のモチベーションを高めるうえで忘れてはいけないのが、世代としての傾向だけでなく、一人ひとりの価値観や強みを理解することです。

Z世代といっても、仕事に求めるものや得意なこと、不安に感じることは人によって異なります。成長機会を求めて積極的に挑戦したい社員もいれば、まずは安心して基礎を身につけたい社員もいます。人前で発言することが得意な社員もいれば、事前に考えを整理してから伝える方が力を発揮しやすい社員もいます。

その違いを理解せず、全員に同じ関わり方を続けると、本人の強みを活かしきれない可能性があります。

強みに合わせて任せ方や支援方法を変える

たとえば、丁寧に準備することが得意な社員には、資料作成や事前調査を通じて自信をつけてもらうことができます。人との関係づくりが得意な社員には、先輩社員との同行や社内調整の場を経験させることで、強みを伸ばせるかもしれません。

人事担当者や管理職は、日々の会話や面談、研修での様子などを通じて、本人の特性を把握することが大切です。

一人ひとりの価値観や強みに合わせた関わり方をすることで、Z世代社員は「自分を見てくれている」「この職場で成長できそうだ」と感じやすくなります。その感覚が、仕事へのモチベーションや定着意欲につながります。


Z世代の仕事へのモチベーションを高めるには、特別な施策だけでなく、日々の関わり方を見直すことが重要です。仕事の目的を伝える、成長を言語化する、対話を通じて納得感をつくる、失敗を学びに変える、キャリアを一緒に考える。こうした積み重ねが、若手社員の前向きな行動と定着を支える土台になります。

Z世代の定着につながる育成施策

Z世代社員のモチベーションを高め、定着につなげるには、日々の関わり方だけでなく、組織として育成施策を設計することが重要です。

若手社員の育成を現場のOJTだけに任せてしまうと、配属先や上司によって育成の質に差が出やすくなります。ある部署では丁寧にフォローされている一方で、別の部署では忙しさから十分な支援を受けられないという状態になると、若手社員の成長実感や納得感にも差が生まれます。

Z世代の定着を支えるには、入社直後の不安を軽減し、成長の道筋を示しながら、継続的にフォローする仕組みが必要です。ここでは、企業が取り入れたい育成施策を解説します。

新入社員研修で仕事の基本と不安解消を支援する

新入社員研修は、Z世代社員が安心して働き始めるための土台になります。

入社直後の若手社員は、ビジネスマナーや報連相、仕事の進め方、社内ルールなど、覚えることが多くあります。同時に、職場になじめるのか、自分は期待に応えられるのかといった不安も抱えています。そのため、新入社員研修では、知識やスキルの習得だけでなく、不安を解消し、働く姿勢を整えることも大切です。

たとえば、報連相やPDCA、ビジネスマナーといった基本スキルを学ぶだけでなく、仕事でつまずきやすい場面をケーススタディで扱うと、入社後のイメージを持ちやすくなります。

また、同期との関係づくりや自己理解の機会を設けることで、孤立感の軽減にもつながります。新入社員研修は、単なる導入研修ではなく、仕事への向き合い方や成長の第一歩を支援する場として設計することが重要です。

OJT任せにせず、育成計画を立てる

Z世代社員の育成では、OJTを行うだけでなく、育成計画を明確にすることが重要です。

OJTは、実際の業務を通じて学べる有効な方法です。しかし、計画がないまま現場に任せると、教える内容やタイミングが担当者によってばらつきやすくなります。また、若手社員本人も、何をどの順番で身につければよいのかわからず、不安を感じることがあります。

育成計画では、入社後1か月、3か月、半年、1年といった節目ごとに、身につけるべきスキルや期待する行動を整理します。たとえば、最初の1か月は基本的な業務理解と報連相の習得、3か月後には簡単な業務を自分で進める、半年後には周囲と連携しながら担当業務を持つといったように、段階を示すことが大切です。

