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2023.12.6.Wed
地方学生を採用するメリットとは?採用のポイントやコツ、おすすめの採用手法やを解説!
- 地方学生の就職活動の特徴と動向
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地方学生を採用するメリット
- 応募数が少ないため自社アピールの機会が多い
- 地方拠点へ配属しやすい
- 採用ブランディングにつながる
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地方学生の採用につながる採用手法
- 学内説明会(合同説明会)への出展
- ダイレクトリクルーティングサービスの活用
- 1day選考会の導入
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地方学生の採用を推進する際の注意点
- 採用コストが高くある傾向がある
- 採用率(内定率)が向上するわけではない
- 地方学生ならではの離職がある
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地方学生の採用を成功させる3つのポイント
- オンラインでの選考をメインにする
- きめ細かい内定者フォロー
- web上の情報を充実させる
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まとめ
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地方学生の就職活動の特徴と動向
まずは、地方学生の就職活動の特徴と動向を押さえておき、地方学生に刺さるアプローチの土台を作っていきましょう。(公社)全国求人情報協会の調査を分析すると、地方学生の就職活動の特徴として「マッチ度を重視した活動を行う傾向」が読み取れます。
都市部の学生と地方の学生で顕著な差が表れているのが、プレエントリーの数です。最多は関東の学生で24.9社なのに対して、最少は九州の学生で11社と、2倍近い差があります。
※参考:公益社団法人全国求人情報協会「2022年卒学生の就職活動の実態に関する調査」
これは通勤可能な範囲の企業数が関係していると思われ、関東はマッチ度よりも「とりあえずエントリーだけはしておこう」と気軽に応募する傾向にあると思われます。実際に「企業説明会の参加数」「書類選考への参加数」ともに関東の学生が最多となっており、同様の傾向は近畿の学生でも見て取れます。
ただ、興味深いことに「最終面接を受けた数」と「内定を取得した数」は九州の学生が最多で、逆転が生じています。さらに内定数を各地域ごとに見比べてみると、地域差がほとんどないことがわかります。 このことから地方の学生は、マッチ度の高い企業を厳選してエントリーを行い、高い確率で最終面接まで進んでいることがわかります。
なお、内定状況の地域差がほとんどないことは、厚生労働省の調査からも判明しています。 トップは関東地区と僅差ではありますが中国・四国地区となっています。
※参考:厚生労働省「令和5年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)を公表します」
これらの結果から、地方学生はマッチ度を重視して、厳選した企業へ応募を行う傾向が浮かび上がっています。
地方学生を採用するメリット
あえて地方学生に目を向けて採用活動を行うことで、どのようなメリットが得られるのか解説していきます。
◆ 応募数が少ないため自社アピールの機会が多い
前述の「地方学生はエントリー数が少ない」というデータから、競合となる企業が少ないことがメリットとして挙げられます。「売り手市場」である現在、優秀な学生には企業からのアプローチが集中するため、そのぶん自社のために割いてもらえる時間は減少します。
その点、地方の学生は応募数自体が少ないことから、一社あたり割く時間が多くなることが期待されます。企業側からすれば自社のアピールを行うチャンスが増えるため、採用の可能性も広がっていくでしょう。
◆ 地方拠点へ配属しやすい
終身雇用制度が崩壊し、売り手市場で転職へのハードルが下がったことから、地方への配属(転勤)を拒否するビジネスパーソンが増えています。
日経ビジネスの調査によれば、「転勤命令は退職や転職を検討するきっかけになりますか」という問いに対し、「なる」と回答した人が「ならない」を上回る結果となりました。
