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2023.6.9.Fri
採用ブランディングとは?圧倒的な成果に繋げる採用ブランディングの方法・手順を解説します
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採用におけるブランディングの効果はご存じでしょうか?
- ブランディングに成功している企業は大きな成果が出ている
- 採用競合に模倣されない
- 取り組んでいる企業が少ない(採用における競争優位になりやすい)
- 採用競合との差別化が困難になっている
- 採用難の時代、採用力の向上が採用成功のカギ
- 採用ブランディングとは?
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採用ブランディングの手順
- 採用ブランディングの目的、目標を定める
- 市場・競合調査
- 自社の強み・魅力の仮説立て
- 仮説検証
- ターゲティング、ペルソナ設計
- ブランドコンセプトの定義
- メッセージ設計(ブランドメッセージ、ブランド名、ロゴ、キャラクター、カラー)
- 情報発信チャネルと求職者体験の設計
- 継続したコンテンツ制作と情報発信
- まとめ
採用におけるブランディングの効果はご存じでしょうか?
採用計画を達成させるために通常は労働条件の変更、採用手法の検討、求人票の見直し、原稿コンセプトの再設計など、様々な打ち手を実施して課題を解決していっていると思います。
一方で各種打ち手に取り組み始めた当初は大きく効果が改善したものの、次第に採用競合に模倣されはじめ効果改善が頭打ちになることも多いのではないでしょうか?
更には少子高齢化による労働人口の減少は続き、今後採用難に拍車がかかるのは目に見えています。そんな状況下において他社も真似できる採用手法だけに頼っていては、厳しい採用環境を勝ち抜き良い人材を獲得し続けることはできません。
そこで注目すべき手法が「採用ブランディング」です。採用ブランディングに注目するべき理由は大きく5つあります。
①ブランディングに成功している企業は大きな成果が出ている
例えば、
・アルバイトの採用コストが競合(同規模)の10分の1で済んでいる。
・求人広告の応募単価が平均値の3分の1となっている。
など、特筆すべき労働条件や原稿コンセプトがなくてもブランディング効果により大きな成果が出ている事例は多数あります。
②採用競合に模倣されない
ブランドは自社独自のものであるため模倣はされないという特徴があります。
もう少し詳しく解説すると、外部への情報発信だけではブランドを確立することができず、従業員の意識改革、時には人事制度など内部の改革も必要になります。
情報発信だけを模倣することは容易にできるかもしれませんが、本当の意味でのブランディングを真似することはできません。
そのため競合が模倣したとしても採用ブランディングの効果は限定的と言えるでしょう。
③取り組んでいる企業が少ない(採用における競争優位になりやすい)
採用ブランディングに取り組むべき3つ目の理由は、まだ取り組んでいる企業が少なく大きな効果を期待できる可能性があることです。
当社は年間約6500社のお客様の採用支援をしておりますが、本格的に採用におけるブランディングができている企業は数えるほど。
大手企業においても「これから着手していきたい」というお客様がほとんどですので、採用における競争優位をつくりやすい手法であると考えられます。
④採用競合との差別化が困難になっている
採用市場は競合が多く求人情報は飽和状態にあり、「求人媒体を増やす・変更する」「原稿を見直す」「エージェントの数を増やす」などの今までのやり方だけでの差別化は困難を極めます。
求職者から見て採用競合との違いが分かりにくく、競合よりも多くのターゲットに求人情報に触れてもらうことが勝ち筋になってしまうため、求人媒体のコストが高くなる傾向にあります。
⑤採用難の時代、採用力の向上が採用成功のカギ
労働人口の減少から今後ますます採用環境は厳しくなるため、短期的な打ち手だけでなく、長期的な視点で企業の「採用力」を向上させる必要があります。
企業の採用力は「企業力」「労働条件・環境」「採用手法」「採用実務」の4つから成り立ちますが、その中で最も向上させるのが難しい「企業力」を上げていく施策が採用ブランディングとなります。
採用ブランディングとは?