成長ステップが見えることで、若手社員は自分がどこに向かっているのかを理解しやすくなります。また、上司やOJT担当者も、何を教え、どのタイミングでフィードバックすべきかを把握しやすくなります。

1on1で定期的に成長実感と課題を確認する

1on1は、Z世代社員のモチベーション維持に効果的な施策の一つです。

日々の業務の中では、若手社員が抱えている不安や悩みが見えにくいことがあります。本人が問題なく働いているように見えても、内心では「成長できているのかわからない」「この仕事が自分に向いているのか不安」と感じている場合もあります。

定期的な1on1では、業務の進捗だけでなく、本人の成長実感や困っていること、今後挑戦したいことを確認します。たとえば、次のような問いかけが有効です。

  • 最近できるようになったと感じることはありますか
  • 今の業務で難しいと感じていることは何ですか
  • 次に身につけたい力はありますか
  • 仕事を進めるうえで不安に感じていることはありますか

1on1は、上司が一方的に評価や指示を伝える場ではありません。本人が自分の状況を振り返り、上司と一緒に次の行動を考える場として活用することが大切です。継続的に対話することで、若手社員は自分の成長を確認しやすくなり、仕事への納得感も高まりやすくなります。

若手社員向けのキャリア研修を実施する

Z世代社員の定着には、キャリアについて考える機会を設けることも有効です。

若手社員は、入社後しばらくすると、目の前の業務に慣れる一方で、「このまま働き続けてよいのか」「今の経験は将来につながるのか」といった不安を抱きやすくなります。特に、成長実感が薄い状態や、将来の見通しが持てない状態が続くと、転職を考えるきっかけになることもあります。

若手社員向けのキャリア研修では、自分の強みや価値観を整理し、現在の仕事と将来のキャリアを結びつける機会をつくります。たとえば、これまでの経験の振り返り、身についたスキルの整理、今後挑戦したいことの言語化、先輩社員のキャリア事例の共有などが考えられます。

キャリア研修を行うことで、若手社員は自分の成長を客観的に捉えやすくなりますまた、会社の中でどのようなキャリアの選択肢があるのかを知ることで、今の仕事に意味を見出しやすくなります。

管理職向けにZ世代との関わり方を学ぶ研修を行う

Z世代の定着を支えるには、若手社員本人への研修だけでなく、管理職や育成担当者への支援も欠かせません。

現場の管理職は、Z世代社員との関わり方に悩むことがあります。どこまで丁寧に説明すべきか、どのようにフィードバックすればよいか、厳しく伝えるとハラスメントと受け取られないかなど、不安を抱えながら育成しているケースも少なくありません。

そのため、管理職向けに、Z世代の仕事観やモチベーションの特徴、1on1の進め方、フィードバックの伝え方、リアリティ・ショックへの対応などを学ぶ研修を実施することが有効です。

管理職が若手社員の価値観を理解し、適切に関わることができれば、現場での育成の質は高まります。また、管理職自身も「どう接すればよいかわからない」という不安を軽減でき、若手社員とのコミュニケーションに前向きになりやすくなります。

若手社員の定着を本人の努力だけに任せるのではなく、受け入れる側の管理職や育成担当者を支援することも、組織として重要な取り組みです。

研修後もフォロー面談や振り返りを継続する

Z世代社員の育成施策は、研修を実施して終わりではありません。学んだ内容を現場で実践し、振り返りながら定着させることが重要です。

研修直後は意欲が高まっていても、日々の業務に戻ると、学んだことを活かす機会がないまま忘れてしまうことがあります。また、実際に取り組んでみると、うまくいかない点や新たな課題が出てくることもあります。

そのため、研修後にはフォロー面談振り返りの場を設けることが効果的です。たとえば、研修で立てた行動目標をもとに、一定期間後に実践状況を確認する、上司や育成担当者と振り返る、受講者同士で学びを共有するといった方法があります。

