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2023.11.15.Wed

       

SNS運用担当者必見!SNSの炎上対策とは?炎上を未然に防ぐ5つの方法



SNSを運用する中で、炎上は企業にとって深刻なリスクですが、実際の炎上事例から学び、未然に防ぐことが可能です。
本記事では、過去の炎上ケースを分析し、SNSでの炎上を未然に防ぐ5つの方法を紹介します。同時に、万が一炎上が発生した際の具体的な対処法も併せて解説していますので、SNS運用をこれから始めたいと検討中の企業様、SNS運用を始めたばかりという担当者の方はぜひご確認ください。


炎上とは


そもそも炎上とは、どのような状態を指すのでしょうか。総務省「情報通信白書」では「炎上」を以下のように定義しています。

炎上とは「ウェブ上の特定の対象に対して批判が殺到し、収まりがつかなさそうな状態」「特定の話題に関する議論の盛り上がり方が尋常ではなく、多くのブログや掲示板などでバッシングが行われる」状態である。
参考:『情報通信白書 令和元年版』ネット上での炎上を巡る議論 総務省
SNSにおける炎上はweb上だけの問題ではなく、実社会にも大きな影響を与えます。風評被害による買い控えといった悪影響だけでなく、炎上の規模によっては企業の株価を下げ、数億円単位の損害が発生する事例も少なくありません。

◆ 炎上の発生件数の推移


web上の炎上の発生件数は、右肩上がりで増加しています。シエンプレ株式会社の調査によれば、炎上の発生件数は2019年1,228件、2020年1,415件、2021年1,766件と上昇し続けています。

「情報通信白書」に掲載されている資料(山口真一『炎上とクチコミの経済学』.2018)によれば、2010年の炎上発生件数は102件となっていますので、この10年で炎上のリスクは10倍以上に跳ね上がっています。
参考:『デジタル・クライシス白書2023』 シエンプレ株式会社
被害規模と発生件数の増加を鑑みれば、企業にとってSNS上の炎上対策は喫緊の課題といえるでしょう。




実際に起きた炎上の事例


SNSの炎上対策を考えるためには、まず実際に起きている炎上の事例について把握しておく必要があります。

◆ 従業員によるSNSへの投稿(バイトテロ)


飲食店や販売店などで従業員が問題行動を起こし、その様子をSNSへアップすることにより炎上する、いわゆる「バイトテロ」が頻発しています。こうした炎上は企業の社会的信用を失墜させるだけでなく、炎上を引き起こした本人の人生も大きく狂うことになります。

また近年では、顧客側が飲食店で問題行動を起こし、その様子をSNSへアップしたことで大きな社会問題に発展する事例もありました。この場合、企業側は完全に被害者ではありますが、なんとか短期間で炎上を収束させるための対応が必要となってきます。

◆ SNS担当者の失言


企業でSNSを運用する際、担当者を前面に立たせて個人的な発言を行う場合があります。アカウントの親しみやすさを上げるためのポピュラーな方法ではありますが、ときに企業のブランドイメージを損なう可能性もあります。

例えばSNS採用を目的に運用するアカウントで、採用担当者が個人的に「待遇面を優先する人材とは一緒に働きたくない」と投稿し、批判が集まって炎上を引き起こした事例があります。

また、SNS担当者の失言による炎上例としては、プライベートの個人アカウントと間違えて企業アカウントで投稿してしまう、いわゆる「誤爆」も挙げられます。こうした投稿は、慌てて削除してもスクリーンショットなどで保存されてしまう場合も多いため、根本的にミスが起きないような体制作りが求められます。

◆ PRコンテンツでの炎上


テレビCMやSNSに掲載したPR用のコンテンツ(動画・マンガなど)が、意図とは異なる炎上を引き起こす場合があります。

例えば、家族団らんの光景で、女性が何気なく洗い物を行う様子が「女性への家事の押しつけ」として炎上した事例があります。この事例ではジェンダーが問題となりましたが、一部の表現が意図せずセンシティブな受け取られ方をしてしまう事例は後を絶ちません。