採用において自社独自のブランドを作り、会社・ブランドへの信頼や共感を通じて自社の価値向上と採用競合との差別化を実現する採用戦略のことを指します。
目的や意図なくHPへ社員インタビューを掲載する、SNSに社内の雰囲気を投稿するだけでは採用ブランディングはできません。
ターゲットとなるユーザー頭の中に浮かび上がるのが「ブランド」ですので、ブランドのイメージや価値をユーザー認識できるように戦略的に取り組み必要があるのです。例えば、
・吸引力が高い掃除機=ダイソン
・掃除の常識を変えるロボット掃除機=ルンバ
・何でもそろう、すぐ届く=Amazon
というブランドはイメージがつくと思います。
採用においても、未経験のITエンジニアが居心地良く働ける会社は「〇〇」というようなブランディングができれば一気に採用力は向上します。
採用ブランディングの手順
それでは採用ブランディングの詳しい手順について、解説します。
1.採用ブランディングの目的、目標を定める
2.市場・競合調査
3.自社の強み・魅力の仮説立て
4.仮説検証
5.ターゲティング、ペルソナ設計
6.ブランドコンセプトの定義
7.メッセージ設計(ブランドメッセージ、ブランド名、ロゴ、キャラクター、カラー)
8.情報発信チャネルと求職者体験の設計
9.継続したコンテンツ制作と情報発信
1.採用ブランディングの目的、目標を定める
採用ブランディングに取り組むにあたり、初めに着手するべきことは「目的」「目標」を定めるということです。
採用ブランディングは長期的な取り組みになるため、「目的」や「目標」が明確でないと、「判断基準が曖昧になる」「施策の一貫性がなく上手くブランドが確立されない」などの弊害が起きます。
とりあえず新しいキャラクターを作る、ロゴを制作するなど、打ち手から考えてしまうことも起こりえるでしょう。
また、そもそも採用ブランディングで何を実現するのか?「目的」「目標」を明確になっていない場合には、会社からの投資を継続して得ることも難しくなってしまいます。採用ブランディングは短期的に確立されるものではないため、「目的」「目標」を明確に定め、継続的に取り組むことが重要になります。
下記が目的・目標の設定例になります。
◆採用ブランディング目的例
・採用力の向上⇒未経験のITエンジニアが働きたい会社No1になる。
◆採用ブランディング目標例
・母集団形成力アップ⇒採用HP応募数30%UP、エージェントからの推薦数20%UP
・内定承諾率の改善
⇒内定承諾率20%改善
このような目的・目標を設定することで採用ブランディングの方向性も明確になります。
取り組みにも一貫性を持たせることができますし、数値の改善が進めば会社からの投資も継続して得られる可能性が高まります。
2.市場・競合調査
次に着手するべきことは市場・採用競合などの外部環境の調査です。
採用ターゲットとなる人材はどのくらいの人数いるのか?増加傾向か?減少傾向か?どのような特徴があるのか?という転職市場の調査はもちろん、採用競合がどのような取り組みをしているのか?採用ブランディングは行っているのか?採用における強み、弱みは何か?しっかり調査をしていく必要があります。
冒頭にもお伝えしましたがターゲットとなるユーザー頭の中に浮かび上がるのが「ブランド」なので、市場やターゲット、採用競合の動向は非常に重要です。外部環境の調査をせずに自社の視点だけで進めるブランディングの成功は非常に難しいと言えます。
3.自社の強み・魅力の仮説立て
市場・競合の調査の次に着手するのは自社の強み・魅力の仮説立てです。
過去の応募者や採用者、定着・活躍している人材の傾向、新卒・中途入社者の入社の決め手となったことなどから、採用における自社の強みを仮説立てしていきます。
ここで重要なポイントは会社が考えている強み・魅力と、従業員や求職者が感じている強み・魅力は、ほとんどのケースでGAPがあるということです。あくまで従業員・求職者の視点に立って考えていく必要があります。
4.仮説検証
次のステップでは立てた仮説を検証していきます。主に社員インタビューを通じて仮説が正しいか(自社の強み・魅力になっているか?)を検証していきます。
ターゲットとなる年齢・職種の従業員だけでなく幅広い年齢・職種の方にインタビューすることで仮説立ての段階では気が付かなかった魅力を抽出できることも多々あります。
また採用競合から転職して活躍されている方が社内にいればインタビュー対象に選定して他社との違いや魅力に感じることを徹底的にヒアリングしていきましょう。
仮説検証で大事なことは社外の第三者にインタビュアーをお願いすることです。人事など社内のスタッフで対応してしまうと、どうしてもバイアスがかかってしまうので適切な仮説検証が難しくなってしまいます。
また、インタビューした内容は、記事としてオウンドメディア(HPやSNS)にアップすることで採用サイトのSEO対策や応募率(CVR)の改善にも繋がります。スカウト文面のブラッシュアップや、求人票の追加情報などにも有効活用していきましょう。
社員インタビューとともに検討したいのが人材アセスメントツールです。インタビューというリアルな定性情報だけでなく、人材アセスメントツールを使うことで客観的な基準に基づき従業員の能力や特性、強み、弱みを可視化することができます。
アセスメントツールを利用することで活躍・定着人材の特性が明確になり、スキルや経験にとらわれず、他社とは違ったターゲット設定ができる可能性も高まります。
またペルソナ設計がより具体的にできるようになるためブランディングにも良い影響を与えることができます。
5.ターゲティング、ペルソナ設計
次は市場・競合・自社の調査・分析をもとに狙うべきターゲットの選定、ペルソナ設計をしていきます。
