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2023.11.30.Thu
ベンチャー企業求人の探し方は?優良求人を見つける方法を解説
ベンチャー企業の求人を探す際の基礎知識
ベンチャー企業の求人を探す前に、そもそもベンチャー企業とはどんな会社なのかを理解しておかなければいけません。自分のやりたいことと、ベンチャー企業でできることを確認しておけば、志望動機や自己PRを考える際にも役立つでしょう。
ベンチャー企業の定義
実はベンチャー企業に明確な定義や基準はありません。一般的には「革新的なアイディアや技術をもとに新たなビジネスを展開する企業で、成長過程にある中小規模の組織」をベンチャー企業と呼びます。
明確な定義がないということは、人によってベンチャー企業のイメージや捉え方が異なるということです。エージェントや学校の就職課に「ベンチャー企業を志望する」と伝えた際、思わぬすれ違いが生じる可能性もあります。
ですからベンチャー企業の求人を探す際は、具体的にどのような会社を目指し、自分がなにをしたいのか言語化しておくことが大切です。
ベンチャー企業とスタートアップ企業の違い
ベンチャー企業と同じような意味で用いられる言葉として、スタートアップ企業があります。スタートアップは「ベンチャー企業」という大枠のなかの一つに含まれ、やはりその違いは明確に定義付けられていません。
スタートアップは、もともとシリコンバレーで用いられ始めた言葉で、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)などの急成長企業を指す総称でした。この事実からも、スタートアップと一般的なベンチャー企業の違いとして、爆発的な成長速度が挙げられることがあります。
そもそもベンチャー企業のタイプは、その成長速度によって「スタートアップ」と「スモールビジネス」に分けられます。
「スタートアップ」は投資失敗のリスクを背負いつつ、短期間での市場独占と急成長を目指すのに対し、「スモールビジネス」は持続的かつ安定した成長で、事業の拡大を目指していきます。同じベンチャー企業でも経営戦略が全く異なるので、組織体制も異なります。
つまり、ベンチャー企業の求人を探す場合は、自分が「スモールビジネス」系の会社と「スタートアップ」系の会社のどちらを目指すのかについて、考えを明確にしておかなければいけないのです。
毎日が変化に富んだスピード感のある職場を求めているのであれば、スタートアップ系の企業。革新的な技術を用いつつも、安定成長を目指す職場で働きたいのであれば、スモールビジネス系の企業。
このように、ベンチャー企業の求人を探す前に、自分がベンチャー企業のどの部分に興味・関心を持っているかを言語化しておきましょう。
ベンチャー企業の求人は少ない
その理由として、資金または社内リソースの不足が挙げられます。転職サイト等に求人広告を出すには多額のコストがかかるうえ、多くの応募者を選考するためには様々なオペレーションが必要となります。
多くのベンチャー企業には、これらのコストやオペレーションを処理するリソースがありません。そのため、求人広告を出稿せず、応募数をある程度コントロールできる、リファラル採用のようなダイレクトリクルーティングがメインの採用方法となります。
また近年は、フリーランスや副業人材が増加していることから、正社員採用を控える傾向もあります。ベンチャー企業からすればフリーランス・副業人材は、社会保険や人材育成などのコストを支払う必要がないうえ、即戦力になってくれる願ったり叶ったりな人材だからです。
ベンチャー企業の成長ステージ
ベンチャー企業は、その成長段階によって4つのステージに分けられます。ステージによって携わる仕事の内容やスピード感などが全く異なるので、ベンチャー企業の求人を探すのであれば、応募先の企業がどのステージにあるのかを知っておく必要があります。
シードステージ
シードステージは、ビジネスモデルや事業計画を決定する、起業前の段階です。求人によって入社できる段階ではないので、ここでは検討しなくてよいでしょう。アーリーステージ
アーリーステージは創業直後の段階で、運転資金に多くの出費がかかる一方で、売上は少ない状態です。そのため事業リスクが多く、採用も行いにくい状態にあります。ただ、スタートアップの最も厳しい段階を経験できるため、将来的に独立したい人は積極的にアーリーステージのベンチャー企業を探してみるとよいでしょう。
ミドルステージ
ミドルステージは、事業が軌道に乗り始めた段階です。資金調達も行いやすくなるので、さらなる事業拡大を目指して本格的に採用を行い始めるのがこの段階です。基本的にベンチャー企業の求人は、このミドルステージから出てくるようになると考えてよいでしょう。ただ、新卒社員を一から育てるほどの余裕はまだない場合が多く、即戦力となる人材が好まれます。