◆ 会社の不祥事


SNS運用に問題がなくとも、会社が引き起こした不祥事が引き金となり、SNSに苦情や批判が殺到して炎上状態に陥る場合があります。

こうした状況では、過去の投稿を掘り起こされて炎上が拡大することもあります。例えば品質管理にまつわる不祥事が明るみに出た際、過去のSNS上での品質管理に関する発言が掘り起こされ、悪評とともに拡散されるといったことも起こりえます。




SNSでの炎上を未然に防ぐ5つの方法


SNS上での炎上を防ぐためには、具体的にどのような対策を講じればよいのでしょうか。ここでは5つの取り組みについて解説していきます。

◆ ソーシャルメディアガイドラインの策定


SNS上での炎上を防ぐための対策として、まずはソーシャルメディアガイドラインの策定をおすすめします。ソーシャルメディアガイドラインを一言で表すなら「SNSを扱うにあたっての約束事」です。以下、ガイドラインに含めるべき内容をご紹介します。

センシティブな話題を避ける

企業のSNSでは原則として、政治や宗教、人種といったセンシティブな話題を取り扱うのは避けましょう。何気ない発信が予期せぬ受け取られ方をしてしまい、炎上につながる恐れがあるからです。

また、センシティブな話題の線引きは、わずかな時間でも変化することがあります。以前まで問題がなかった表現も、いつの間にか不快感を与えるものとして扱われている可能性があるため、定期的な基準の見直しも大切です。

不確かな情報は発信しない

企業のSNSでは「不確かな情報は発信しない」と徹底しましょう。「自分が常識だと思っていたことが、実は自分の周りだけの常識だった」という経験は、誰しも一度はしているのではないでしょうか。SNS上での発信も同様で、正確な情報なのか確認する癖をつけることが炎上を防ぐ対策となるのです。

とくに近年のSNSではフェイクニュースデマへの危機感が高まっているため、法律や健康情報といった影響の大きい情報を発信する際は、最大限の注意を払いましょう。

ダブルチェック体制

SNSで投稿を行う際は、できるだけダブルチェック体制でリスクを低下させましょう。

自分では問題がないと思っても、他人から見ると不快感を覚える表現になっている可能性は往々にしてあります。とくにネットスラングやweb上でリスクが高まっている話題などは、なかなか一人だけでは把握しきれません。

SNSの投稿はあらゆる人の目に触れるため、何が不快感につながるかわかりません。できるだけ多くのチェックを通してから投稿することで、炎上リスクを低減させることができるのです。

プライベート端末での運用を禁止する

原則として、従業員のプライベート端末で企業アカウントを管理するのはやめましょう。SNSをまめに更新するために担当者がプライベート端末で企業アカウントを管理する場合がありますが、炎上のリスクが高まります。

「企業アカウントに誤爆した内容が炎上した」という事例は少なからず発生しており、プライベート端末での運用はセキュリティ面での不安も生じます。



◆ 全従業員への研修


SNSの炎上は、経営層や非正規雇用の従業員によって引き起こされることも多々あります。そのため、SNSにまつわる研修は、自社に所属するすべての従業員を対象とする必要があります。炎上によって発生する損害や社会的影響などを含めて、従業員のリテラシーを高めなければいけません。

とくに近年は、世代を問わず、多くの人が何らかのSNSを利用しています。個人アカウントの取り扱いについても「業務上知り得たことを発信しない」などの指導を徹底しておきましょう。

◆ SNS上のトレンドや炎上の確認


SNSの運用担当者の業務として、SNS上のここにトレンド炎上の確認を組み込むことも効果的です。

過去には「従業員が話題の人物と同姓同名だった」「自社の製品が原因と勘違いされる報道があった」といった、いわゆる「とばっちり」で炎上につながるケースも存在しています。とくに、同業他社が引き起こした炎上騒動は自社にも飛び火してくる可能性があるため、警戒を強めておくと安心です。

また、世間で話題になっている事柄によっては、普段であれば問題のない表現の言葉尻を捕まえられてしまうことがあります。トレンドや他の炎上事例にまで気を配ることができれば、炎上リスクを大きく低減できるでしょう。

