「新人が“辞めない・育つ”組織づくり5ステップ」シリーズでは、採用後の不安・ギャップを乗り越え、入社から早期活躍につなげる育成の考え方と実践法を、5つのステップに分けてお届けしています。

第2回のテーマは、「内定者研修の設計」

前回は、内定後の不安を和らげ、信頼関係を育てるためのフォローの工夫をご紹介しました。入社までの空白期間をどう過ごすかは、内定辞退や早期離職の防止に直結する重要なポイントです。今回はその延長として、「研修を通じてどう育てるか」に焦点を当てます。

形式的なマナー研修や会社説明にとどまらず、内定者が納得して入社できる状態をつくるための研修設計が求められています。入社後のギャップを防ぎ、「入社初日から動ける人材」を育てるために、どんな研修を、どのような目的で、どのタイミングで行うべきか。今回はその考え方と具体的な設計ポイントをお伝えします。

内定者研修の目的は、「安心感を育てたうえで、覚悟を促すこと」

入社前の研修で大切なのは、不安をなくすことに加えて、前向きな覚悟を持って入社してもらうことです。とはいえ、覚悟は伝えれば持てるものではありません。

「自分はこの会社に受け入れられてい」「職場の雰囲気が少しずつ見えてきた」「仲間がいる」──そんな安心が積み重なることで、初めて「ここで頑張ろう」という前向きな気持ちが生まれます。不安や緊張が強いままでは、どんな理念や期待も“自分ごと”としては届きにくい。だからこそ、覚悟を促す前に、安心感を育てることが出発点になります。

そのために研修では、少しずつ不安を和らげ、「ここで頑張れそうだ」と思える心理的な土台をつくることが重要です。

  • この会社に受け入れられているという実感
  • 入社後の働き方や雰囲気の“見通し”
  • 同期や先輩とのつながりによる安心感

こうした安心感が生まれることで、内定者は自分なりに入社後をイメージし、気持ちの準備を進めることができるようになります。そしてこの土台があってこそ、次の段階として「覚悟」を育てていくことができるのです。

安心感が整った先に、求められる「覚悟」

安心感という土台ができたうえで、次に重要になるのが、「社会人になる」という自覚と、それに伴う“覚悟”を育てることです。

ここでいう覚悟とは、「厳しさを受け入れる」といった精神論ではなく、

  • どんな役割を果たすことが求められているのか
  • 自分は何のためにこの会社に入るのか
  • 仕事を通じてどう成長していきたいのか

といった“自分の軸”を持った状態で入社を迎えることを意味します。

社会人への“意識の切り替え”を育てるには

まだ働いた経験のない内定者にとって、自分の役割や責任を実感するのは簡単ではありません。 だからこそ研修では、「働くとは何か」「この会社で求められる姿勢や考え方とは何か」を、対話やワークなどを通じて丁寧に伝えていく必要があります。

  • 主体性・責任感・協働姿勢といった社会人としての基本スタンス
  • 自分で考えて動く力、わからないときに相談する力
  • チームの一員として役割を果たす視点

こうした要素に触れることで、教えてもらう側から自ら動く側への意識の切り替えが進みます。また、「入社までにどんな準備をすればよいか」「社会人としてどうありたいか」を考える時間は、本人の自信にもつながります。

覚悟が育った状態とは、会社からの指示を待つのではなく、自分はどう動くかを前向きに考えられている状態。この意識で入社を迎えられるかどうかが、早期の活躍や定着に大きな影響を与えます。

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「社会人基礎力」+「現場理解」の両輪で構成する

内定者研修のカリキュラムを考える上で大切なのは、「何を教えるか」だけでなく、「どんな力を育てるか」という視点です。中でも重要なのが、社会人としての基本的なスタンスと、配属後の具体的な業務イメージをバランスよく育てること。

この2つがそろって初めて、「考え方」と「行動」の両面から入社後のギャップを減らし、定着につなげることができます。どちらか一方に偏ってしまうと、

・スキルや知識だけ伝えても、そもそもの仕事への向き合い方が身についていない
・社会人の心構えばかり伝えても、配属後のイメージが湧かずに不安が残る

といった状態になりかねません。そのため、内定者研修ではこの2軸を意識した設計が求められます。

社会人基礎力(マインド)

  • 主体性・責任感・報連相の基本
  • 自己理解や考え方の傾向を知るワーク
  • 仕事を通じてどう成長したいかを言語化する機会

単なる「社会人マナー研修」等で終わらせず、どういう姿勢で仕事に向き合うのかを内省できる構成にすることが重要です。

現場理解(リアリティ)

  • 会社の事業や仕事の流れを知る
  • 担当業務の1日の流れをシミュレーションする
  • 先輩社員の体験談やロールモデルの紹介
  • 簡単な業務体験やロールプレイの導入