ペルソナ設計とは「採用ターゲットの象徴として定義された具体的な人物像」を設計すること。基本情報(年齢・性別・居住地・家族構成・世帯人数)、職業(会社規模、業界、職種、経験年数、役職)、現在の仕事に対しての不満・不安、収入(年収、貯蓄額)、生活パターン、性格、趣味、交友関係などを具体的にイメージしていきます。
ペルソナ設計で大事なことは実在しそうな人物であること、自社での活躍イメージがあること、自社への転職イメージがあることです。このあたりに留意しながら具体的な人物像を作り上げていきましょう。
6.ブランドコンセプトの定義
外部環境の分析、自社の強み・魅力の明確化、ターゲティング・ペルソナ設計が完了してようやく、自社のブランドをどのように定義するのか?という本質的な部分に着手していきます。
ブランドを定義するには、
②ターゲットとなる求職者にとっての価値を明確にすること
の2つが必要になります。
まずはこのブランドはVision=どんな未来を作りたいのか?Mission=ビジョンを実現するために果たすべき使命は何か?Value=大切にするべき価値観は何か?を考え、ブランドとしての存在意義を明確にします。
ここで重要なのは他社の模倣をせずに「自社らしさ」があるのか?ということです。ターゲットがワクワクするようなVision、Mission、Valueを考えていきましょう。
次に取り組むのはターゲットとなる求職者にとっての価値を明確にしていくことです。自社のブランドはどのような価値を提供できるのか?ユーザーのどのような期待に応えていくことができるのか?を具体的にしていきましょう。
7.メッセージ設計(ブランドメッセージ、ブランド名、ロゴ、キャラクター、カラー)
次に取り組むのはブランドのメッセージ設計です。
定義されたブランドコンセプトを一言でわかりやすく伝えるのがブランドメッセージです。採用ブランディングでは採用LPや採用ピッチ資料などあらゆるシーンでブランドメッセージを発信していくことが重要です。
またブランド名、ロゴ、キャラクター、ブランドカラーについてもこのタイミングで決めていきましょう。もちろんここでもブランドコンセプトにマッチしていること、自社らしさがあることが重要です。
8.情報発信チャネルと求職者体験の設計
採用ブランディングのメッセージ設計の次に着手するのが情報発信チャネルと求職者体験の設計です。
採用ブランディングの方法は大きく分けてインナーブランディングとアウターブランディングの2つの方法があります。
①インナーブランディング(求職者の体験)
転職・就職フェア、説明会、面接、オファー面談、リクルーター面談、求職者とのメッセージのやりとり(レスポンス・丁寧さ)、会社見学、オフィスの立地・デザインなど。
②アウターブランディング(情報発信)
採用サイト、SNS、採用動画、WEB広告、口コミ、プレスリリース、採用ピッチ資料
就職・転職という人生において重要な意思決定をする際には企業から発信されている情報だけで判断することはありません。当たり前ではありますが面接官やリクルーターの印象、会社の雰囲気など自ら体験して感じたことを重視しますので、情報発信だけのブランディングを行っていても効果は限定的になります。
また近年では転職者向けの口コミサイトが増加しており、こちらの情報を判断材料にしている求職者が増えています。採用ブランディングにおいては口コミへの対応をしっかり行っていく必要があります。
9.継続したコンテンツ制作と情報発信
次に着手するのがコンテンツの制作と情報発信です。
採用HPの制作だけで採用ブランディングを実現しようとするお客様もいらっしゃいますが、それは間違いです。ブランドの方向性に即した良い採用HPが出来上がったとしてもそれが求職者の目に届かなければ意味がありません。
採用サイトにターゲットが集まるような施策(継続したコンテンツアップによるSEO対策、各種SNSとの連携、WEB広告運用など)を続けていかないと、せっかく作ったHPも無駄になってしまいます。当社では多くの採用サイトの分析をしておりますが、数百万円かけた素晴らしいデザインの採用HPの月間アクセス数が100に満たないということが多々あります。
また採用サイトやSNSが更新されていないと求職者の目からは「採用に力を入れていないのだろうか?」「情報を更新しない会社は大丈夫だろうか?」という良くないイメージを持たれてしまうケースもあります。
採用サイトの制作はもちろん、SNSや動画サイトのアカウント開設なども同様ですが、ブランディングはそこからがスタートです。継続したコンテンツ制作と情報発信を心がけましょう。
採用ブランディングのまとめ
冒頭にお伝えした通り採用ブランディングが成功したときの効果は絶大です。
さらにその効果は継続して発揮されるため、求人広告、人材紹介、ダイレクトリクルーティング、リファラルなどあらゆる採用手法において長期にわたり効果改善が見込めるでしょう。
一方で採用ブランディングを成功させるにはノウハウが必要ですし、かなりの時間とパワーがかかります。
当社では採用ブランディングのコンサルティング(市場・競合調査からブランドの具体化、メッセージ設計、インナーブランディング・アウターブランディングの設計)はもちろん、各種コンテンツの制作(採用サイト・採用動画、SNS投稿、採用ピッチ資料)まで支援いたします。
採用ブランディングに興味がある方はご相談レベルで構いませんのでお気軽にお問い合わせください。
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編集・執筆/株式会社アクシアエージェンシー 採用コンサルティング事業部
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