未経験や新卒でミドルステージのベンチャー企業を目指す場合は、自己PRのクオリティを上げる必要があります。具体的には「自分が入社することで、会社にどのような利益をもたらせるか」を売り込めるようにしておきましょう。
レイターステージ
レイターステージは事業や組織体制が確立され、純現金収支も増えて経営が安定した段階です。この段階に至ると定期的な採用の体制が整っているので、求人も見つけやすいでしょう。ただ、いわゆるベンチャー企業特有のスピード感は薄れ、個々人の業務内容も明確になっているので幅広い業務を経験するのは難しくなります。スタートアップを目指したい人にとっては、レイターステージのベンチャー企業はミスマッチになるかもしれません。
ベンチャー企業の求人の探し方7選
ここから具体的に、ベンチャー企業の求人を探す方法について解説していきます。
1.エージェントを活用する
ベンチャー企業を目指す場合にまず検討すべきなのが、エージェントの活用です。エージェントの活用には、大きく2つのメリットがあります。
1つ目のメリットは、求人を探す手間や労力をエージェントに任せられることです。ベンチャー企業は求人自体が少ないため、闇雲に探すよりも専門家であるエージェントに一任するのが最も効率が良いといえるでしょう。
2つ目のメリットは、自分の希望に合った企業を紹介してくれることです。一口にベンチャー企業といっても、業界や経営方針、置かれている成長ステージなど多種多様です。そのため、自身が求める働き方とマッチしたベンチャー企業を探すのは、非常に難しい取り組みとなります。その点、企業側の情報を深く理解しているエージェントに任せれば、うまくマッチングさせてくれるでしょう。
デメリットとしては、エージェントの質によって大きく結果が変わってしまうことです。傾聴力が低かったり、レスポンスが悪かったりすると、せっかくのチャンスを逃してしまう可能性もあります。
エージェントへ依頼する場合は、複数のエージェントと面談を行い、相性や実績を見極めて依頼先を決定しましょう。
2.ダイレクトリクルーティングサービスに登録する
ベンチャー企業の求人をこちらから探すのではなく、企業からのアプローチを待つという方法もあります。それがダイレクトリクルーティングサービス(逆求人サイト)への登録です。
企業の採用活動は、少子高齢化による「売り手市場」を受けて、企業が求職者へ直接アプローチする「ダイレクトリクルーティング」に切り替わりつつあります。ダイレクトリクルーティングは採用数を増やしにくい一方で、採用コストを抑えやすい特徴があるので、ベンチャー企業にとっても相性の良い採用手法となっています。
ただ、企業からのスカウトを受けるためには、学歴や実績、経験・スキルなど、採用担当者の目に留まるようなアピールポイントが欠かせません。また、アプローチがあった企業が自分の希望に合っているとも限らないため、自らも別の方法で求人を探すことも大切です。
3.合同説明会に参加する
広く様々なベンチャー企業を探してみたいのであれば、合同説明会への参加がおすすめです。
合同説明会というと、大手人材会社が主催する大規模なイベントをイメージしがちですが、ベンチャー企業を狙うのであれば中小企業や特定の業界に特化した中小規模の合同説明会へ参加しましょう。
「社員と直接話せる」「疑問点や事業内容について質問できる」などのメリットがあり、想定していなかった業界の企業と出会える可能性があります。
一方で、能動的に行動しないと「会社案内やパンフレットをもらうだけで終わってしまった」といった結果になりかねないので、説明会では計画的に行動することが大切です。
4.SNS上で探す
ベンチャー企業の求人を探す場合は、各種SNSを忘れずに確認しましょう。
SNS採用は企業側にとって、コストがかからない採用手法です。そのため、資金力に乏しいベンチャー企業は、SNS上でのPRに力を入れる傾向があります。とくにIT系のベンチャーであれば、SNSを活用した自社サービスの宣伝を積極的に行っているはずです。
SNSを通じて自社の魅力や社内の雰囲気を発信している場合も多いため、企業研究にも役立つでしょう。また、オンラインサロンやイベントの開催情報をいち早くキャッチすれば、社員や関係者とつながりを作るきっかけにもなります。
デメリットとしては、SNSを確認する手間と、自身のSNSを確認されてしまうことが挙げられます。プライベートと仕事には線を引きたいと考えるなら、就活用のアカウントを作るなどの対策も必要となるでしょう。
5.ベンチャーキャピタルの投資先を調べる
ベンチャーキャピタルの投資先を調べることで、将来性のあるベンチャー企業を探すことができます。
ベンチャーキャピタルとは、将来有望な非上場のベンチャー企業に対して投資を行う企業のことです。投資先のベンチャー企業がIPOを果たした際、株式や事業を売却することで利益を上げています。
