人事や採用の現場では、応募数や選考状況、従業員アンケートなど多くのデータを扱いますが、「情報が散らばって活用しきれない」「Excel管理に限界を感じている」と悩む担当者も少なくありません。そんなときに役立つのが、Googleが提供する無料のBIツール「Looker Studio」です。

Looker Studioを使えば、さまざまなデータを簡単に可視化し、ダッシュボードとして共有することができます。本記事では、Looker Studioの基本から主な機能、メリット・デメリット、人事業務における具体的な活用事例、導入ステップまでをわかりやすく解説します。

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Looker Studioとは

Googleが提供する無料のBIツール「Looker Studio」は、初心者でも扱いやすく、さまざまなデータを視覚的にわかりやすく整理・分析できるプラットフォームです。この章では、Looker Studioの基本的な概要や旧Google Data Portalとの違い、BIツールとしての位置づけと人事業務での活用可能性について解説します。

Looker Studioの基本概念とできること

Looker Studioは、Googleが提供するデータビジュアライゼーションと分析のためのプラットフォームです。2022年に旧Google Data Portalから名称が変更され、より高度な機能を備えたBIツールとして注目を集めています。

このツールの目的は、BigQueryGoogleスプレッドシートGoogle広告など、さまざまなデータソースから情報を統合し、視覚的にわかりやすいレポートやダッシュボードを作成することです。初心者でも扱いやすく、リアルタイムのデータ更新にも対応しているため、日々変化するビジネスデータの可視化に適しています。

利用者層としては、企業のデータアナリストやマーケティング担当者はもちろん、最近では人事部門でも活用が進んでおり、採用データの分析や従業員エンゲージメントの可視化など、幅広い場面で使われています。特にGA4のデータやWebアクセス解析などと連携しやすいため、Googleの他のプロダクトと併用している企業にとっては非常に導入しやすい環境が整っています。

旧Google Data Portalとの違いと進化ポイント

Looker StudioとGoogle Data Portalは、もともと同じプロダクトですが、名称変更とともに機能面でも進化がありました。最大の違いは、より高度な分析やデータ統合が可能になった点です。

例えば、Cloud上のBigQueryと直接連携し、数百万件のデータをリアルタイムで処理できる点は、大規模なデータ分析を行う企業にとって大きなメリットです。また、フィルタやマップ、ヒートマップなど、インタラクティブな要素が強化され、Web上での操作性も向上しています。

ユーザーインターフェースについても改善されており、初心者でも扱いやすいデザインに加えて、IT部門でなくてもレポート作成や編集が可能です。さらに、YouTubeやGoogle広告などのサービスとの統合もスムーズで、複数プロパティをまたいだ分析も容易になっています。

BIツールとしての位置づけと人事領域での可能性

BI(ビジネスインテリジェンス)ツールとは、企業が保有するデータを収集・分析し、経営判断や業務改善に役立てるためのシステムです。Looker Studioもその一つであり、特に無料で始められる点と操作のしやすさが評価されています。

他のBIツール、たとえばTableauやPower BIと比べると、Looker StudioはGoogleアカウントさえあればすぐに使えるという導入の簡単さと、Google製品との親和性の高さが特長です。そのため、エンジニア以外の部門、特に人事・総務といった非IT系の部署でも導入しやすいという利点があります。

人事領域においては、採用数の推移、応募者の属性、選考フローの進捗などの指標をグラフで「見える化」することができ、意思決定や業務改善に役立つツールとして注目されています。Excelなど従来の表形式データ管理と比べて、視覚的に直感的にデータを把握できる点が、Looker Studioの大きな魅力といえるでしょう。

Looker Studioの主な機能

Looker Studioは、データの取得からレポート作成、共有・活用までを一貫して行えるBIツールです。この章では、データソースの接続のしやすさや、柔軟なレポート作成機能、視覚的な可視化、チームでの共同利用、さらにはモバイル対応といった主な機能を紹介し、ビジネスの現場でどう役立つのかを解説します。

データソースの連携と接続のしやすさ

Looker Studioの大きな特長のひとつが、さまざまなデータソースとの柔軟な連携です。GoogleスプレッドシートやBigQuery、Cloud SQL、さらには外部のWebサイトやAPIなど、複数の情報源を一つのダッシュボード上に統合できます。