継続的なフォローがあることで、若手社員は学びを行動に移しやすくなります。また、企業側も研修の効果や現場での課題を把握し、次の施策に活かすことができます。


Z世代の定着につながる育成施策は、一度の研修や一人の上司の努力だけで成り立つものではありません。入社直後の研修、計画的なOJT、1on1、キャリア研修、管理職研修、研修後のフォローを組み合わせなど組織全体で若手社員を育てる体制を整えることが大切です。

こうした仕組みがあることで、Z世代社員は安心して成長し、仕事へのモチベーションを維持しやすくなります。

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Z世代のモチベーション向上に取り組む際の注意点

Z世代社員のモチベーションを高めるためには、仕事観や価値観を理解し、納得感や成長実感を得られる関わり方を増やすことが大切です。

ただし、Z世代に合わせた育成を意識するあまり、かえって関わり方を誤ってしまうケースもあります。若手社員の定着や活躍を支援するには、世代の傾向を参考にしながらも、一人ひとりの状況に合わせて関わることが重要です。

ここでは、Z世代のモチベーション向上に取り組む際に注意したいポイントを解説します。

世代だけで一括りにしない

Z世代の特徴を理解することは大切ですが、世代だけで一括りにしないことが重要です。

Z世代といっても、仕事に求めるものや価値観、得意なこと、不安に感じることは人によって異なります。成長機会を求めて積極的に挑戦したい人もいれば、まずは基礎を着実に身につけたい人もいます。

そのため、「Z世代だから打たれ弱い」「Z世代だから管理職になりたくない」と決めつけてしまうと、本人の強みや意欲を見落としてしまう可能性があります。世代の傾向はあくまで理解の入り口として捉え、実際の関わりでは本人の言葉や行動を丁寧に見ることが大切です。

甘やかすことと支援することを混同しない

Z世代のモチベーションを高める関わり方は、決して甘やかすことではありません。若手社員の不安を理解し、丁寧に説明し、成長を支援することは大切です。しかし、本人が苦手なことをすべて避けさせたり、必要な指摘をしなかったりすると、成長機会を奪ってしまうことになります。

たとえば、ミスをしたときに本人が落ち込まないように何も指摘しない、難しい業務を任せると負担になるから簡単な仕事だけを続けさせる、といった対応は、一見配慮しているように見えて、長期的には本人の成長につながりにくくなります。

支援とは、本人が安心して挑戦し、失敗から学べるようにすることです。必要な期待や改善点は伝えたうえで、どうすればできるようになるのかを一緒に考える姿勢が求められます。

管理職だけに任せきりにしない

Z世代社員の育成やモチベーション向上を、現場の管理職だけに任せきりにしないことも重要です。

若手社員と日常的に関わるのは、直属の上司やOJT担当者です。しかし、管理職自身もプレイヤー業務や組織運営に追われており、十分な育成時間を確保できないことがあります。

また、Z世代との関わり方やフィードバックの方法に悩んでいる管理職も少なくありません。現場任せの状態では、管理職の経験や感覚によって育成の質に差が出やすくなります。企業としては、人事が育成方針を示し、管理職向けの研修や面談の仕組みを整えることが必要です。

若手社員の育成状況を定期的に確認し、管理職が一人で抱え込まないように支援することで、組織全体の育成力を高めることができます。

単発の研修で終わらせない

Z世代のモチベーション向上に向けて研修を実施する場合、単発で終わらせないことが大切です。研修は、仕事への向き合い方やコミュニケーション、キャリア形成について考えるよい機会になります。しかし、研修を一度受けただけで、すぐに行動が変わり、職場への定着につながるわけではありません。

研修で学んだ内容を現場で実践し、振り返り、必要に応じて改善する流れがあってこそ、行動変容につながります。

たとえば、新入社員研修の後にフォローアップ研修を行う、1on1で研修後の行動目標を確認する、若手社員同士で実践内容を共有するなど、継続的な仕組みを設けることが有効です。