つまり、ベンチャーキャピタルが投資するベンチャー企業は、今後の成長が期待できる優良企業というわけです。
この方法のデメリットとしては、投資を受けているベンチャー企業が必ずしも採用活動を行っているとは限らないことです。「まずはどのようなベンチャー企業があるのか調べたい」と考えている人におすすめの方法といえるでしょう。
6.表彰を受けている企業を調べる
「日本スタートアップ大賞」や「ベストベンチャー100」などに選ばれたベンチャー企業を確認するのも、優良ベンチャーを探す方法としておすすめです。ベンチャーキャピタルの投資先を調べるのと並行して行うとよいでしょう。
表彰を受けている企業を調べることは、成長するベンチャー企業の特徴を確認するうえでも効果的です。
ただ、こうした表彰を受けるということは「すでに成果を上げている企業」であり、組織としての体制もある程度整っています。そのため、スタートアップ独特のスピード感や成長実感などは得られにくいかもしれません。また、当然ながら競争倍率も激しいものになります。
7.企業へ直接問い合わせる
ベンチャーキャピタルの投資先やSNSなどを通じて知った企業が採用情報を掲示していなかった場合、企業へ直接問い合わせることも必要になってきます。
SNSのDMやホームページの問い合わせ機能で、まずは採用を行っているかを確認してみましょう。
ただ、採用情報を出していないと言うことは、人員補充の必要がないか、リファレンス採用や業務委託などで人材の確保を行っている可能性が高いといえます。そのため、この方法で成果につながる可能性は低いと言わざるをえません。
それでも「この会社で働きたい」という強い思いがあるなら、直接問い合わせることで熱意が伝わる場合もありますので、臆せず問い合わせてみましょう。
ベンチャー企業の優良求人を見分けるチェックポイント
ベンチャー企業の求人を見つけたあとは、その会社が応募に値する優良企業であるかを確認しなければいけません。ここでは、優良求人を見分けるためのチェックポイントをお伝えします。
◆業界の成長性や競争状態
ベンチャー企業の求人を確認するときは、その企業のことだけでなく、業界にも目を向けてみましょう。今後ニーズが高まっていく業界や、新規参入の少ない業界であれば、会社の業績が伸びていく可能性は高いでしょう。
業界がレッドオーシャンである場合は、そのなかでどのようなサービスや事業戦略で競争を勝ち抜こうとしているかまで確認する必要があります。戦略部分に共感や納得ができない場合は、応募を避けるべきでしょう。
◆就業環境
一般的な企業に比べてベンチャー企業は、研修制度や福利厚生などの就業環境が整っていない場合があります。また、ほとんどのベンチャー企業は人手不足な状態なので、部署や事業などの垣根なく仕事を割り振られ、一人あたりの業務量も多くなりがちです。
ベンチャー企業を志望する方は、こうした過酷な状況に進んで挑戦する意気込みを持っているとは思いますが、それでも毎日終電になって残業代も支払われないような就業環境は避けるべきでしょう。
◆採用数
会社の資本金や規模に対して不自然に多い採用予定数を掲示しているベンチャー企業は、高い離職率が常態化している可能性が高く、入社しても後悔につながりやすいので注意しましょう。
採用活動で多くの人材を一気に獲得できるのは、基本的に大資本を持つ企業の特権です。ベンチャー企業でも会社の成長を見越して大規模な採用を行うことはありますが、その場合でも多少のリスクがあります。
「採用数が多いから業績は好調」と短絡的に捉えず、採用拡大に足る根拠を見つけてから応募を決めましょう。
ベンチャー企業探しで後悔しないための方法
ベンチャー企業へ入社したあとに後悔しないよう、ベンチャー企業探しのポイントや注意点をお伝えします。
経営者や先輩社員に共感できるか
社員数が少ないベンチャー企業では、他部署に異動するといった逃げ道がないため、経営者や先輩社員に対して共感や信頼感を持てるかが重要になります。
ベンチャー企業というと、若くて活気がある会社とイメージしがちですが、経営層のバックボーンによって会社の雰囲気は大きく異なります。
例えば、大学在学時から友人とともに起業した企業は、仲間意識が強く、部活動のような雰囲気の場合が多い特徴があります。また、大企業出身者が起業した企業は、大企業の文化やノウハウを活かした堅実で落ち着きのある文化の場合が多い特徴があります。
とくにベンチャー企業では、経営層の考えや人柄がダイレクトに事業へ反映されます。経営層と価値観が食い違うと決定的なすれ違いになってしまうので、社員の人柄も含めてよく確認しておきましょう。
インターンや業務委託で働いてみる
ベンチャー企業探しで失敗を防ぐために最もおすすめなのが、インターンシップや業務委託で実際に働いてみることです。