接続設定は非常にシンプルで、URLを指定したり、Googleアカウントと連携するだけで基本的な接続が完了します。各種コネクタも豊富に用意されており、技術的な知識がなくてもデータベースやクラウドのリソースに簡単にアクセス可能です。

また、リアルタイムでのデータ更新にも対応しており、常に最新の情報に基づいてレポートを確認できる点は、業務のスピード感を保つ上でも重要です。

レポート・ダッシュボード作成機能の概要

Looker Studioのレポート作成は、直感的なインターフェースとカスタマイズ可能なテンプレートによって非常にスムーズに行えます。あらかじめ用意されたテンプレートをベースに、自社のデータに合わせて内容を編集することができるため、ゼロから作成する負担を大きく軽減できます。

GoogleスプレッドシートやGAのデータなどを自由に配置し、チャート・表・スコアカードといったコンテンツを使って、多角的に情報を整理できます。さらに、権限設定により閲覧専用や編集可能といった役割の割り当てもでき、社内共有もスムーズです。

レポートはWeb上で即座に生成・更新できるため、情報の鮮度を保ったまま関係者に伝えることができます。

可視化の柔軟性とビジネス活用性

データの可視化においても、Looker Studioは非常に優れています。棒グラフ・折れ線グラフ・円グラフ・ヒートマップなど、多様なグラフ・チャートを用いて視覚的に情報を整理できます。

インタラクティブなダッシュボードを構築すれば、ユーザー自身がフィルタを切り替えたり、表示範囲を指定してデータを動的に操作することが可能です。これにより、ただのレポートではなく、業務の意思決定に活かせる分析ツールとして機能します。

特に人事業務においては、選考プロセスごとの進捗や応募者数の推移などをリアルタイムで「見える化」でき、定性的な判断から定量的な判断へとつなげやすくなります。

共有とコラボレーション機能(チームでの活用)

Looker Studioは、共有や共同編集が非常に簡単に行える点でも優れています。Googleドライブと同様の操作でレポートを社内に共有でき、URLを知っているメンバーなら誰でもアクセス可能にできます。

さらに、リアルタイムでのコラボレーションにも対応しており、複数人で同時に編集を進めたり、コメントを残すことも可能です。チームでの作業効率を高めるために、権限を閲覧専用・編集権限ありといった形で柔軟に設定できるのも魅力です。

これにより、たとえば採用チーム・経営層・現場マネージャーといった異なる立場のメンバーとデータを共有しながら進行できる環境が整います。

モバイル対応とレスポンシブデザイン

Looker Studioのレポートは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末でも閲覧可能です。レポートを作成する際には、コンポーネントの配置やサイズ調整を工夫することで、レスポンシブに対応させることができます。

たとえば、重要な指標をスコアカードとして上部に配置したり、棒グラフを横スクロール可能な形式にすることで、スマートフォンでも見やすいレポートが実現します。現場の管理職や外出中の担当者がレポートをチェックする場面でも、PCに頼らずにすぐに情報を確認できるのは、大きな業務支援となるでしょう。

Looker Studioのメリットとデメリット

Looker Studioには、無料で始められる導入のしやすさや、直感的な操作性といったメリットがある一方で、大規模データの処理や細かなカスタマイズには制限があります。この章では、実際に使ううえで知っておきたいメリットとデメリットを整理し、自社に合った活用方法を見極めるためのヒントをお伝えします。

【メリット】コストパフォーマンスと無料でできる範囲

Looker Studioの最大の魅力のひとつは、無料プランでも高機能なBI環境を構築できることです。Googleアカウントがあればすぐに利用を開始でき、初期費用や月額コストをかけずに導入できます。

特に中小企業やDXに初めて取り組む人事部門にとって、予算をかけずに試せるツールという点は大きなメリットです。無料でありながら、ダッシュボードの作成、レポートの共有、複数のデータソースとの連携など、ビジネス現場で必要な基本機能は一通り揃っています。