◆ 炎上時の連絡フローの構築


実際に炎上が起きたときに備えて、連絡フローや、誰に対応の最終決定権を持たせるかなどを決めておきましょう。炎上が発生したときは初動が重要ですが、指揮系統や判断基準が曖昧だと対応が遅れ、炎上が拡大してしまう恐れがあります。

また、これらのフローをマニュアルとして明文化しておくことで、担当者が不在のときにも迅速に対処を行うことができます。

◆ モニタリング(監視)サービスの活用


「SNSを付きっきりでチェックするリソースがない」
「業務時間外にも監視を行いたい」


そういった場合は、モニタリング(監視)サービスの活用をおすすめします。

SNSのモニタリングサービスを導入すれば、炎上の早期発見が期待されます。炎上は自社に落ち度がなくても発生する場合があり、自社と遠いところで発生した炎上ほど発見が遅れ、対応が後手に回りがちです。こうした場合でも、モニタリングを実施していれば安心です。

なお、モニタリングサービスは、大きくツールタイプ有人タイプに分けられます。

ツールタイプ

設定したキーワードをもとにして、書き込み・投稿などが短時間で急増した場合にアラートを発するといった機能があります。ただ、アラートが鳴った場合に対応する人員を用意しなければならないので、結局人的リソースが必要になるデメリットがあります。

有人タイプ

人の目視で監視を行うため、精度が高く、ツールでは対応できない動画配信サイトなどの監視も行えます。サービスによっては炎上への初期対応も行ってくれますが、そのぶん費用が高額になります。



SNSで炎上が起こってしまったときの対処法


どれだけ入念にSNSの炎上対策を行っても、飛び火や従業員の軽率な行動などから炎上が起きてしまうこともあるでしょう。実際に炎上が起きたときに重要になるのが、適切な対処です。
ここでは実際の流れに沿って解説していきます。

◆ 事実確認と原因の特定


炎上が発生した場合にまず取りかかるべきなのが、事実確認原因の特定です。

具体的には下記の事実確認を行いましょう。
「何が原因となって炎上が発生したのか」
「自社の落ち度」
「批判や話題の論調」

これらを確認しながら、自社がどのようなアクションを取るべきなのか判断します。

◆ アクションの決定


事実確認が済んだら、具体的なアクションを検討していきます。炎上の対処は難しく、謝罪をすれば鎮火できるわけではありません。むしろ安易な謝罪は、炎上を拡大させてしまう恐れすらあります。

とくに炎上に動揺し、問題点を精査せずに謝罪するのは悪手になりがちです。また「炎上を沈静化させたいから謝罪する」といった態度は、かえって火に油をそそいでしまいます。

もちろん、従業員の問題行動のように原因が明白で、自社に明らかな落ち度がある場合は迅速な謝罪が求められます。ただ場合によっては謝罪を行わず、自社の意図や理念、今後の対応策などを誠実に公表することが正しい炎上への対処となることもあります。

◆ 問題の原因を改善する


炎上が沈静化したあとは、炎上の原因を特定し、改善を進めていきましょう。これにはSNS担当者の業務範囲だけでなく、全社的な対応が求められます。

とくに安全管理上の問題や従業員のリテラシーなどによって引き起こされた問題は、迅速に原因の改善を進めなければいけません。
また、自社に落ち度がない炎上の場合も、初期対応に問題はなかったかなどの見直しを行うことが大切です。



まとめ


SNSにおける炎上はweb上だけの問題ではなく、その規模によっては、数億円単位の損失が発生する場合もあります。しかも炎上の発生件数は右肩上がりで増加しており、企業にとってもSNS上の炎上対策は喫緊の課題となっています。

具体的な取り組みとしては、ソーシャルメディアガイドラインの策定や全従業員への研修、SNS上のトレンドの確認などが挙げられます。

また、なによりも炎上対策で欠かせないのは、全社的に炎上への危機感を持つことです。損失の大きさや実際の事例などを周知し、従業員のリテラシー向上に努めることが求められます。

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編集・執筆/株式会社アクシアエージェンシー マーケティング事業

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