※参考:日経BP「1000人調査 社員は「転勤命令」をどう受け止める 懸念は家族」
20代に限定すると、この傾向はさらに顕著です。20代の転職希望者を対象にした「転勤に関する意識調査」では、「転勤のある企業とない企業のどちらを希望するか」という問いに対し、「転勤のない企業」「どちらかといえば転勤のない企業」で合計76.5%に達しています。
※参考:株式会社学情「20代の仕事観・転職意識に関するアンケート調査(転勤)2022年5月版」
首都圏から地方拠点への転勤は、内定辞退や離職率の増加につながるリスクになっているのです。 その点で地方学生は、地元やその周辺での就業を好意的に受け入れてくれます。今後の地方拠点の推進は、地方学生が重要なキーパーソンとなるでしょう。
◆ 採用ブランディングにつながる
地方の学生も積極的に採用しているという姿勢は、採用ブランディングにつながります。「都市部の企業が地方にまで目を向けている」「地方まで来て説明会を開いてくれた」といった積極性は、学生のみならず学校側にも好印象を与えます。長いスパンで見れば、大学の就職課とのコネクションが構築され、地方学生の採用をより活発化できるでしょう。
また、地方に支社を設けて採用を実施する場合は「地方創生」という強いブランディング効果につながり、中途採用においても人材を集める一助となることが期待されます。
地方学生の採用につながる採用手法
地方学生の採用につながる3つの採用手法について解説していきます。
◆ 学内説明会(合同説明会)への出展
学内説明会(合同説明会)への出展は、地方学生と直接の交流を持てる貴重な機会となります。担当者が現地まで足を運ぶため、学生にも企業の熱意が伝わりやすくなります。相談会や面談会を開ければ、学生の上京に対する不安や疑問をその場で解決できるのも大きなメリットです。
ただ、学内説明会に多数の応募があった場合、抽選や学校との付き合いが長い企業が優先されることもあるため、必ず出展できるわけではないのがデメリットとなります。
◆ ダイレクトリクルーティングサービスの活用
ダイレクトリクルーティングとは、企業側から求職者に対して直接アプローチを行う採用手法です。もともと中途採用のヘッドハンティングで活用されることが多かった手法ですが、近年では新卒採用でも活用が進んでいます。
基本的にダイレクトリクルーティングは、求職者(学生)が特定のサービスに登録し、企業がそのデータベースのなかからマッチした人材へスカウトを送るという流れで実施されます。 スカウトを行う段階でエリアや学校名で検索を行えば、地方学生に直接アプローチすることができるというわけです。また、登録情報のなかで「勤務地の希望」があれば、「地元志向」の学生を除外してアプローチできるので、ミスマッチも減っていくでしょう。
デメリットは、データベースから候補者を探す労力です。これまでの応募を待つ採用活動にはないフローが増えるため、担当者の負担は大きく増加します。また、担当者のスカウトスキルを向上させる必要もあります。
◆ 1day選考会の導入
1day選考会とは、説明会から最終面接までを一日で実施する手法です。「1日完結選考」と呼ばれる場合もあります。 企業側にとっては採用活動にかかる負担を大きく軽減できるメリットがあり、地方学生にとっては移動にかかる金銭的・時間的な負担を解消するメリットがあります。
ただ、お互いの理解を深めていく課程を飛ばしてしまい、ミスマッチにつながる恐れもあるため注意が必要です。
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地方学生の採用を推進する際の注意点
地方学生の採用を推進するにあたり、事前に把握しておくべき注意点について解説していきます。
◆ 採用コストが高くある傾向がある
地方学生の採用を推進する場合、採用コストが高くなる傾向があります。 その主たる原因が交通費(遠征費)です。地方学生を採用するためには、学生の交通費・宿泊費の負担はもちろんこと、地方での説明会の開催なども必要となります。
実際にある調査によれば、「関東」の学生の交通費が平均12,614円だったのに対し、最も多い「九州・沖縄」では平均34,953円と3倍近い差があります。 同様に宿泊費では、「関東」の学生が平均1,499円とほとんど必要としなかったのに対し、「北海道」の学生は平均7,571円と大きな開きがあります。
※参考:株式会社ディスコ「2023年卒 10月1日時点の就職活動調査」
就職活動費用の地域差は緩和されつつありますが、それでも都市部の学生を採用するよりはコストがかかります。