さらに、ビジネス規模やニーズに応じて、Looker Studio Proなどの有料プランへの移行も可能で、柔軟なステップアップができる点も評価されています。費用対効果を重視する企業には特におすすめできるツールです。

【メリット】操作性の良さとUIのわかりやすさ

Looker Studioは、直感的な操作性とシンプルなインターフェースを兼ね備えており、初めてBIツールを触るユーザーでもスムーズに使い始められます。グラフやチャートの追加はドラッグ&ドロップで行え、クリック操作だけで簡単に構成を変更できます。

さらに、テンプレートが豊富に用意されており、GoogleスプレッドシートやBigQueryなどと接続する際にもガイド付きで設定を進められるため、学習コストが非常に低いのが特長です。見やすく整理されたレイアウトと、情報の視覚化に特化したデザインが、利用者のストレスを軽減し、業務のスピードアップに貢献します

業務用ポータルとして導入する場合でも、特別なITスキルを必要とせず、現場主導でデータ活用を始められる点は大きな魅力と言えるでしょう。

【注意点】カスタマイズの限界やパフォーマンス制約

一方で、Looker Studioにはいくつかの制約も存在します。特にカスタマイズ性においては、標準機能に依存する設計となっており、独自のビジュアルや複雑なロジックを組み込むのは難しい場合があります。

たとえば、指定したカテゴリごとに表示条件を変えたい、あるいはデータの抽出条件を柔軟に設定したいといったニーズには、別のツールとの併用やカスタムコードの記述が必要になることもあります。

また、項目のサイズやディメンションの扱いには制限があるため、大量データや高度な可視化を求める場合には適さないことがあります。この点は、要件に応じた導入判断を行う上で重要なチェックポイントとなります。

【注意点】データ処理の限界

Looker Studioは多数のデータソースと連携できる一方で、大規模なデータ処理には限界がある点も理解しておく必要があります。特にリアルタイム性が求められる場面では、処理速度が低下し、反映までに時間がかかることがあります。

また、異なるデータソースを統合して使う場合、条件設定やデータの整合性を取るために手間がかかることもあります。技術的な知識が少ない場合は、正しい接続設定やフィルタの適用に悩むケースも少なくありません。

短時間で正確な分析結果を得たい場合には、事前のデータ整理や、必要な範囲を絞った設計が求められます。工数を削減しつつ信頼性の高い分析を行うには、運用面の工夫が必要になるでしょう

このように、Looker Studioは無料かつ高機能な一方で、利用シーンによっては注意すべき点もあります。メリットとデメリットを理解したうえで、自社の用途に適した使い方を見極めることが重要です。

人事業務におけるLooker Studio活用事例

Looker Studioは、採用から定着までの人事データを一元管理し、視覚的に分析・共有できる強力なツールです。この章では、応募数や選考状況の可視化、エンゲージメント調査の分析、評価や勤怠のダッシュボード化など、実際の業務に即した活用事例を紹介します。

採用データの可視化(応募数・選考フローなど)

人事部門でのLooker Studioの活用は、まず採用データの可視化から始めるのが効果的です。応募数の推移や職種ごとの応募比率、選考ステータス別の通過率などをグラフで「見える化」することで、選考活動の全体像を一目で把握できるようになります。

さらに、より具体的なKPIを設定することで分析の精度が高まります。たとえば、各選考ステップでの歩留まり率(通過率)を可視化すれば、どの段階で候補者が離脱しているのかが明確になります。また、リードタイム(選考に要する日数)をトラッキングすることで、採用プロセスのスピード感を把握でき、改善点を見つけやすくなります。

こうした指標をダッシュボードにまとめることで、「今どの段階に課題があるのか」を直感的に把握でき、採用戦略の見直しや施策の優先順位付けに役立ちます。加えて、現場マネージャーや経営層との情報共有もスムーズになり、採用活動全体の効率化と意思決定の質の向上につながります。

入社後アンケートやエンゲージメント調査の分析

入社後のフォローアップにおいても、Looker Studioは力を発揮します。たとえば、オンボーディングアンケートやエンゲージメント調査の結果を集計し、ダッシュボードで可視化することで、従業員の満足度や離職リスクを早期に把握できます。