配属後に「思っていたのと違った」とならないように、仕事の解像度を高めるプログラムが効果的です。


こうした内容を組み合わせることで、内定者自身が「自分はこの会社で、こういう姿勢で、こういう仕事に取り組んでいくんだ」とストーリーとして入社後の自分を描ける状態を目指すことができます。

先輩社員との交流やロールプレイで“納得感”を育てる

研修の場でリアルな声に触れることは、内定者の不安や誤解を解く大きなきっかけになります。内定者研修では、「自分がこの会社で働く姿」をどれだけ具体的にイメージできるかが、入社への納得感や安心感につながります。

その意味で、リアルな声に触れる機会を意識的に取り入れることは非常に効果的です。特に、現場で働く先輩社員との座談会や、業務シーンを模したロールプレイなどは、研修の場で内定者の意識を大きく変えるきっかけになります。

たとえば――

  • 先輩社員の「入社当初に戸惑ったこと」
  • 「どんな壁を乗り越えて今があるのか」
  • 「仕事のどんな瞬間にやりがいを感じているのか」

こうした実体験に触れることで、内定者は自分の不安や疑問を照らし合わせながら、「あ、自分もこういうことありそうだな」と自然と入社後の姿をイメージし始めます。また、実際のやりとりや判断を体感できるロールプレイを通じて、ただ話を聞くだけでは得られない気づきや実感も生まれます。

こうした体験の積み重ねが、「この会社でやっていけそう」「今のうちに準備しておきたいことが見えてきた」という内定者自身の納得感や前向きな覚悟を育てていくのです。

忙しい現場でも導入しやすい研修を

“入社初日から動ける人”を育てる内定期間の使い方

入社初日に自分から動ける新人を育てるには、どんな内容を、どんな順序で、どのくらいの時間をかけて伝えていくかが非常に重要です。

内定期間は、ただ何かを詰め込む時間ではなく、「安心感 → 納得感 → 行動イメージ」へと段階的に気持ちを高めていくプロセスとして捉えることがポイントです。

効果的な時間の使い方

内定直後~3ヶ月前ごろ: 関係構築と安心感づくり

  • 面談や座談会で職場や人の雰囲気を伝える
  • 仲間とのつながりや会社に受け入れられている実感を持たせる

入社3ヶ月前~1ヶ月前: 仕事理解とマインドセットの土台づくり

  • 社会人基礎力や仕事への向き合い方を伝える
  • 現場の話・キャリアのイメージに触れる座談会やワークの実施

入社直前期(1ヶ月以内): 行動の具体化・初日の準備

  • 入社初日に不安なく動けるよう、「最初に何をするか」「困ったときはどう動くか」など、行動レベルでの準備を行う
  • 自己紹介や質問練習、報連相ロールプレイなども有効

このように、フェーズごとにテーマを分けて段階的に育てていくことで、ただ情報を与えるだけでは得られない「行動の準備」が整います。限られた内定期間だからこそ、「何をするか」だけでなく、「いつ・どんな順番で」実施するかが鍵になります。

「納得感のある入社」が、定着と活躍のカギを握る

内定者研修は、ただ知識やマナーを教える場ではありません。入社後のギャップを防ぎ、職場へのスムーズな適応を促すには、安心感を育てること覚悟を促すことの両輪が欠かせません。

そのためには、研修の中で「社会人としてのスタンス」と「現場での仕事のリアリティ」をバランスよく伝えることが大切です。さらに、先輩社員との交流やロールプレイなどを通じて、内定者が自分の入社後を具体的にイメージできるような仕掛けも有効です。

入社初日に自信を持って動き出せる状態をつくるには、「何を伝えるか」だけでなく、「どんな順番で、どんな関わり方で伝えるか」を丁寧に設計する必要があります。限られた内定期間だからこそ、段階的に気持ちを高めていく研修設計が、定着と活躍への大きな一歩になります。

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新入社員の育成で、こんなお悩みはありませんか?

「学生気分がなかなか抜けず、指示待ちになってしまう」
「報連相や仕事の進め方が人によって違い、現場が戸惑っている」
「OJTはしているが、新入社員の不安が解消されているのか分からない」

新入社員の育成において、こうした悩みを感じている企業は少なくありません。とくに入社直後は、何を求められているのか分からない不安が、行動のブレーキになりがちです。

アクシアエージェンシーの新入社員研修は、社会人としてのスタンスから、現場で求められる基本行動までを整理し、新入社員が安心して一歩を踏み出せる「土台づくり」を重視しています。

アクシアエージェンシーの新入社員研修の特徴

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  • 新入社員と育成担当者の認識を揃え、育成のばらつきを防止
  • 講義だけでなく、ワークやロールプレイを通じて「使える学び」を定着

研修は、実施して終わりではありません。新入社員が不安を減らし、現場で自立して行動できる状態を目指します。

「今の育成の進め方で良いのか分からない」「どこから手をつけるべきか悩んでいる」といった段階でも構いません。貴社の状況に合わせて、研修の設計から一緒に整理します。

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