◆ 採用率(内定率)が向上するわけではない
地方学生を採用ターゲットにすれば、必ず採用成功率(内定率)が向上すると考える採用担当者もいますが、その保証はありません。
前述の通り、就職内定率に地域差はほとんどなく、内定者の上京志向が低ければ、地元企業からの内定を優先されてしまう可能性もあります。地方学生の「地元志向」によっては、むしろ内定辞退率が上がってしまうリスクを理解しておきましょう。
◆ 地方学生ならではの離職がある
これは地方学生を採用したあとの注意点ですが、地方学生は「地元に戻る」という理由で離職してしまう可能性があります。 「都市部での生活が合わない」「両親の介護で実家に戻らないといけない」などの理由から、地元に戻ってしまう場合があります。とくに介護などの家庭の事情は、実家が首都圏であれば時短勤務などの対策を講じることで就業を続ける方法もありますが、地方出身者の場合は対応も難しくなります。
やむを得ない事情ではありますが、採用計画や人員配置を預かる担当者ならば、この可能性を念頭に置いておく必要があるでしょう。
地方学生の採用を成功させる3つのポイント
地方学生の採用を成功させるためのポイントを3つに厳選してご紹介していきます。
◆ オンラインでの選考をメインにする
地方学生の採用を目指す場合、選考はオンラインをメインにしましょう。新型コロナウイルスの感染拡大により、オンラインでの面接や会議が身近な文化となりました。これが地方学生の採用にとって、追い風となっています。
最大のメリットは、学生の負担軽減とコストカットです。地方学生の面接を対面で行おうとすれば、交通費だけでなく宿泊費も必要となる場合があります。複数名の候補者に対してこれらの費用を負担するとなれば、採用コストは大きく膨らみます。
また、学生にとっても都市部までの移動は時間的・体力的負担となり、選考への参加を躊躇わせる原因となります。 オンライン面接はこれらの負担を一気に解消できるため、地方学生の採用を加速させてくれるでしょう。
ただ、オンライン面接は候補者の表情や振る舞いが読みとりにくいといったデメリットもあるため、最終面接だけは実地で行うなど選考段階に合わせた対応も必要となります。
◆ きめ細かい内定者フォロー
地方学生の採用には、きめ細かい内定者フォローが必要となります。
新卒採用では「内定ブルー」のケアを含めて内定者フォローを行いますが、とくに地方学生に上京を促す場合は、このケアを念入りに行わなければいけません。住み慣れた環境を離れることで、より大きな不安や迷いが生じるからです。 同じタイミングで上京する内定者がいれば懇親会を開いたり、社内に地方出身者がいれば面談を行ったりと、同じ境遇の人との交流を促して不安の解消に努めましょう。
また、上京に際しては、住環境を整えることも大きな負担となります。住居の斡旋などのフォローを行うと、内定者のエンゲージメントも高まるでしょう。
◆ web上の情報を充実させる
地方学生の採用を成功させるために欠かせないのが、ホームページを始めとしたweb上の情報です。
首都圏の学生であれば、会社見学やインターンシップなどで自社の雰囲気を体感してもらうこともできますが、地方学生はそうもいきません。web上の情報が足りないと応募意欲も高まらない上、ミスマッチの原因にもなります。
動画を活用した社内案内や、実際に地方から上京して働く社員のインタビューなど、地方学生が求めるであろう情報をweb上で取得できるよう整備しておく必要があります。
まとめ
各種調査から、地方学生には「マッチ度を重視した就職活動を行う傾向」が見て取れます。そのぶん、企業からすればアピールの機会も多くなります。学内説明会やダイレクトリクルーティングなどの採用手法を積極的に活用して、学生とのコミュニケーションを深めることが重要になるでしょう。
また、オンラインでの選考や内定者フォローで、学生の負担や不安を軽減させることも大切なポイントです。 コロナ禍以降、転勤に対する拒否感が高まっており、地方拠点を推進するうえでも地方学生は重要なキーパーソンとなっています。地方学生をターゲットとした採用競争は年々激しくなると予想されるため、今すぐにでも準備を始めるべきといえるでしょう。
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編集・執筆/株式会社アクシアエージェンシー HRコンサルティング事業部
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