質問ごとのスコアをレーダーチャートで表示したり、部署ごとの回答傾向をマップ形式で整理するなど、分析結果を視覚的に伝えることで、経営層や現場とのコミュニケーションもスムーズになります

また、調査結果を自動更新で反映させることで、月次や四半期ごとの比較も容易となり、組織改善に向けた継続的なモニタリングが可能になります。定性データを定量的に扱うための仕組みとしても有効です

評価・勤怠・定着データのダッシュボード化

Looker Studioは、従業員の評価情報や勤怠記録、定着率といった人事データの一元管理にも活用できます。これらのデータを統合し、スコアカードやヒートマップを用いてダッシュボード化することで、部門ごとの傾向や課題が明確になります。

たとえば、月ごとの勤怠データを棒グラフで表示し、残業時間の推移や有休取得率を一覧化すれば、働き方の改善点が見えてきます。評価点の分布をチャートで示せば、公平性や偏りの有無を可視化できます。

こうしたレポートは、経営判断に必要な情報を“視覚的かつ瞬時に伝える手段”として社内でも重宝されますまた、異動や退職といった動向と定着率を組み合わせて分析することで、より精度の高い人材マネジメントにもつながります。

Looker Studioは単なるデータ表示ツールではなく、人事部門が戦略的に機能するためのビジネスインテリジェンスツールとして活用できるポテンシャルを持っています。導入企業の多くが「数字に基づく会話ができるようになった」と評価しており、現場と経営をつなぐコミュニケーションの橋渡し役として、今後ますます重要な存在となっていくでしょう。

導入のステップと初期設定

Looker Studioを効果的に活用するためには、まず初期設定の流れを理解しておくことが大切です。この章では、Googleアカウントの準備からデータソースの接続、レポート作成・共有の基本操作、さらに見やすく伝わるレポートデザインのコツまで、導入時に押さえておきたいステップを解説します。

Googleアカウントの準備とLooker Studioへのアクセス

Looker Studioを利用するには、まずGoogleアカウントの用意が必要です。すでにアカウントを持っていればそのまま利用できますが、持っていない場合は、Googleの公式サイトから無料で作成できます。

アカウントの準備ができたら、Looker Studioの公式ページにアクセスし、ログインします。最初のログイン時には、利用規約への同意と簡単な設定が求められますが、手順はシンプルで数分で完了します。

ログイン後は、Looker Studioの「ホーム」画面に移動し、ここから新しいレポートの作成や、他のユーザーが作成したテンプレートの利用が可能になります。

データソースの選定と接続手順

Looker Studioを使い始めるとき、多くの人がいきなりデータ接続に進みがちですが、本来はその前に「誰に」「何を」「なぜ」見せるのかを設計するフェーズが非常に重要です。たとえば、経営層に提示するのか、採用チームで活用するのかによって、必要となる指標やレポートの形は大きく変わります。

あらかじめKPI(重要業績評価指標)やターゲットユーザーを明確にしておくことで、必要なデータソースを正しく選定でき、無駄のない設計が可能になります。

その上で、Looker Studioの画面から「データを追加」を選び、利用可能なデータソース一覧を確認します。GoogleスプレッドシートBigQuery、外部のCSVファイルなど、多数のオプションから選択できるので、自社の目的に合ったデータを選びましょう。選択後は、必要な認証情報を入力して接続を完了させれば、すぐにレポートで利用できるようになります。

初期レポートの作成と共有の始め方

データソースが接続できたら、いよいよ初期レポートの作成に進みます。ホーム画面の「空白のレポート」またはテンプレートを選択し、新規レポートを立ち上げましょう。

レポート作成画面では、先ほど接続したデータを元に、グラフや表、スコアカードなどのコンポーネントを追加できます。デザイン面では、配色、フォント、レイアウトの調整が可能で、視認性を意識したデザインにカスタマイズすることが重要です。

作成したレポートは、「ファイル」メニューから保存できるほか、「共有」ボタンを使って、URLリンクで他のメンバーに共有することができます。PDF形式でのエクスポートも可能なので、会議資料やメール配信用にも便利です。