また、若手社員本人への研修だけでなく、上司やOJT担当者にも共通認識を持ってもらうことが重要です。研修と現場でのフォローを連動させることで、モチベーション向上の効果が持続しやすくなります。

本人任せではなく、組織として育成環境を整える

Z世代社員のモチベーション向上は、本人の意識や努力だけに任せるものではありません。

もちろん、本人が主体的に学び、成長しようとする姿勢は大切です。しかし、仕事の目的が伝えられていない、相談できる相手がいない、成長ステップが見えない、評価基準が曖昧といった環境では、どれだけ本人に意欲があっても、モチベーションを保つことは難しくなります。

企業としては、採用段階での期待値調整、内定者フォロー、オンボーディング、OJT設計、1on1、キャリア研修、管理職研修などを組み合わせ、若手社員が安心して成長できる環境をつくることが必要です。


Z世代のモチベーション向上に取り組む際は、「若手社員をどう変えるか」だけでなく、「若手社員が力を発揮しやすい環境をどう整えるか」という視点を持つことが大切です。組織として育成環境を見直すことで、若手社員の定着と活躍につながりやすくなります。

Z世代のモチベーション向上には、納得感と成長実感を生む育成設計が必要

Z世代社員の仕事へのモチベーションを高めるには、世代の特徴を一括りに捉えるのではなく、一人ひとりの価値観や不安を理解したうえで関わることが大切です。

Z世代は、仕事を通じた成長実感や、仕事の意味への納得感を重視する傾向があります。そのため、業務内容だけを伝えて任せるのではなく、なぜその仕事が必要なのか、どのような成長につながるのか、どのような役割を期待しているのかを具体的に伝えることが重要です。

また、入社前後のギャップによって起こるリアリティ・ショックは、モチベーション低下や早期離職につながる要因になります。採用段階で仕事の現実を伝える内定者期間から会社理解を深める入社後のオンボーディングを設計する配属後に定期面談を行うなど、入社前後を通じた支援が必要です。

さらに、若手社員の定着を支えるには、新入社員研修やOJT、1on1、キャリア研修、管理職向け研修、研修後のフォローを組み合わせ、組織として育成環境を整えることが欠かせません。現場の管理職だけに任せるのではなく、人事と現場が連携しながら、若手社員が安心して成長できる仕組みをつくることが求められます。

Z世代のモチベーション向上は、本人の意欲を引き出すだけでなく、企業の定着率向上や将来の中核人材育成にもつながります。納得感と成長実感を生む育成設計を整え、若手社員が前向きに働き続けられる職場づくりを進めていきましょう。

新入社員の育成で、こんなお悩みはありませんか?

「学生気分がなかなか抜けず、指示待ちになってしまう」
「報連相や仕事の進め方が人によって違い、現場が戸惑っている」
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新入社員の育成において、こうした悩みを感じている企業は少なくありません。とくに入社直後は、何を求められているのか分からない不安が、行動のブレーキになりがちです。

アクシアエージェンシーの新入社員研修は、社会人としてのスタンスから、現場で求められる基本行動までを整理し、新入社員が安心して一歩を踏み出せる「土台づくり」を重視しています。

アクシアエージェンシーの新入社員研修の特徴

  • 社会人としての考え方・姿勢を言語化し、行動の基準を明確に
  • 報連相や仕事の進め方を、知識で終わらせず実践レベルまで落とし込み
  • 新入社員と育成担当者の認識を揃え、育成のばらつきを防止
  • 講義だけでなく、ワークやロールプレイを通じて「使える学び」を定着

研修は、実施して終わりではありません。新入社員が不安を減らし、現場で自立して行動できる状態を目指します。

「今の育成の進め方で良いのか分からない」「どこから手をつけるべきか悩んでいる」といった段階でも構いません。貴社の状況に合わせて、研修の設計から一緒に整理します。

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