ベンチャー企業は社内体制が整っていなかったり、実は事業が思うように成長していなかったりと、一般的な企業よりも入社後のギャップが大きい可能性があります。
前述のとおり、ベンチャー企業の正社員採用はあまり行われない反面、コストを抑えられるインターンシップや業務委託で人材を集める傾向があります。
学生であればインターンシップ、社会人であれば業務委託など、実際にその企業の内部を確認してから入社すると失敗を減らせるでしょう。
口コミサイトやSNSで評判を確認する
ベンチャー企業を探す際には、口コミサイトやSNSで評判を確認することが大切です。
一般的な企業であれば、OB・OG訪問でリアルなアドバイスを直接もらえる機会がありますが、社員数が少ないベンチャー企業ではOB・OGがいるとは限りません。
そのため、不確実性には目を瞑り、口コミサイトやSNSでできるだけ情報を集めることが重要になります。元社員の声を見つけられないときは、その企業が提供しているサービス・商品についての口コミを探してみましょう。
サービス・商品について悪評が流れている場合は、その対応を含めて確認します。対応を含めて評判が悪いようなら、事業の将来性のみならず、在籍している社員の質も疑う必要があります。
ベンチャー企業に向いている人の特徴
はっきりと言ってしまうと、ベンチャー企業で働くのは一般企業で働くのに比べてそれなりのリスクがあります。ここでは、そんなベンチャー企業で働くのに向いている人の特徴をお伝えしていきます。
仕事を第一に考えられる人
ベンチャー企業から求められるのは、仕事を第一に考えられる人材です。ベンチャー企業はその性質上、事業を軌道に乗せないと倒産の可能性があります。そのため、常に仕事のことを考えて成功を目指すことが社員にも求められます。
ワークライフバランスを大切にしたい人は、とくにスタートアップのベンチャー企業は避けるべきでしょう。
主体性と行動力がある人
ベンチャー企業に向いているのは、主体性と行動力がある人です。ベンチャー企業はフットワークが軽く、経営層も一週間経つと違うことを言っているなんてことが日常茶飯事です。ルーティンのような業務はほどんどなく、マニュアルも整備されていないため、自分で考えて主体的に仕事を行える人でないとベンチャー企業でやっていくのはきびしいでしょう。
課題解決力の高い人
ベンチャー企業で働くうえで欠かせないのが、課題解決力です。上の「主体性と行動力がある人」でも触れましたが、業務の内容や方向性は日々変わり、会社としての歴史がないため、社内にノウハウが蓄積されていません。そのため、一般的な会社であれば先輩や上長に相談すれば解決できるような問題も、自身で解決しなければいけないことがあります。それを「やりがい」と感じられる人でないと、ベンチャー企業での業務にストレスを感じてしまうことでしょう。
独立志向が高い人
ベンチャー企業と様々な面で相性が良いのが、独立志向の高い人です。まず、少人数で経営陣との距離感も近いため、スタートアップのノウハウも学びやすいメリットがあります。また、実際に降りかかるトラブルや課題などを体験しておくことで、自身が起業した際にスムーズな対応ができるようになるでしょう。またベンチャー企業は経営陣が起業をしたばかりなわけですから、独立志向を後押しする雰囲気があります。一般的に独立志向が高い人は離職リスクが高いため、企業としては避けたい人材に含まれるので、この点でもベンチャー企業を目指す意義があります。
ベンチャー企業側からすれば、もちろん社員に長く活躍してもらうに越したことはありません。しかし、まずは成果を上げて事業を軌道に乗せることが優先されるため、将来的な離職リスクがあっても、独立志向を持つようなエネルギッシュな人材を求めるという側面もあります。
まとめ
ベンチャー企業は資金やリソースが不足しているため、就職サイトに求人広告を出すオーソドックスな採用手法よりも、コストを抑えられるダイレクトリクルーティングを中心とした採用活動を行います。そのため、ベンチャー企業の求人を探すためには、一般的な就職活動とは異なる方法を駆使する必要があります。
また、一般的な就職活動でも業界の成長性や経営者の情報などを調べるものですが、ベンチャー企業への応募時は、これらの情報が倒産や離職のリスクに直結します。しっかりと研究したうえで、応募を判断しましょう。
ベンチャー企業の採用活動は基本的に不定期であり、採用人数も僅かな場合がほとんどです。そんな限られたチャンスをものにするためには、常に様々な方法でアンテナを張り巡らせておき、あらかじめベンチャー企業で働きたい動機を言語化するなどして、いつでも挑戦できる準備を整えておくことが大切です。
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