レポートデザインの最適化とカスタマイズの基本

レポートはただデータを並べるだけでなく、「伝わる」デザインを意識することが重要です。たとえば、KPIをスコアカードとして上部にまとめたり、カテゴリーごとに色分けを行うことで、視認性を高められます。

また、チャートの選定も重要な要素です。応募数の推移には折れ線グラフ、職種ごとの応募割合には円グラフ、エンゲージメントスコアの比較にはヒートマップといった具合に、目的に合ったチャートを選びましょう

さらに、ダッシュボードの背景やフォントサイズ、間隔なども調整可能です。最初から完璧を目指す必要はありませんが、使う人が見やすいよう意識することが、レポート活用の第一歩になります。

Looker Studioのセキュリティ対策とデータプライバシー

人事データを可視化・共有するうえで欠かせないのが、セキュリティとプライバシーの管理です。この章では、Looker Studioを安全に活用するための基本的なセキュリティ機能や、Googleの提供する信頼性の高い基盤、そして人事データ特有の注意点と運用上のコツについて解説します。

利用時のデータ保護とアクセス管理

Looker Studioは、Googleのインフラ上で動作するクラウドサービスのため、データの保存・管理において高いセキュリティ水準が確保されています。レポートやダッシュボードに使用するデータは、基本的にGoogleアカウントに紐づけられており、第三者が勝手にアクセスすることはできません。

アクセス管理についても、レポートごとに「閲覧のみ」「編集可能」といった詳細な権限設定が可能で、社内の利用者に対して必要最小限のアクセス権を付与することができます。これにより、情報漏洩リスクを最小限に抑えつつ、チームでの円滑な情報共有が可能になります。

共有時のURL発行も、公開範囲を制限できるオプションがあり、社外秘のデータが誤って外部に漏れるリスクも低く設計されています。

Googleのセキュリティ基準と企業利用の安心感

Looker Studioは、Google Cloudの一部として提供されており、ISO/IEC 27001SOC 2といった国際的なセキュリティ基準に準拠しています。これにより、企業レベルでの利用においても一定の信頼性が担保されており、内部統制やコンプライアンスの観点でも導入しやすいサービスとなっています。

また、すべてのデータ通信はHTTPSによって暗号化されており、インターネット経由であっても安全に情報をやり取りできる環境が整備されています。管理者はGoogle Workspaceを通じて、ログイン管理やアカウントの利用状況をモニタリングすることも可能です。

このようなセキュリティ基盤の上で動作しているため、人事情報や経営データといった機密性の高い情報を扱う業務においても、安心して運用できるBIツールとして多くの企業に採用されています。

人事データを扱う際の注意点と活用のコツ

どれだけセキュリティ水準が高いツールであっても、運用側の意識とルール設定が重要であることは変わりません。特に人事データは個人情報を多く含むため、不適切な共有や設定ミスは大きなリスクにつながります。

たとえば、個人名を含む情報を直接表示せず、部署別や年代別といった集計データに置き換えるなどの工夫が求められます。また、閲覧権限を必要最小限に設定し、定期的に共有範囲を見直すことも欠かせません。

さらに、セキュリティ機能だけでなく、「データガバナンス(データ管理体制)」の整備も必須です。具体的には、「誰がレポートを作成し、誰が閲覧できるのか」といったルールを事前に定め、組織全体で統一した運用を行うことが大切です。こうした体制を築くことで、安全性と実用性を両立したデータ活用が可能になります。

よくあるトラブルと対処法

Looker Studioを利用していると、データが表示されない、接続が切れるといったトラブルが発生することがあります。この章では、よくある不具合の原因とその対処法を紹介しながら、安心してツールを使い続けるための基本的なトラブルシューティングの考え方を解説します。

データが表示されない・更新されないときの対応

Looker Studioを使っていると、「データが表示されない」「数値が更新されていない」といった問題に直面することがあります。こうした場合、まず確認すべきはデータソースの設定です。意図したデータソースが正しく接続されているか、対象のシートやテーブルが最新の情報を持っているかをチェックしましょう。

また、フィルターの条件が過剰に設定されていると、結果が表示されないこともあります。表示範囲を狭めすぎていないか、ドロップダウンなどの選択肢が適切かを確認することが大切です。

さらに、ブラウザのキャッシュが影響している場合もあるため、キャッシュのクリアやページのリロードも試してみましょう。実際のデータに問題がないにもかかわらず、画面上に反映されないときは、この操作で解消されることがよくあります。

なお、データソースの種類によっては、更新のタイミングが自動または手動に設定されていることがあります。Looker Studioのレポート上では常に最新データが表示されるとは限らないため、更新間隔やトリガー設定も確認しておくと安心です。

接続エラー・認証問題の解決法

接続エラーが発生した場合、最初に確認すべきはインターネット環境です。通信状態が不安定だと、データソースとの連携がうまくいかないことがあります。

次に、接続中のデータソースの認証情報を見直しましょう。たとえば、Google広告やBigQuery、外部APIなどは、それぞれに設定されたアクセス権やトークンが正しくないと接続できません。必要に応じて、認証を一度解除し、再設定することで解決するケースもあります。

また、Looker Studio自体の設定ミスも原因の一つです。フィールドの指定漏れや、プロジェクトの選択ミスなどがあると、エラーの原因になりやすいので、接続手順をもう一度丁寧に確認してみましょう。

エラー発生時の基本的なトラブルシューティング

不具合や表示異常に直面した場合は、まずシンプルな操作から試すのが基本です。ページのリロード、ブラウザやLooker Studioの再起動などは、一時的な不具合を解消する効果があります。

それでも解決しない場合は、エラーメッセージをメモしておくことが重要です。表示されたメッセージをもとに、Googleの公式サポートページやヘルプガイド、コミュニティフォーラムで該当する内容を検索すると、解決策が見つかることが多くあります。

万が一、どうしても原因が特定できない場合は、Googleのサポートチームに問い合わせるか、Looker Studioの「ヘルプ」機能を使って技術的な支援を求めるのがよいでしょう。質問内容に応じて、専門チームが対応してくれます。

Looker Studioは基本的に安定したサービスですが、トラブルが起きたときには落ち着いて一つずつ確認することが解決への近道になります。使いこなしていく中で、自社に合った運用ノウハウを蓄積していくことも、長く活用するためのポイントです。

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Looker Studioはどんな企業におすすめか?

Looker Studioは、企業の規模や目的によってさまざまな使い方が可能ですが、特におすすめできるのは、これから人事データの活用を始めたい企業です。この章では、どんな組織に向いているのか、中小企業やExcel中心の運用から脱却したい企業、そしてBIツール未経験でもスムーズに使い始められる組織の特徴について解説します。

人事データを活かしたい中小企業

Looker Studioは、限られたリソースの中でもデータを有効活用したい中小企業に特に適しています中小企業では、専任のデータ分析担当者がいないことも多く、Excelや紙ベースでの管理に頼っているケースも少なくありません。

こうした環境でも、Looker Studioを導入すれば、採用数の推移や退職率、定着率などの人事指標を自動でグラフ化し、経営層や他部署とスムーズに情報共有できます。Googleスプレッドシートなど、既存のツールと連携しやすいため、現場で蓄積したデータをそのまま活用できるのも大きなメリットです。

データ分析の専門知識がなくても使える点や、無料で始められる点からも、まずは「データを見える化したい」と考えている中小企業にはぴったりの選択肢です。

Excel管理から脱却したい企業

人事業務において、今もなお多くの企業がExcelを中心とした手動管理を続けています。しかし、ファイルの更新漏れやバージョン管理の混乱、データの見落としなど、アナログな運用には限界があります。

Looker Studioは、こうしたExcel管理の課題を解消するための有効なツールです。既存のスプレッドシートをそのままデータソースとして接続できるため、まずは現在の運用を大きく変えずに導入でき、徐々にBIツールとしての機能を拡張していけます。

レポートの自動更新や、複数メンバーでの同時閲覧・編集も可能なため、属人化の解消や業務の効率化にもつながりやすいのが特徴です。

BIツール未経験でも始めやすい組織の特徴

Looker Studioは、BIツールをこれまで使ったことがない組織でも、ストレスなく導入できる点が強みです。Googleアカウントさえあればすぐに始められ、画面構成もGoogle製品に慣れているユーザーなら直感的に操作できます。

特に、現場主導でデータを活用したいという意識があるが、技術的なノウハウや予算が足りないといった課題を持つ企業にとっては、導入ハードルの低さが大きなメリットになります。

テンプレートやガイドも充実しており、最初はシンプルなグラフから始めて、徐々に機能を拡張していくことで、データ活用のスキルを社内に自然と根付かせることが可能です。

まとめ:人事部門がLooker Studioを活用する意義

Looker Studioは、データを手軽に可視化できるだけでなく、人事部門がデータドリブンな意思決定を進めるための基盤となるツールです。この章では、データ分析の重要性と、無料で始められるLooker Studioの活用方法を整理し、人事業務に導入する意義をまとめます。

データドリブンな人事を実現する一歩

人事業務において、直感や経験だけに頼るのではなく、データに基づいた意思決定を行うことはますます重要になっています。応募者の傾向分析や従業員の定着率の把握など、データ分析は組織の現状を理解し、将来の戦略を描くための強力な基盤となります。

Looker Studioを活用すれば、従来は散在していた情報を一つにまとめ、高い精度でトレンドやパターンを把握できます。これにより、採用計画や人材育成の方向性を効果的に検討でき、ビジネス全体の成長にも直結します。人事部門にとっては、データドリブンな運営を実現する第一歩となるでしょう。

無料で始められるデータ可視化の第一歩として

Looker Studioの大きな魅力は、無料で導入でき、誰でもすぐに使い始められることです。Googleアカウントさえあれば利用可能で、専門的なITスキルを必要としないため、BIツールが初めての組織でも安心して導入できます。

また、リアルタイムのデータ反映チームでのコラボレーション機能により、迅速な意思決定をサポートし、部門間の情報共有をスムーズにします。これまでExcelや紙ベースでの管理に頼っていた企業にとっては、業務効率化の大きな一歩になるはずです。

Looker Studioは単なる分析ツールではなく、人事部門が組織に提供できる価値を高める運用基盤となります。まずは小さな取り組みから始め、徐々にデータ活用を広げていくことで、組織全体のデータリテラシー向上にもつながります。

最後に

Looker Studioは、無料で利用できる強力なデータ可視化ツールとして、人事部門の業務効率化やデータドリブンな意思決定を後押しします。採用活動の歩留まり率やリードタイムの把握、従業員アンケートの分析、勤怠データの可視化など、幅広い人事領域で活用できる点が大きな魅力です。

一方で、大規模データの処理速度やカスタマイズ性には限界があるため、自社のニーズに合わせて設計やデータガバナンスを工夫することが求められます。

まずは無料で導入し、小さなレポート作成から始めることで、データ活用の文化を社内に根付かせることができます。人事部門がLooker Studioを使いこなすことは、組織全体の成長に直結する重要な一歩となるでしょう。

人事DXのお悩みはアクシアエージェンシーへ

採用に関する総合コンサルティングを行っているアクシアエージェンシーでは、採用業務に関するDX化のお手伝いをしております。業務効率化だけではなく、母集団形成や採用コストの削減など、あらゆる観点での支援が可能です。

・面接調整や進捗管理に、毎日追われている
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このようなお悩みをお抱えの企業様はぜひ一度、お話しをお聞かせ下さい。状況を整理し、問題・課題を把握する段階からはもちろんのこと、導入後もより良い採用活動に向けた効果改善などのサポートも行います。

アクシアエージェンシーの人事DXサービスの特徴

企業のニーズや状況に合わせた
ツールのカスタマイズが可能

アクシアエージェンシーは、採用までのプロセスを一気通貫で支援。BIやATS、AI、RPA、API連携を活用し、企業ごとの課題に応じた運用設計も専任チームが柔軟に対応します。

データドリブンで
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属人的な採用活動を、KPIダッシュボードを活用してデータ起点の戦略型業務へ転換。リアルタイムで状況を可視化し、“なんとなく”の施策から脱却できます。

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ツール導入で終わらせず、実務への落とし込みから運用定着までを伴走支援。業界や体制に応じて柔軟に設計し、“使われないDX”を防ぎます。

貴社の課題やお悩みにしっかり寄り添い、最適なご提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください!

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